日本最北の市である稚内市の離島、利尻島。利尻富士の別名を持つ利尻山がそびえ立つ、周囲63キロメートルほどの島です。今回は車を使って、雄大な自然あふれる利尻島を1日でめぐるプランを紹介します。
この記事の目次表示
島を一望できるペシ岬
今回はフェリーがとまる鴛泊港(おしどまりこう)をスタート地点にして、見どころをめぐってみましょう。港のすぐ近くにある岩山は、ペシ岬といいます。高さは90メートルほどであり、20分強でのぼれます。
そこまで距離はありませんが、急勾配が続きます。
途中には、利尻島警備にあたった会津藩士の墓があります。
頂上からは利尻島が見渡せます。まさに観光のスタートにふさわしいスポットです。
運が良ければ逆さ利尻山がながめられる姫沼
ペシ岬から車で10分ほどのところにある姫沼。1917年に利尻山からの水を堤防でせきとめたことにより、3つの沼から合体してできたものです。当時ヒメマスを放流していたことからこの名がつきました。
周囲は800メートルほどで、一周20分ほどの散策路があります。5月くらいまでは積雪が残って散策路が封鎖されていることもありますが、それでも正面からながめることはできます。
天気が良く無風状態であれば、利尻山が反射して逆さ富士になっている光景を見ることができます。
利尻島で最も大きな沼、オタトマリ沼
姫沼から車で25分ほど走った、島の南部にあるオタトマリ沼。周囲1キロ強の、利尻島で最も大きな沼です。
筆者が訪問した時には雲が少しかかっていましたが、天気が良ければ利尻富士がよく見えます。
このオタトマリ沼は、沼浦湿原という島内最大規模の湿原の中にあり、日本最北のアカエゾマツの原生林に囲まれています。30分ほどで沼の周りを1周することができます。
すぐ西には南原湿原があり、そこにはメヌウショロ沼があります。周囲100メートルほどと小さいですが、オタトマリ沼から車で3分ほどの距離なので一緒にまわっていきましょう。にぎわうオタトマリ沼とは違い、メヌウショロ沼はしんと静まり返っています。
暖かくなってくると、湿原の周りにはミズバショウを始めとした様々な花が咲きます。
アザラシが見られる仙法志御崎公園
メヌウショロ沼から車で10分弱走ると見えてくる仙法志御崎公園(せんほうしみさきこうえん)。透明度の高い海越しに利尻富士をながめられるスポットです。
ゴマフアザラシが飼育されており、見学したり餌を買って与えたりすることができます。
弁天様の伝説が残る北のいつくしま弁財天
仙法志御崎公園からさらに車で10分ほどのところにある、北のいつくしま弁財天。
昔、嵐の時に岩にあたりそうになった弁財船が弁天様により救われ、感謝のために建てられたとされます。
ちなみに弁財天が建つ岩そのものにも「大正の始めの日暮時に、地響きを立てて何者かがおりてきて大岩のところで消え、吉凶のいずれかのお告げとして誰もがそのことについて語らずにいたところ、通りかかった修行者が岩に祠を建てて信仰するように告げて立ち去った」という伝説が残ります。
近くには寝ている熊の形をした寝熊の岩(写真)や、人の顔に見える人面岩といった奇岩もあります。
- 北のいつくしま弁財天
- 利尻町(利尻郡) / 神社
- 住所:北海道利尻郡利尻町仙法志地図で見る
アクセスと車の確保について
最後にアクセス方法と車の確保について説明します。
島へのアクセス
利尻島へは、稚内駅から歩いて15分ほどのところにある、稚内港フェリーターミナルからアクセスできます。ターミナルからハートランドフェリーに乗って、1時間40分ほどかかります。運賃は席によって変わりますが、1番安い2等(指定席なし)で片道2,550円です。
フェリーは1日に2~4便ありますが(季節により本数や時間が変動)、日帰りで利尻島に行く場合は前泊して第一便に乗りましょう。
2等(指定席なし)以外は、電話またはHPから予約が可能です。予約自体は2か月前から受けつけています。予約していなくても、当日にフェリー乗り場内の券売機でチケットを買うことで乗船できます。
定員になると乗船締め切りとなりますが、2等(指定席なし)はカーペットのしかれたオープンスペースになっており相当のキャパシティがあるので、繁忙期にぎりぎりで駆けこんだりしない限りは、予約なしでも乗船は可能でしょう。
心配な方、自分の席を確保してゆっくりしたい方は予約をおすすめします。
- 稚内フェリーターミナル
- 稚内市 / 駅・空港・ターミナル
- 住所:稚内市開運2-7-1地図で見る
- Web:http://www.heartlandferry.jp/landing/
車の確保
車の確保には少し気を遣う必要があります。
利尻島内には複数のレンタカー屋がありますが、人気のわりに台数が少なく早々に予約で埋まります。そのため早めの確保が不可欠です。なお、業者により価格は異なりますが、離島のため通常よりも割高なので注意しましょう。
予約できなかった場合は、稚内駅などでレンタカーを確保するかマイカーで稚内を訪れ、フェリーで運んでもらいましょう。その場合は車のスペースも予約しておいた方が良いでしょう。
利尻島の詳しい情報は「りしぷら」も参考にしてみてください。
- 利尻島
- 利尻・礼文 / 島・離島
- 住所:利尻島地図で見る
- Web:http://www.town.rishiri.hokkaido.jp/kankou-annai/
この記事を書いたトラベルライターから一言
食事できるところは無数にあるため、今回はあえて紹介しませんでした。基本的に鴛泊港、オタトマリ沼の前、沓形港のどこかで食事することになるので、スケジュールやお腹の空き具合と相談して決めましょう。
あえて地元の方向けの店で魚介類以外のものを食べるのもありかもしれません。筆者は喫茶店で地元の方に交じってパフェを食べました。
ちなみにぜひ味わってほしいのは写真に写っているミルピス(350円、瓶持ち帰りの場合プラス50円)。クセがなく酸味の少ない乳酸飲料で、島内のミルピス商店の手作り品です。直接商店まで行って購入できるほか、島内の土産屋でも手に入ります。(やまざきにんふぇあ)