ガーナ
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海岸線沿いに並ぶ世界遺産の城塞群

【ガーナ】負の世界遺産ケープコースト城で奴隷貿易の歴史に触れる

2018年1月10日更新

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西アフリカのガーナ。今でこそ明るく陽気な人々が暮らす平和な国ですが、「奴隷貿易」という暗い歴史を持つ国でもあります。ガーナには奴隷貿易の拠点となっていた建造物が現存しており、それらはユネスコの世界文化遺産として登録されています。本記事では、それら城塞群のひとつで、奴隷貿易の拠点となっていたケープコースト城をご紹介します。

はじめに

ガーナという国

現在はカカオで有名なガーナですが、かつては金と奴隷の輸出で栄えた国です。17~19世紀にガーナの内陸部に存在していた「アシャンティ王国」は、奴隷貿易で大いに繁栄しました。

ここで、「なぜ奴隷貿易でガーナが繁栄するのか?」という疑問が浮かびます。

奴隷貿易というと、「白人が黒人を売買する」というイメージをお持ちではないでしょうか。ところが実際の奴隷貿易では、黒人たちがほかの部族の黒人を捕まえて、白人たちに売っていたそうです。

ケープコーストという街

海に面した街のケープコーストは、当時の奴隷貿易拠点のひとつでした。ここから黒人奴隷がヨーロッパへ輸出されていたのです。

  • ケープコーストの街並み

世界遺産ケープコースト城とは

ケープコースト城は「ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群」として、ユネスコの世界文化遺産に登録されています

ガーナの沿岸部には、イギリスやオランダをはじめとするヨーロッパ諸国が建造した西洋式の城塞群が現存しています。ケープコースト城はその城塞群のうちで、最も有名なものです。

  • 海側から見たケープコースト城

これらは奴隷貿易のような過ちを二度と繰り返してはならないという教訓を後世に伝える、「負の世界遺産」なのです。

歴史

ケープコースト城は、1653年にヨーロッパの商人によって建設されました。当初は木造建築でしたが、1663年に石を用いて再建築されました。

もともとは金や木材の貿易のために建設されたものでしたが、18世紀頃になると、奴隷貿易の拠点として使われるようになりました。

  • 内側から見たケープコースト城

金の産地であるこの地域は、当時「ゴールドコースト」という名称で呼ばれていました。ゴールドコーストは、城の建築当初はスウェーデン領でしたが、1664年、イングランド人により征服されます。

1957年にガーナがクワミ・ンクルマによってブラック・アフリカとして初の独立を果たし、城およびゴールドコースト地域は、ようやくガーナの管理下となりました。

ケープコースト城の見どころ

ケープコースト城に入ると、ガイドさんが英語で解説してくれます。ガイドツアーの時間は決まっておらず、見学者が10人程度集まったら出発します。

大砲

お城の中に入ると、海のほうを向いて大砲が多数並んでいます。

  • ケープコースト城に残る大砲
  • 大砲に詰めるための砲弾

スレイヴ・ダンジョン

奴隷が収容されていた「Slave dungeon」(牢屋)。小さな窓があるだけの部屋に、たくさんの奴隷たちが詰め込まれていたとのこと。もちろん、トイレもありません。劣悪な環境の中、出荷前に亡くなる奴隷も少なくなかったそうです。

  • Slave dungeonへの入り口。左端にはオバマ前大統領の訪問記念碑がある。

ドア・オブ・ノー・リターン

そして、奴隷の出荷口である「Door of no return」。一度このドアを出たら、二度とこの地に戻ってくることはない、ということ。

  • 奴隷の出荷口、Door of no return。

これらを目前にして、人権について考えずにはいられません。

なお、ツアー終了後は自由行動です。見足りないところがあれば、再度見に行くこともできます。

出口付近にはお土産屋さんもあります。お土産屋さんを見るだけなら、お城の入場料を支払わなくても入ることができます。

ケープコースト城への行き方

首都アクラからケープコーストへ

(1) カネシ・ステーションへ

まず、首都アクラのカネシ・ステーションへ。

「カネシ・マーケット」行きのトロトロ(乗り合いバス)に乗るか、タクシーを使います。タクシーなら、「カネシのケープコースト行きの乗り場」と伝えましょう。

(2) ケープコーストへ

次に、カネシ・ステーションからケープコースト行きのバスに乗ります。トロトロ、フォードカー(エアコン付き)、メトロバス等、いろいろな種類のバスがあります。

いずれも満席になったら出発なので、早く出発したい場合は席の埋まり具合を見て、どれに乗るか決めましょう。快適さを求めるなら、フォードカーを選びましょう。

いずれの場合も、終点で下車しましょう。

タコラディ行きのバスに乗った場合

万が一「タコラディ行き」のバスに乗せられてしまった場合も、間違いではありませんのでご安心を。タコラディは、ケープコーストのさらに先の街で、ケープコーストの近くを経由します。その場合は、必ず「ケープコーストに行く」とメイツ(車掌)かドライバーに伝えてください。途中のケープコーストで下ろしてくれます。

ただし、下りた場所から「ケープ・インサイド」へのルートタクシーに乗り換える必要があります。

終点ケープコーストのステーションからケープコースト城へ

徒歩で約10分。ガーナ人に道を聞きながら行きましょう。タクシーなら約5分。運賃は5セディ(約150円)程度(交渉次第)。

【関連記事】:ちょっと不便だけどそれが良い!ガーナの3大移動手段に挑戦しよう!
【関連記事】:旅行の前に読んで!ガーナ旅行で注意する5つのこと~移動編~

最後に

日本ではなかなか考える機会のない、奴隷貿易の歴史。世界遺産ケープコースト城はガーナを訪れたら絶対に外せない必見スポットであり、人権について考えることができる、貴重な場所です。

なお、世界遺産に登録されているのは「城塞群」ということで、ケープコースト城以外にも城や砦が存在しています。ケープコーストから車で10分ほどの場所に、同じく世界遺産のエルミナ城があります。

もっとガーナのお城を見たい!という方は、少し足を延ばしてエルミナ城も合わせて見学してみてはいかがでしょうか。

  • エルミナ城の外観

ケープコースト城の基本情報

  • 営業時間: 9:00~17:00
  • 定休日: 月曜日
  • 入場料: 7USドルまたは40セディ(約1,000円)。学生料金あり(学生証を提示する必要あり)。
  • 所要時間: 約30分~1時間
ケープコースト城
ガーナ / 建造物
住所:Victoria Rd, Cape Coast, C/R, Ghana
電話:023-342-3270
Web:http://www.capecoastcastlemuseum.com/
エルミナ城
ガーナ / 建造物
住所:Elmina, C/R, Ghana
電話:020-179-6793
Web:http://elminacastle.info/

この記事で紹介されたスポットの地図

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※この記事は2017年12月31日の取材に基づき公開した情報です。
 記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

この記事を書いたトラベルライター

ほぼガーナ人・ときどき信州人
Adjoa(アジュア)はガーナで月曜日生まれの女子の名前。
ガーナでは、生まれた曜日によって名前が決まります。
そんなガーナの魅力を多くの人に知ってもらいたい!
ガイドブックには載っていないガーナのおもしろ観光情報を発信していきます!
どうぞよろしくお願いします★

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