池田町(中川郡)

【北海道】ワインの町を見守り続ける!池田ワイン城の歴史と全貌

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:25都道府県

2021年7月19日更新

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写真:SaoRi

人口約7,200人、総面積371,91㎢の長閑で小さな町、池田町。昭和20年代後半、十勝地方は様々な自然災害に襲われました。この苦境から脱却し、町を復興させていくために生まれたのが、「ワイン製造」と「ブドウ栽培」です。日本で初の自治体経営によるワイン醸造が始まり、数々もの立ちはだかる壁を不屈の精神で乗り越え、池田町のワインは国際的なワインへと成長していきました。この十勝ワインの開発・製造・熟成を担い、今も尚、小高な丘から町の発展を見守り続ける池田ワイン城。その全貌について、ご紹介します。

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池田ワイン城とは

1974年に、十勝平野を一望できる小高な丘に建設された池田ワイン城。その外観は中世ヨーロッパの古城を想起させる重厚さが漂います。

  • 写真:SaoRi

この「ワイン城」という呼び名は実は通称であり、正式名称は「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」といいます。観光目的で建てられたわけではなく、れっきとした十勝ワインの開発・製造・熟成を担っているワイナリーなのです。

  • 写真:SaoRi

地下2階、地上4階の鉄筋コンクリート造りで、熟成室や十勝ワインの歴史が綴られた展示ルーム、池田町の特産品やお土産、実際にワインを買えるショッピングエリアなどがあります。

城内の見所

では、気になるその城内の見所を紹介していきます。

城内の目玉!地下2階にある地下熟成室

見学コース入口を入り、階段を降りてすぐに現れるのが地下熟成室です。薄暗く、冷ややかな地下にズラりと並べられた樽の数々。

  • 写真:SaoRi

樽熟成、瓶熟成、スパークリングワインの製造、出荷を終えた年代物のワインなどを見学することができます。

地上1階!高級感漂う展示コーナー

地上1階にある高級感漂う一角。目を引くその場所は、十勝ワインについて深く知ることのできる展示コーナーです。

  • 写真:SaoRi

ワイン製造の方法やブドウ栽培、コルクや樽についても詳しく知ることができます。

ショッピングエリア!ワイン販売コーナー

豊富なラインナップの十勝ワインが販売されています。城内でしか手に入らない限定のワインも数多くあるのでじっくり見てみて下さい。無料試飲コーナーや有料試飲コーナーもあるので、自分好みのワインと出会えること間違いなしです。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi城内限定ワイン「唐紅(からくれない)」、1,620円

ついつい手が伸びてしまうワインの無料試飲ですが、運転手さんは要注意です。少量と言えどもアルコールなので、うっかり飲酒運転になってしまわないようにご注意を!

ショッピングエリア!特産品コーナー

ワイン販売コーナーより手前にあり、1階の中央に位置する、池田町の特産品を数多く取り扱っているコーナー。帯広近辺の方など、ワインではなくこのコーナーで売られている特産品を目当てに来る方も多いとか!

  • 写真:SaoRiバナナ饅頭(8コ入り)、620円

ここで売られている米倉商店のバナナ饅頭は明治時代から愛され続ける名物の1つ。温かさが残る出来立てのホカホカ饅頭が手に入ることも多いので、お立ち寄りの際はぜひチェックしてみて下さい!

ショッピングエリア奥にあるブランデー&大樽熟成室

無料試飲の奥に、ガラス越しに見えるのが、ブランデー&大樽熟成室です。

  • 写真:SaoRi

十勝産のミズナラで作られた大樽やブランデーを造るための蒸留器など見応え十分です。脇に内部に通じるドアがあり、思わず間近で見てみたくなりますが、窓からのみの見学となっているのでお間違いのないように!

屋上展望広場

広大な十勝平野を一望できる屋上の広場。雄大な日高山脈なども見え、見事なパノラマが広がっています。望遠鏡もあるので、ワイン城が見守り続けてきた風景をじっくり見てみてはいかがでしょう?

  • 写真:SaoRi
池田ワイン城
池田町(中川郡) / 工場見学 / ワイナリー / 雨の日観光 / 穴場デートスポット
住所:北海道中川郡池田町字清見83-4地図で見る
電話:015-572-2467
Web:http://www.tokachi-wine.com/kanko/castle/

城外の見所

お城の内部も魅力満載でしたが、見所は城内だけではありません。城外の敷地内にも数多くの見ておくべきオススメスポットがあるので合わせてご紹介します!

ブドウ展示園

ワイン城の南側の斜面には池田町だけの独自品種の「清舞(きよまい)」と「山幸(やまさち)」が植えられています。お城側に植えられているのが色合いが濃く、渋みや味わいが深い山幸。離れたところに植えられているのが、色合いが薄く酸味が強い、軽快な味わいの清舞です。

  • 写真:SaoRi

このブドウ園は畑内に入っていくこともでき、四季折々の様子を間近で見て楽しむことができます。

  • 写真:SaoRi

ワイン工場

ワイン城の向かい、駐車場東側にあるワイン工場。

  • 写真:SaoRi

ここでは、実際にワインの瓶詰め作業の工程をガラス越しに見学することができます。

DCTgarden IKEDA

DCTとは「DREAMS COME TRUE」の略。池田町とどんな関係があるのか知らない方も多いのではないでしょうか?実は、池田町はボーカルの吉田美和さんの故郷なのです。ここでは、コンサートの衣装展示を始めとする資料やオリジナルグッズなどが販売されています。

  • 写真:SaoRi

ワイン工場のすぐ横には、DREAMS COME TRUE VINEYARDことドリカムブドウ園があります。十勝ワインファンからドリカムファン、そして池田町民など、多くのみんなの想いをつなぐ「夢の架け橋」としてオープンされました。

  • 写真:SaoRi

ドリカムと十勝ワインの素晴らしさを全国に発信し続けています。

DCTgarden IKEDA
池田町(中川郡) / 博物館
住所:北海道中川郡池田町清見83−3 池田ワイン城敷地内地図で見る
電話:015-572-3938
Web:http://dreamscometrue.com/IKEDA/

おわりに

小さな町の復興と発展を見守り続ける池田ワイン城はいかがだったでしょうか?町民のシンボル的存在であると共に、道東観光の目玉でもあります。ワインと共に、苦節を重ねに重ねて成功させた池田町ロマンに酔いしれてみてはいかがでしょう?

池田町(中川郡)の旅行予約はこちら


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子供の頃から現在に至るまでの生粋の転勤族!転勤の先々でその地ならではの良さを暮らしながら体感し、ディープに発信していきたいと思います!

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