イスタンブール
イスタンブール観光
ヨーロッパとアジアにまたがるトルコ最大の都市

トルコの伝統的な公衆浴場「ハマム」を体験してみよう!

取材・写真・文:

トルコ在住
訪問エリア:17ヶ国

2019年4月1日更新

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写真:Zon

トルコには「ハマム」という伝統的な公衆浴場がありますが、地元の人だけでなく、旅行者も実際に体験できるということをご存知でしょうか。今回はイスタンブールのおすすめのハマムや、ハマムの体験方法をご紹介します。

この記事の目次表示

「ハマム」とは?

今でこそその数は減ったものの、17世紀半ばには、イスタンブールだけでも1万4千を超える数があった公衆浴場「ハマム」。「清潔は信仰の半分」というイスラム教の教えがあるように、ハマムはイスラム教徒が大半を占めるトルコにおいて、長い歴史の中で発展してきました。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」エントランス

モスクや神学校とともに造られることが多かったハマムは、単に身の汚れを落とす場としてだけではなく、近所の人とおしゃべりする社交の場としての性格も含んでいました。

ちなみに、日本の銭湯や温泉とは違い、ハマムには浴槽がありません。湿度の高いサウナのような空間でしっかりと汗を流し、そのあとお好みで垢すりやマッサージをしてもらうのがトルコのハマムの特徴です。

イスタンブールでおすすめのハマム

トルコ最大の都市・イスタンブールには、地元の人が通うローカルなハマムはもちろん、旅行者でも行きやすいように設備や備品が整ったハマムもあります。

  • 写真:Zon「ヒュッレム・スルタン・ハマム」ピンクの外観が可愛い!

観光中に立ち寄りやすいのは、旧市街にあるチェンベルリタシュ・ハマム」「ヒュッレム・スルタン・ハマム」「ジャーロール・ハマム」です。新市街では、クルチ・アリ・パシャ・ハマムも有名です。また、このような街中にあるハマム以外にも、ハマムの設備が入っている上級ホテルもあります。

ハマムに行ってみよう!

実際に初めてハマムに行くとなると、何を持っていけばいいのか、予約はどのようにすればいいのか、体験中の貴重品管理は大丈夫なのかなど、気になることも多いですよね!

今回は「ジャーロール・ハマム」での筆者の実体験を例に、予約からお店を出るまでの流れをご紹介します。

予約について

人気のハマムは、当日に行っても空きがないことがしばしばあります。なので、事前にホームページから予約するか、時間があれば実際に行きたいハマムに行って予約するのがよいでしょう。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」日本語のメニュー表記

「ジャーロール・ハマム」は旧市街のど真ん中にあるので、スタッフは英語はもちろん話せますし、何か国語ものメニューが準備されています。

持ち物について

ローカルなハマムに行かない限り、観光客向けのハマムにはほとんどのものが備え付けられているので、必要な持ち物はこれといってありません。このような情報はガイドブックなどには詳しく載っていないことも多いですが、例えばハマムでは全身裸になって垢すりやマッサージをうけることもできますが、その際に身に着ける使い捨ての下着も用意されています。

入店からハマム体験まで

予約した日時に訪れると、雰囲気の良いスタッフがお迎えしてくれます。受付ルームは、外観からは想像できないような天井の高い空間で、もうすでに浴場独特の心地よい香りが充満しています。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」受付ルームには歴代スルタンの肖像画がある

予約内容を確認し、先にお会計を済ませます。このあとは男女別に分かれ、個室に連れていかれます。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」女性のセクションに続く細い廊下

個室で服を全部脱ぎ、使い捨ての下着と大きなバスタオル(トルコ語ではペシテマル)だけを身にまといます。個室には鍵をかけられるので、貴重品などを含むすべての荷物はここに置いておきます。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」個室で着替えを済ませる

個室から先は写真撮影不可。専属のケセジ(垢すりしてくれるスタッフ)に手を引かれて、ハマムに入っていきます。ハマムはモスクのように丸いドーム型の天井には採光のために小さな小窓があり、そこから差し込む太陽の光が心地よい空間です。

湿度がかなり高く、大理石の上に座ったり寝ころんだりしながら汗を出します。しばらくすると、ケセジさんが垢すりとマッサージをしてくれて、全身くまなく洗ってもらった後は、頭の上からザブーンと洗面器一杯のお湯をかけられます。

気持ちよくて放心状態になっているあいだに、しっかりタオルで拭いてくれます。

ハマムの後は至福のゴロゴロタイム

すっかり体の凝りや疲れが吹っ飛んだら、トルコならではの温かいチャイ(紅茶)やシェルベティ(花のエキスやはちみつが入った冷たい飲み物)などをいただきながらベッドに横になってゆっくりできます。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」入浴後の水分は美味しい!

こちらのハマムで使われているリンデンの石鹸の優しい香り、風情あるオスマン調の音楽、300年の歴史を持つ「ジャーロール・ハマム」ならではの伝統ある内装など、五感を通して癒される時間となるでしょう。

  • 写真:Zon「ジャーロール・ハマム」個室がたくさんある待合ルーム

専属のケセジさんにはチップを

ケセジさんは最初から最後まで付きっきりでお世話をしてくれます。個室に戻り、備え付けのドライヤーで髪を乾かし、帰る準備ができたら、担当してくれたケセジさんにチップを渡しましょう。5~10TL(約100~200円)でも喜ばれます。

おわりに

異国の文化を体験したいけど、異国の地で素っ裸になっておまけに貴重品から離れるハマムはなかなかとっつきにくいかもしれませんが、思いのほか安全で、準備するものも特になく気軽に体験できます。貴重品などを置いた個室の鍵は、ハマムでの入浴中もずっとそばに置いておけるので安心です。

浴槽がメインの日本の温泉もいいですが、サウナがメインのトルコのハマムもなかなか楽しいですよ。垢すりやマッサージなどのサービスをつけないなら、約3,000円くらいから体験できます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

※価格は2019年3月現在(1TL約20円)

ジャーロール・ハマム
イスタンブール / ハマム
住所:Prof. Kazim Ismail Gurkan Cad. No.24, Cagaloglu, Istanbul地図で見る
Web:http://www.cagalogluhamami.com.tr/

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大学時代はロシア(モスクワ、サンクトペテルブルグ)に留学し、その後世界各国を訪れ、トルコ・イスタンブールに落ち着きました。ガイドブックには載らないようなイスタンブールでの楽しみ方や、最新の情報もお届けします。

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