誰でも一度は読んだことがあるであろう名作絵本『ごんぎつね』。今回は、その作者である新美南吉の生涯と、彼が生きた時代をたっぷり学ぶことができる新美南吉記念館をご紹介します。絵本好きも、インスタグラマーも、必見ですよ。
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新美南吉記念館ってどんなところ?
新美南吉記念館では、代表作『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』などの絵本について詳細にひも解く展示のほか、その作者、新美南吉が生まれてから亡くなるまでの詳細な解説がされています。入館料はたったの220円!この記念館へ行けば、新美南吉の作品から人となりまで深く深く理解することができますよ。
では早速、新美南吉記念館の魅力について色々な視点でご紹介していきます!
インスタ映え:お洒落すぎる展示室
絵本作家を記念した施設であるとわかっていてもびっくりするような、可愛らしくてお洒落な展示が盛りだくさん用意されています!展示物は一部を除いてほとんどが写真撮影可能なので、カメラの容量はたっぷり空けてから入館するのがオススメですよ。
急こう配の階段が、これから絵本の世界へ飛び込むというワクワクした気持ちを高めてくれます。そして階段の下にあるのがこちらのインパクト大な展示物。
新美南吉の人形です。他にも館内には、南吉が小学生くらいの頃の人形や、学生時代の頃の人形があり、南吉をリアルに感じながら見学できるようになっています。
写真のように、絵本の中の世界観を再現したスポットもあり、可愛い!と思わず叫んでしまうかもしれません。時を超えて今見てもお洒落で可愛いと目を引くこの世界観を、貧しかった時代に頭の中に描いた南吉の凄さは脱帽ものです。
こちらは、絵本『おじいさんのランプ』の世界を再現した展示です。うっとりするくらい素敵な樹の下には小さなベンチもあり、記念撮影をするにはうってつけの場所になっていますよ。
その他、手作りの顔はめパネルや南吉の世界観がぎゅっと詰まったステンドグラスなど、感動ものの展示がたくさんあります。また、館内には可愛い「子狐」が、全部で7匹隠れていますので、探しながら見学するのも楽しいですよ。
建物の外にはなんと、南吉の絵本の中に出てくる並木道を再現した展示もあります!どんな写真を撮ろうか、想像力が掻き立てられそうですね。
歴史好き必見:大正・昭和の時代について学ぶ
新美南吉の作品だけでなく、彼の生涯と時代背景についても深く学べる工夫がされています。
今では見かけることのない井戸ひとつを取っても、作中に出てくる井戸がなぜ赤いのか、というところまで掘り下げて説明されているので、理解が深まります。
なんと、新美南吉が過ごした部屋も再現されていますよ。本棚に並んだ書籍まで完全に近い形で展示されているのには驚きです。
その他にも、南吉が小さな頃に好きだった遊びについてのジオラマや、近所に住んでいたご婦人のインタビュー、南吉直筆の日記など、南吉が生きた時代について想像しながら学ぶことができます。
令和の豊かな日本で暮らす私たちが知らない、今よりずっと貧しくて、不自由だった大正という時代のリアルな暮らしを感じられ、非常にノスタルジックな気分になれる記念館です。
絵本好き垂涎:絵本を心行くまで味わい尽くす
まずはじめにお伝えしたいのですが、絵本が好きだと自覚されている方は、この記念館へは1日がかりで出かけることをおすすめします!
ジオラマを通して絵本の世界を立体的に見る
展示室で一番印象的なのが、絵本作品ごとに作成されたシーン別のジオラマです。絵本は当然平面のものですが、ジオラマになることで立体的にその作品を味わうことができます。
シーンごとに切り取られた精巧なジオラマには、そのシーンの文章が添えられています。思わず涙してしまうこともあるかもしれません。
ビデオシアターで、絵本を聴く
目で作品を楽しんだら、耳でも楽しみましょう。館内のビデオシアターでは『ごんぎつね』と『手袋を買いに』の番組が月替わりで上映されています。薄暗く落ち着いたシアター内で、静かに耳から作品の世界観を吸収してみてくださいね。
資料を読み込む
絵本の解説だけでなく、南吉直筆の原稿なども展示されています。スペースの関係で展示しきれなかった資料は、デジタル資料閲覧コーナーで閲覧することができますよ。新美南吉作品の背景を知れば、より深い作品理解に繋がることでしょう!
図書閲覧室で読み耽る(子連れにもオススメ)
こちらには、新美南吉の全集はもちろんのこと、各国語に翻訳された作品、さらには研究所や日本の児童文学に関する文献、作品に関連する郷土資料、歴史資料などが集められ、南吉文学を理解する手助けをしてくれます。
静かにくつろげるスペースがあるので、じっくりと物語の世界観に浸ることができますよ。また、絵本がたくさんあるので、子連れで行くのももちろんオススメです。親子で集中して絵本の世界を楽しんでくださいね。
ショップにてグッズを買う
館内にあるcafe&shopごんの贈り物では、南吉作品にまつわるグッズが所狭しと販売されています。子狐ごんの絵柄が可愛いハンカチや手ぬぐい、スタンプや半田市のお菓子まで魅力的な商品ラインナップで、何を持って帰ろうか迷ってしまうかもしれません。
もしも当日選び切れないなら、オンラインショップでも購入できるようですのでチェックしてみてくださいね。
なお、こちらのお店ではオリジナルブレンドコーヒーをいただきながら絵本を読んでほっと一息つくこともできます。上手く利用して、有意義に館内での時間を過ごしてくださいね。
体を動かすのが好きなら:敷地内には散策スポットもあり
記念館の敷地内には、「童話の森」という屋外展示もあり、こちらはお散歩にも最適です。
鬱蒼とした森のような散策路には、所どころに南吉作品のオブジェが配置されていたり、ステージのように開けた場所があったりと、冒険気分で開拓するのも楽しいスポットです。なお、童話の森は入館料不要で散策することができます。
おまけ:記念館は、観光スポット愛知県半田市にあり!
記念館は、新美南吉が生まれた愛知県半田市の岩滑エリアに建っています。今ものどかな雰囲気が色濃く残るこのエリアには、矢勝川の彼岸花群など、南吉が生きた当時の情景を感じさせてくれる場所もあります。
記念館や彼岸花のある岩滑エリアほか、県下屈指の濃厚温泉「ごんぎつねの湯」もある南吉の里エリア、見学可能なミツカンの工場「ミツカンミュージアム」や日本酒國盛について学べる「酒の文化館」がある半田運河界隈蔵のまちエリア、クラフトビールの元祖とも言えるカブトビールの醸造所「赤レンガ建物」などなど、言い尽くせないほどたくさんの魅力が詰まっています。
半田市には、南吉記念館の他にも見どころがたっぷり存在していますので、出掛ける前には半田市のホームページをチェックしてみてくださいね。
まとめ
たっぷりと魅力が詰まった新美南吉記念館をご紹介しました。所要時間は1時間~1日まで、あなた次第で短くも長くも楽しめるスポットです。
映える写真を撮りたい人も、絵本を読むのが大好きな人も、ノスタルジーを味わいたい人も、観光のついでになんとなく行ってみる人も…どんな人でも受け入れてくれる懐の深いこの記念館へ、是非一度出かけてみてはいかがでしょうか?
- 新美南吉記念館
- 半田市 / 博物館 / 穴場観光スポット / インスタ映え
- 住所:愛知県半田市岩滑西町1-10-1地図で見る
- 電話:(0569)26-4888
- Web:http://www.nankichi.gr.jp/