長野県内において、小布施町は観光客のリピート率が最も高い観光地として有名。散策するのに程よい小さな町は、ほっとする懐かしい雰囲気で、小布施町の方々の「来てくれて嬉しい」というおもてなしの心に溢れています。
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【1】岩松院(がんしょういん)
岩松院は、曹洞宗の寺院で、境内には豊臣秀吉の重臣として戦国時代に名を馳せた、福島正則の霊廟があります。また、岩松院で最も有名なのは、本堂中央の天井画で、21畳分もの鳳凰図。
葛飾北斎が88歳から89歳にかけて描いたとされており、どこから見てもこちらを見据えているように見えることから、八方睨みの鳳凰ともいわれています。
1度も塗り替えられていないというのが信じがたいほど鮮やかな色彩で、実際に舞っているような迫力の鳳凰図には、かくし絵として富士山が描かれています。ゆっくりと畳に座って眺めることができるので、探してみて下さいね。
もう一つ、この寺院で有名なのが、俳人・小林一茶の句。1816年の4月にこの寺を訪れ、オス蛙たちがメス蛙を取り合っている様子を見て、「痩せかえる 負けるな一茶 これにあり」が、詠まれたということです。
- 岩松院
- 小布施町(上高井郡) / 寺 / パワースポット / 穴場観光スポット
- 住所:長野県上高井郡小布施町雁田615地図で見る
- 電話:026-247-5504
- Web:http://www.gansho-in.or.jp/
【2】北斎館
葛飾北斎は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、90年に及ぶ人生の中で、3万点を超える作品を発表したとされます。「冨嶽三十六景」や「神奈川沖浪裏」など名作を作り出し、世界的にもゴッホやモネなどに影響を与えたと言われています。
そんな北斎は晩年、小布施の豪商・高井鴻山(こうざん)の援助を受け、何度か小布施に滞在しています。それが縁で、岩松院の天井画や、上町祭屋台の天井画を描いています。
- 出典:www.nagano-tabi.net写真提供:長野県観光機構
北斎の仕事は多岐にわたり、現代でいうなら、画家や版画家でとどまらず、コピーライターやイラストレーターでもあったのだと、驚かされる作品が揃っています。小布施観光では必見の美術館です。
- 北斎館
- 小布施町(上高井郡) / 美術館 / 穴場観光スポット
- 住所:長野県上高井郡小布施町大字小布施485地図で見る
- 電話:026-247-5206
- Web:http://www.hokusai-kan.com/
【3】栗の小径(くりのこみち)
町並み修景事業の一環としてつくられた遊歩道で、栗の間伐材を敷きつめられたことから栗の小径と名づけられました。歩いてみると、木の柔らかさが足に伝わってくる、小さな可愛い小径です。北斎館入り口を背にして、高井鴻山記念館東門へ向かう小径です。
【4】陣屋跡/陣屋小路
江戸時代中期の1701年から1715年までの15年間、幕府領として陣屋(代官所)が置かれていた通りです。小路の奥には代官所跡を示す石の祠(ほこら)があり、短い距離ではありますが、当時の風情を残しています。
【5】町内有志によるオープンガーデン
小布施町では、丹精込めて作り上げたお庭を開放し、花を介して交流を深め、豊かな生活文化を築く事業が、2000年に開始されました。当初、参加されたお宅は38軒。それが、現在ではおよそ130軒のお宅が登録されているのです。
そんなおもてなしの暖かい心は、おそらく遠い昔から変わらないのだと思います。それで小林一茶も葛飾北斎も、遠くて小さな町・小布施に惹かれて訪れたのでしょう。公式サイトでは、オープンガーデンマップや季節ごとの見ごろのお宅なども紹介されています。
【6】高井鴻山(たかいこうざん)記念館
高井鴻山は、小布施町の豪商で、江戸後期の幕末には、松代藩士の佐久間象山や、葛飾北斎など多くの文化人と交流を持っていました。特に、北斎の画才に感動していた鴻山は、北斎の為に自宅にアトリエを建てたほどです。
北斎が初めて小布施を訪れたのが83歳の時。それ以来、4回ほど訪れ、一年余り滞在したこともあったそうです。この記念館は、当時の豪商の面影を残す建物とともに、鴻山が残した書画などが展示されています。
- 高井鴻山記念館
- 小布施町(上高井郡) / 博物館 / 雨の日観光
- 住所:長野県上高井郡小布施町小布施805−1地図で見る
- 電話:026-247-4049
- Web:http://www.town.obuse.nagano.jp/site/takaikouzan/
【7】日本のあかり博物館
日本のあかり博物館は、小布施が灯具の燃料になる種油の一大産地だったことから、日本初の灯火具専門館として昭和57年に開館。
文化財に指定されたコレクションは、江戸時代から明治時代にかけての、行灯(あんどん)や提灯などの灯具類の他、浮世絵版画や絵画なども展示されています。ぼんぼり燭台から電球までの、明るさの比較など興味深く見学することができます。
- 日本のあかり博物館
- 小布施町(上高井郡) / 博物館 / 雨の日観光
- 住所:長野県上高井郡小布施町大字小布施上町973地図で見る
- 電話:026-247-5669
- Web:https://nihonnoakari.or.jp/
【8】道の駅オアシスおぶせ
ここは、ハイウェイからも一般道からも立ち寄れる道の駅で、広大な敷地に土産店やレストランの他、公園やスポーツ施設も併設されている人気のスポットです。高速を降りずに利用できることもあり、時間のない方は、ここで小布施の味やお土産を堪能することもできます。
- 道の駅オアシスおぶせ
- 小布施町(上高井郡) / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / ソフトクリーム
- 住所:長野県上高井郡小布施町大字大島601地図で見る
- 電話:9:00~20:00
- Web:https://www.oasisobuse.co.jp/
【9】桝一市村(ますいちいちむら)酒造場
小布施観光の中心部にあり、歴史を感じる佇まいが目を引くのは、栗菓子の小布施堂を経営する市村家の酒造場です。前出の高井(市村)鴻山は、小布施堂一族の第十二代目に当たる人物で、江戸末期には、この酒屋さんを営んでいたそうです。
店内には手盃(てっぱ)台と呼ばれる和風なカウンターがあり、そこで、おちょこ一杯から全銘柄を味わうことができます。
- 桝一市村酒造場
- 小布施町(上高井郡) / 酒蔵 / 日本酒
- 住所:長野県小布施町807地図で見る
- 電話:(026)247-2011
- Web:http://www.masuichi.com/
【10】桜井甘精堂
小布施でランチなら栗おこわは必食!小布施と栗の歴史は室町時代にさかのぼり、当時の領主だった荻野常倫が故郷・丹波国から栗をとりよせて、植えたのが始まりと伝えられています。小布施の栗は品質がよいということで、松代藩が毎年、将軍家に献上するようになり、その名が広まったとされています。
創業約200年の栗菓子の老舗、桜井甘精堂でも、わっぱに詰められた栗おこわがいただけます。甘くてほっくりとした栗と、モチモチのおこわは、優しく味わい深いお味です。