年間を通して日本全国から参拝者が訪れ、人気の高い伊勢神宮。2016年5月には、伊勢志摩サミットで各国の首脳陣がこの地に立ち、世界的にも注目を集めました。伊勢神宮の歴史は古く、2,000年も前に遡ります。日本の神社の中心であり、内宮は日本人の総氏神である天照大御神を祀っているのですから、一生に一度はお参りしたいですね。簡単ですが、参拝マナーと、ちょっと小耳に挟みたいパワスポ情報をご紹介しますので、清々しくお参りして、パワーを頂きましょう。
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お伊勢参り人気は江戸時代から
年間800万人が参拝に訪れる伊勢神宮。その人気は江戸時代から始まっていました。
江戸時代に東海道や伊勢参宮街道(日本各地から伊勢参拝用に整備された街道)が整備されたこともあり、「一生に一度はお伊勢様」と憧れ、お伊勢参り用の積み立てが行われたり、体力がなくてお参りができない人は、人に頼んだり、飼い犬を代わりに行かせたりしたそうです。
歌川広重の東海道五十三次で有名になったことも、お伊勢参り人気に拍車がかかったと言われています。ピーク時には、当時の全人口の6人に1人が行くほど流行しました。
ちなみに、江戸時代にお伊勢参りにかかった日数は、平均して約1か月。その費用は現在の金額にすると、往復30万円ほどだったそうです。
作法に沿った参拝でパワーもアップ?!
伊勢神宮の正式名称は「神宮」です。豊受大御神(とようけおおみかみ)が祀られている外宮と、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀っている内宮があり、5kmほど離れています。
参拝ルートは、外宮から内宮という順序でお参りするのが、古くからの慣わしです。なるべく神様の遠くから近づくのが慎みの現れなのだそう。通りの歩き方は、外宮は左側通行で、内宮は右側通行。正宮の位置の違いから、通りかたにも違いがあるのです。
お参りの前には、手水舎で手と口を清め神前へ進みます。柄杓で水をすくい、まずは左手を清め、柄杓を持ち替えて右手を清めます。次にもう一度、柄杓を右手に持ち、左手に水を受けて口をすすぎます。最後に柄杓を立てて、残りの水で柄杓の柄を流します。
衣食住を含む暮らしの守り神、外宮(げくう)へ
手と口を清めたら、まっすぐに正宮にお参りしましょう。衣食住、産業の守護神に感謝します。
その次が、多賀宮、土宮、風宮の順です。
途中、正宮から少し離れたところにパワーを頂けるという三ツ石がありますから、手をかざしてみましょう。
- 伊勢神宮外宮
- 伊勢・二見 / パワースポット / 観光名所 / 神社
- 住所:三重県伊勢市豊川町279地図で見る
- 電話:0596-24-1111
- Web:https://www.isejingu.or.jp/
日本人の総氏神様が住まう内宮(ないくう)へ
内宮は2,000年余り遡る時代に、天照大御神が永遠の住まいとしてお鎮まりになった場所。
俗界から聖界への入り口が、五十鈴川に架かっている宇治橋です。橋の長さは101.8m。20年に一度は、船大工の手によって橋も架けかえられています。
橋を渡り終えたら、左手に進み、古式ゆかしく五十鈴川御手洗場で手と口を清めましょう。
その後、天照大御神に願い事の取り継ぎをして下さるという、ありがた~い瀧祭神にお参りして、まずはご挨拶を。こちらの神様、重要なので忘れずに!ご挨拶がすんだら、いよいよ正宮です。
この階段の上、最奥正殿に天照大御神が祀られています。純白の御幌(みとばり)の前で二拝二拍手一拝、一つ一つの動作に心をこめてご挨拶しましょう。御幌が揺らいだら、神様からの歓迎の印なのだそうです。幸運に恵まれると良いですね。
内宮には、天照大御神の荒御魂を祀る荒祭宮や、鎌倉時代には神風を吹かせて日本を守ったと言われている風日祈宮のほか、所管社10社が点在しています。
- 伊勢神宮内宮
- 伊勢・二見 / 紅葉 / 観光名所 / 神社 / パワースポット / 桜の名所 / ツーリング
- 住所:三重県伊勢市宇治館町1地図で見る
- 電話:0596-24-1111
- Web:http://www.isejingu.or.jp/
ちょっと小耳に!
神宮の総面積は、5,500haと広大な敷地で、神域には樹齢500~1,000年といわれる杉の巨木が林立し、そこかしこに神聖な空気を感じます。
宮内では、玉砂利の参道を歩くのですが、これは古来より、歩くたびに音がすることで、人間である(悪霊ではない)と判別するためなのだそう。ですから、しっかり石を踏みしめて歩きましょう。こんなことを知ると、一気に陰陽師の世界ですね。そんな風に日本の歴史を感じながら歩くのも良いのではないでしょうか?
玉砂利道は、歩きやすい靴がお勧めです。当然ですが、スーツケースや、ベビーカーは、引いて歩くことができず苦労しますので、コインロッカーや預り所、ホテルへの宅配などを上手に利用して、快適に参拝したいですね。
最後にもう一つ。帰り道の橋を渡り終える寸前、最後から2本目の擬宝珠の中には、お札が納められています。宇治橋の安全と、宇治橋を渡られる方の安全を祈願しているということです。忘れずに触れてお帰り下さいね。