
山口県美称市に広がる日本最大級のカルスト台地、秋吉台。元はサンゴ礁だった石灰岩が、3億年以上もの時をかけて堆積してできた奇跡の風景です。さらに秋吉台の下には、大小合わせ450もの洞窟が存在します。これらの洞窟は、石灰岩の割れ目に雨水がしみこんで侵食し続け、ついには崩れてできたものです。秋吉台の南の地下に広がる秋芳洞も、数10万年かけて秋吉台の下に誕生した洞窟の1つです。今回は、気の遠くなるような時間をかけて作られた神秘的な洞窟、秋芳洞を紹介します。
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秋芳洞へのアクセスは?
秋芳洞最寄りのバス停へは、山口駅前からバスで1時間ほど、または新山口駅前からバスで45分ほどで行くことができます。秋芳洞には、正面入口、黒谷入口、エレベーター入口の3か所から入れます。バス停から一番近いのは正面入口です。
バスは、観光総合案内所の前で停車します。コインロッカーやトイレがあるため、身支度はここで整えましょう。
案内所から秋芳洞の入口までは徒歩10分ほどです。秋芳洞への道にそって、土産屋や飲食店が建っているので迷うことはないでしょう。
入口を過ぎても、すぐに秋芳洞に入れるわけではありません。秋芳洞から流れてくる清水が流れる川をさかのぼるように進みます。
5分ほど歩くと、秋芳洞の正面入口に到着します。コバルトブルーの川と濃い緑の木々にふちどられた洞窟の中に足を踏み入れましょう。全長は8.7キロですが、見学できるのはそのうち1キロです。
今回は、正面入口から入って黒谷入口で引き返し、エレベーター入口から外に出て秋吉台を見る、というルートで回ってみましょう。
意外と多くの生き物でにぎわう秋芳洞
秋芳洞の中には川が流れており、温度は1年を通して17度で一定となっています。
一見コウモリ以外の生き物は住んでいなそうですが、ヨコエビの一種や、ガロアムシ、ゴミムシ、ザトウムシなどが暮らしています。目が退化した虫や、かつて祖先が地上で暮らしていたいわゆる「生きた化石」といわれる虫、名前の一部に「アキヨシ」とつく秋芳洞特有の虫も存在します。
暗い上にどれもが小型のため、見つけるのは少し難しいですが、懐中電灯の明かりなどを頼りに探してみるのも良いかもしれません。
懐中電灯を持って進む冒険コース
正面入口から入った場合、入ってすぐに冒険コースへの分かれ道があります。ここでは追加で300円を払うことで、懐中電灯を持って岩肌をのぼることができます。
スタート直後からはしごがあります。
手すりはありますが、暗い上に岩肌の泥で滑りやすいです。慎重に進みましょう。
冒険コースでは、洞窟を上から見下ろせます。所要時間は15分程度で、ゴールはスタート地点のすぐ手前にあるので、すぐに散策を再開できます。
秋芳洞屈指の奇景、百枚皿
秋芳洞といえば、この百枚皿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。段丘を流れる水の石灰分が、長い年月をかけて波紋の形にかたまったもので、実際には500枚以上の皿があります。
余談ですが、山口宇部空港のベルトコンベアには百枚皿のオブジェがあります。まさに、秋芳洞だけでなく山口県を代表する場所といえます。

- 百枚皿
- 山口 / 自然・景勝地
- 住所:山口県美祢市 秋芳町秋吉広谷 秋芳洞内地図で見る
- 電話:0837-62-0305(秋吉台観光交流センター)
- Web:http://www.karusuto.com/html/01-play/02-akiyoshido...