島根
島根観光
全国から信仰を集める出雲大社や、世界遺産・石見銀山が有名

鯉が泳ぐ城下町。「山陰の小京都」島根県・津和野を歩く

取材・写真・文:

訪問エリア:43都道府県

2020年11月3日更新

12,723view

お気に入り

「山陰の小京都」の異名を誇る島根県・津和野。津和野藩亀井氏の治めていた城下町であり、鯉の群れが泳ぐ水路、1,000の鳥居を持つ稲荷神社、畳敷きの教会、西周や森鴎外の生家、そしてSLなど個性的な見所を多く有しています。今回は島根県の山間にある小さくて個性的な町、津和野の魅力的なスポットを選りすぐって紹介しましょう。

この記事の目次表示

鯉の群れが水路を泳ぐ殿町通り

駅から徒歩10分足らずのところにある殿町通り。なまこ壁の前の水路には色とりどりの鯉が泳いでいて、城下町らしい雰囲気を残しています。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

ここはかつて武家屋敷があった通りで、津和野藩筆頭家老である多胡家の武家屋敷の門(写真)、西周や森鴎外なども学んだ藩校養老館など、歴史を感じさせる建物が建ち並んでいます。

殿町通り
島根 / 町・ストリート / 観光名所 / 花畑(5月) / 花畑(6月) / インスタ映え
住所:島根県鹿足郡津和野町後田殿町地図で見る
電話:0856-72-0650

教会なのに畳敷き。津和野カトリック教会

  • 写真:やまざき にんふぇあ

城下町の面影を色こく残す殿町通りの中で一際異彩を放っているのは、やはり津和野カトリック教会でしょう。1931年に建てられた教会であり、教会特有の長椅子がなく、畳が敷かれているのが特徴です。

津和野カトリック教会
島根 / 教会
住所:鹿足郡津和野町後田ロ66-7地図で見る
電話:0856-72-0251
Web:http://www.sun-net.jp/~otome/

キリシタン殉教の地。乙女峠マリア聖堂

  • 写真:やまざき にんふぇあ

ここで少しだけ殿町通りを離れて、津和野駅から徒歩20分ほどのところにある乙女峠へ向かってみましょう。

1866年、明治元年。新政府は長崎の隠れキリシタンを津和野の乙女峠にあった光琳寺跡に収容し、キリスト教を捨てるようせまりました。ですが5歳の少女「もりちゃん」を含む36人(37人とも)の隠れキリシタンは改宗を受け入れず、殉教しました。彼らを追悼するために建てられたのが、この乙女峠マリア聖堂です。

聖堂のステンドグラスにはキリシタンがどのような拷問にあったかを説明する絵と文章が書かれており、今でもなお多くの信者が訪れます。

乙女峠マリア聖堂
島根 / 教会
住所:島根県鹿足郡津和野町後田地図で見る
電話:0856-72-0251

鯉の泳ぐ米屋。鯉の米屋(吉永米店)

  • 写真:やまざき にんふぇあ

駅のほど近くに一軒の米屋があります。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

この米屋では中庭で大量の鯉を飼っており、100円で餌を買って与えることができます。店内には昔懐かしいプラッシーや手作りの飴などが売られています。

鯉の米屋
島根 / その他グルメ
住所:島根県鹿足郡津和野町後田ロ296地図で見る
電話:0856-72-0011

どこまでも続く鳥居。日本五大稲荷神社の1つ、太鼓谷稲成神社

  • 写真:やまざき にんふぇあ

殿町通りを抜けて少し歩くと、大量の赤い鳥居がトンネルのように続いている石段が見えてきます。これは、太鼓谷稲成神社の参道です。鳥居の数は約1,000本。石段は263段もあります。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

太鼓谷稲成神社は、津和野藩の7代目藩主が京都の伏見稲荷神社を分霊したことから始まりました。日本五大稲荷神社の1つで、「稲荷」ではなく「稲成」と書く、少し変わった名前の神社です。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

