ガーナ
ガーナ観光
海岸線沿いに並ぶ世界遺産の城塞群

棺桶に命をかける国?!葬式天国ガーナで葬式&棺桶工房を見学しよう!

取材・写真・文:

長野在住
訪問エリア:12ヶ国

2018年2月20日更新

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写真:Adjoa

西アフリカのガーナ。目立った観光資源のないこの国ですが、世界中でガーナでしか見られない珍しいものがあります。それは、独特な葬式スタイルとユニークな棺桶!ガーナで最も特徴的とも言える、この葬式文化。これを見ずしてガーナ文化を語ることはできません!本記事では、そんなガーナの葬式事情と見学方法をご紹介します。今度の海外旅行は、ガーナで衝撃的な葬式に参列してみませんか?

この記事の目次表示

ガーナの葬式とは

歌って、踊って、祈る。それがガーナの葬式スタイル。

  • 写真:Adjoa明るい音楽・ダンスとともに、故人の眠る棺が家から運び出される。

ガーナのクリスチャンの家庭では、人が亡くなってから葬式を行うまで、1~3ヶ月かかります。亡くなってからすぐに行われない理由は、莫大な費用の準備に時間がかかるから。一般人の葬式で平均8,000セディ(約20万円)。村のチーフ(伝統的首長)ともなると20,000セディ(約50万円)以上するとのこと。

ガーナ人の平均月収が150セディ(約4,000円)程度。まさに、「棺桶(葬式)のために生きる」国民だと思いませんか?

資金調達ができると、葬式は3日がかりで執り行われます。

金曜日

金曜日の夜、死者を遺体安置所の冷凍庫から家に運びます。遺族は故人の体を洗い、化粧をして、ドレスアップさせます。そして故人は村の広場に設置したテントの下に置かれ、親戚や知人が最後の別れを告げに来ます。

ここまでは日本の葬式と大差はないですよね。

ところが、その後が衝撃的。一晩中、村中に響き渡る爆音で明るい音楽を流し続けます。そして葬式に訪れた人々は、音楽に合わせて朝まで踊り続けるのです。

土曜日

葬式のメインは、土曜日です。土曜日の朝、教会の牧師さんの先導で、参列者全員で故人にお祈りを捧げます。参列者は太鼓等の打楽器、ときにはブラスバンドの演奏付きで、歌いながら故人をお墓に運びます。

  • 写真:Adjoa土曜日に爆音で流れる音楽と、こんな光景を見たら、それは葬式。

そして棺ごと、遺族や近隣住民の手で埋葬します。

日曜日

最終日の日曜日には教会に行き、故人を偲んで祈りを捧げます。「教会でお祈り」と聞くとしめやかなイメージかもしれませんが、ガーナの場合は違います。ここでも、歌って、踊って、太鼓をたたいて…お祭り騒ぎ。

明るく、楽しく、賑やか。葬式のスタイルで、ガーナ人の国民性がよくわかります。

ガーナの葬式を見るには

ガーナの葬式を見るなら、土曜日の午前中です。毎週土曜日に、どこかしらで葬式が開催されています。ガーナの葬式は、誰が来てもOK。陽気なガーナ人は、外部の人でも葬式を見学させてくれます。

葬式見学をご希望の方は、滞在場所近辺に住んでいるガーナ人に聞いて、開催場所と時間を事前にチェックしておきましょう。その際、念のため葬式を見学したい旨を伝えておくと良いでしょう。

  • 写真:Adjoaこんな貼り紙を見たら、それは葬式のお知らせ。

喪服の色

ガーナの喪服の色は、黒と赤。葬式に参列する場合は、黒または赤い服を身に付けるのをお忘れなく。

  • 写真:Adjoa葬式の様子。参列者は皆、赤か黒の服を着ている。

ガーナの棺桶

ガーナの葬式文化の中でも、特に特徴的なのが、棺桶

ガーナ国内をバスで移動していると、ときどき道端で飛行機やドラゴンの形をしたものが目に付きます。筆者も、最初は遊具かと思いました。ところが、これがなんと棺桶だったのです。お金持ちのガーナ人は、故人の人生にちなんだ棺桶をオーダーメイドするそうです。たとえば、パイナップルの形をした棺桶は、パイナップル農家さんの棺。魚の形をした棺桶は、漁師さんの棺、等。

自分なら、どんな棺桶がいいかな?と思わず考えてしまいますよね。

  • 写真:Adjoaパイナップル、牛、魚。実は、どれも棺桶。

ガーナの棺桶は、木を切るところから、ひとつひとつ手作りされています。芸術品としても海外から高い評価を受けており、欧米などの美術展にも出展しているそうです。

  • 写真:Adjoaギャラリーに展示されているワシの形の棺桶。破損しているところがガーナらしくて良い(笑)。

ガーナの棺桶を見るには

棺桶工房はガーナ各地にありますが、首都アクラの「Teshie(テシ)」が棺桶の生産地として最も有名な街です。

  • 写真:Adjoaテシにある棺桶工房の外観

棺桶職人が棺桶を製作している姿も見られます。見学料は無料ですが、チップ(5~10セディ程度)を支払いましょう。

  • 写真:Adjoaタイプライター型の棺桶を製作中の棺桶職人。キー1つ1つも木から手作り!

テシへの行き方

テシはアクラ市内なので、首都の大きなステーション(アクラ・セントラル、サーティーセブンなど)からなら大概テシ行きのトロトロが出ています。テシへ行きたいときは、周りにいるガーナ人に行き方を聞いてみるのが1番です。

ちなみに筆者がテシの棺桶工房を訪れた際は、「Lascala(ラスカラ)」で下車しました。

【関連記事】:ちょっと不便だけどそれが良い!ガーナの3大移動手段に挑戦しよう!

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この記事を書いたトラベルライター

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