コロンビア第二の都市メデジンはかつて麻薬カルテルの本拠地あった危険な街として知られ、その中でも最も危険な場所であったコムナ13(Comuna13)。現在では国内外から観光客が訪れるメデジンでも人気観光地になっているのです。スラム街から大変貌を遂げたコムナ13をご紹介します!
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メデジンとは?
首都ボゴタに次いで第二の都市であるメデジンは、コロンビア西部に位置し、標高1,500mの盆地にあります。気候は一年を通して安定しており、平均18~28℃と過ごしやすいです。
1980年代までは麻薬カルテルが本拠地としていたこともあり、危険な街としてその名を轟かせていた街ですが、2013年にウォールストリート・ジャーナルなどが実施したコンテストで「最も革新的な都市」1位になり、今では旅行者の間で最も注目を集めている街の1つです。
コムナ13へ行ってみよう!
メデジン市内でも、抗争や衝突が絶えずあり特に危険なエリアであったコムナ13(Comuna13)は、麻薬カルテルの解体後に街が変わっていくと同時に様々な改善がなされ、スラム街でありながら安全で多くの観光客を引きつける観光地になりました。
エスカレーター設置で激変!
2011年に市が公共の無料エスカレーターを建設しました。このスラムを突っ切るように384m、6箇所に分かれており、それまで住民らが35分かけて坂道を上り下りしていたのが、このエスカレーターによってたったの6分に短縮されたのです。
街や駅へのアクセスが容易になり、住民の生活は一気に改善されたことで治安の改善や、労働環境も変わったことで生活力の底上げにつながりました。
警備体制の強化
この地域に限らずコロンビア国内の駅や市街地、観光地には、多くの警察や警備員が配置されています。その状況を見ると「ここは危ないのかな?」と思ってしまいますが、そうした警備体制がしっかりされているので、むしろ警察や警備がいる場所はとても安全です。安心して観光を続けて問題ありません。
筆者は逆にそうした人々に道を尋ねたりしていました。片言の英語やスペイン語、地図を指さしたりするだけでも親切に教えてくれる人ばかりです。下手に一般の人に聞くよりも安全ですので、困ったときには頼りになる存在です。
変化した街並み
エスカレーターの設置、警備の強化で街は見る見るうちに治安のいい場所への変わりました。すると今度は住民たちの意識が変わり始め、この地域一帯を綺麗に色づけたり、公園をカラフルにしたり、明るい雰囲気を街に持たせるような行動を自ら実行する住民が現れたのです。
こうして街は活気づき、住民以外の人にも注目されるようになりました。また、こうしたスラムから大変貌を遂げたモデルケースとして他の都市や国でも知られる存在にまでなりました。
若者が変える街の意識改革
コムナ13がこんなにも変わったのは、紛れもなくこの地域に住む若者たちの力です。彼ら自身が「変わりたい」「安全な街にしたい」という気持ちで動いています。例えば、ダンスチームを作って観光客に披露し、グッズの制作・販売などをして地域を盛り上げています。
グラフィティーアートの世界で活動する人たちもいます。中にはハイクオリティな作品を世に出している人もいます。こうした若者たちは、ダンサーやアーティスト、シンガーなどになりたいという夢を持って活動しており、それがまた小さな子供たちのヒーロー、憧れの存在になっています。
そして、観光客にコムナ13を紹介するボランティアガイドの多くもまた、この地域の出身者や住人らです。もちろんちゃんと許可を取って行っていますので、安心してください。直にこの変化を感じ、経験しているからこそ語れることも多く、世間には記録とされていない多くの抗争などについて交えながら学べるツアーも多く敢行されています。
新たな観光地に行ってみては?
スラム街が観光地になるなんてなかなか想像できませんが、実際に行ってみると不衛生なところはなく、きれいな街並み、そして夢と希望に溢れた場所でした。これからどんどん変わっていく街の今を見てほしいです。