西アフリカのガーナ。目立った観光資源のないこの国ですが、世界中でガーナでしか見られない珍しいものがあります。それは、独特な葬式スタイルとユニークな棺桶!ガーナで最も特徴的とも言える、この葬式文化。これを見ずしてガーナ文化を語ることはできません!本記事では、そんなガーナの葬式事情と見学方法をご紹介します。今度の海外旅行は、ガーナで衝撃的な葬式に参列してみませんか?
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ガーナの葬式とは
歌って、踊って、祈る。それがガーナの葬式スタイル。
ガーナのクリスチャンの家庭では、人が亡くなってから葬式を行うまで、1~3ヶ月かかります。亡くなってからすぐに行われない理由は、莫大な費用の準備に時間がかかるから。一般人の葬式で平均8,000セディ(約20万円)。村のチーフ(伝統的首長)ともなると20,000セディ(約50万円)以上するとのこと。
ガーナ人の平均月収が150セディ(約4,000円)程度。まさに、「棺桶(葬式)のために生きる」国民だと思いませんか?
資金調達ができると、葬式は3日がかりで執り行われます。
金曜日
金曜日の夜、死者を遺体安置所の冷凍庫から家に運びます。遺族は故人の体を洗い、化粧をして、ドレスアップさせます。そして故人は村の広場に設置したテントの下に置かれ、親戚や知人が最後の別れを告げに来ます。
ここまでは日本の葬式と大差はないですよね。
ところが、その後が衝撃的。一晩中、村中に響き渡る爆音で明るい音楽を流し続けます。そして葬式に訪れた人々は、音楽に合わせて朝まで踊り続けるのです。
土曜日
葬式のメインは、土曜日です。土曜日の朝、教会の牧師さんの先導で、参列者全員で故人にお祈りを捧げます。参列者は太鼓等の打楽器、ときにはブラスバンドの演奏付きで、歌いながら故人をお墓に運びます。
そして棺ごと、遺族や近隣住民の手で埋葬します。
日曜日
最終日の日曜日には教会に行き、故人を偲んで祈りを捧げます。「教会でお祈り」と聞くとしめやかなイメージかもしれませんが、ガーナの場合は違います。ここでも、歌って、踊って、太鼓をたたいて…お祭り騒ぎ。
明るく、楽しく、賑やか。葬式のスタイルで、ガーナ人の国民性がよくわかります。
ガーナの葬式を見るには
ガーナの葬式を見るなら、土曜日の午前中です。毎週土曜日に、どこかしらで葬式が開催されています。ガーナの葬式は、誰が来てもOK。陽気なガーナ人は、外部の人でも葬式を見学させてくれます。
葬式見学をご希望の方は、滞在場所近辺に住んでいるガーナ人に聞いて、開催場所と時間を事前にチェックしておきましょう。その際、念のため葬式を見学したい旨を伝えておくと良いでしょう。
喪服の色
ガーナの喪服の色は、黒と赤。葬式に参列する場合は、黒または赤い服を身に付けるのをお忘れなく。
ガーナの棺桶
ガーナの葬式文化の中でも、特に特徴的なのが、棺桶。
ガーナ国内をバスで移動していると、ときどき道端で飛行機やドラゴンの形をしたものが目に付きます。筆者も、最初は遊具かと思いました。ところが、これがなんと棺桶だったのです。お金持ちのガーナ人は、故人の人生にちなんだ棺桶をオーダーメイドするそうです。たとえば、パイナップルの形をした棺桶は、パイナップル農家さんの棺。魚の形をした棺桶は、漁師さんの棺、等。
自分なら、どんな棺桶がいいかな?と思わず考えてしまいますよね。
ガーナの棺桶は、木を切るところから、ひとつひとつ手作りされています。芸術品としても海外から高い評価を受けており、欧米などの美術展にも出展しているそうです。
ガーナの棺桶を見るには
棺桶工房はガーナ各地にありますが、首都アクラの「Teshie(テシ)」が棺桶の生産地として最も有名な街です。
棺桶職人が棺桶を製作している姿も見られます。見学料は無料ですが、チップ(5~10セディ程度)を支払いましょう。
テシへの行き方
テシはアクラ市内なので、首都の大きなステーション(アクラ・セントラル、サーティーセブンなど)からなら大概テシ行きのトロトロが出ています。テシへ行きたいときは、周りにいるガーナ人に行き方を聞いてみるのが1番です。
ちなみに筆者がテシの棺桶工房を訪れた際は、「Lascala(ラスカラ)」で下車しました。
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最後に
海外旅行に慣れている方も、旅先で葬式に参列したことのある方は少ないのではないでしょうか?普通の海外旅行が物足りなくなってきた、あなた。今度は「葬式に飛び入りで参列する」なんていう、斬新な海外旅行はいかがですか?
テシに行く時間がないという方も、訪れた街で棺桶ショップを覗いてみてくださいね。もちろん、その場で棺桶をオーダーするのもアリです!
あなたなら、どんな棺桶に入りたいですか?