建ち並ぶ鳥居に圧倒されがちですが、この神社の絶景はそれだけではありません。神社山門前から下を眺めると、津和野特有の赤い瓦屋根が並ぶ町並みを一望できます。石段を登り終えたら山門をくぐる前に、ぜひ一度眼下に広がる風景をチェックしてみてください。

太皷谷稲成神社
島根 / パワースポット / 神社 / 縁結びスポット / インスタ映え
住所:島根県鹿足郡津和野町後田409地図で見る
電話:0856-72-0219
Web:http://taikodani.jp/

森鴎外と西周。二人の天才が生まれ育った家

明治〜大正時代を代表する作家、森鴎外。そして江戸時代末期〜明治時代の哲学者、西周。彼らはいずれも津和野の出身であり、何とお互いの家が向かい合わせになっています。

森鴎外の家がこちらです。彼は1862年に津和野で生まれ、10歳までの最も多感な時期をこの家で過ごしました。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

すぐ向かいにある、西周の家。彼は1829年津和野に生まれ、1833年から1853年までをこの家で過ごしました。主屋は一度火事で失われ再建されたものですが、西周がこもって勉学にはげんだと言われる土蔵は当時のまま残されています。

森鴎外旧宅
島根 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:島根県津和野町町田イ230地図で見る
電話:0856-72-3210
Web:http://www.tsuwano.net/www/contents/1000000440000/...
西周旧居
島根 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:津和野町後田ロ13-2地図で見る
電話:0856-72-3210
Web:http://www.tsuwano.net/www/contents/1000000439000/...

新山口駅〜津和野駅を結ぶSLやまぐち号

  • 写真:やまざき にんふぇあ

最後に、交通手段についても少しふれたいと思います。津和野を訪れる時か新山口駅方面に帰る際、片道どちらかはぜひSLやまぐち号に乗りましょう。

SLやまぐち号は春〜秋の土日祝日に新山口駅〜津和野駅を往復する蒸気機関車です。

昭和12年に製造され、そのスタイルの良さから貴婦人の通称を持つC57系1号機と、昭和14年に製造され、ポニーの通称を持つ小柄なC56形160号機の2種類の機関車が働いています。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

車内は1両ごとに明治風、大正風、昭和風、欧風、展望風などとテーマに沿ったレトロな内装になっています。座席や照明だけでなく、床や天井、網棚に至るまで変えており、一両違うだけでまったく別の機関車に乗っているかのようです。津和野駅付近の田園風景の中をこの機関車で走ると、数十年前にタイムスリップしたような気分にひたれます。

ちなみにこの機関車ですが、地元の方にも愛されているようで、農作業をされている方々がかなりの確率で仕事の手をとめて、手をふってくれます。窓を開けてふり返してあげましょう。ただし、煙が車内に入ってしまうのでトンネルに入ったらすぐに窓を閉めてくださいね。

乗車の1か月前からJRみどりの窓口でチケットを販売開始します。観光シーズンは早々に売り切れるので早めに買いましょう。

津和野駅
島根 / 駅
住所:島根県鹿足郡津和野町後田地図で見る
電話:0856-72-0072
Web:https://www.jr-odekake.net/eki/top.php?id=0801917

関連リンク

津和野町観光協会

津和野
島根 / 町・ストリート / 女子旅 / 重要伝統的建造物群保存地区
住所:島根県津和野町地図で見る
電話:0856-74-0021
Web:http://www.town.tsuwano.lg.jp/

次のページを読む

島根の旅行予約はこちら


島根のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

島根のホテルを探す

島根の航空券を探す

(出雲縁結び空港)

(萩・石見空港)

島根の現地アクティビティを探す

島根のレンタカーを探す

島根の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


日本の最強パワースポット24選!神社やゼロ磁場、自然のパワースポットも

日本の総氏神のように信仰される天照大御神をお祀りする伊勢神宮や、”願いが叶うパワースポット”として有名な来宮神社、全体が最強パワースポットと言われる皇居など、日...


【西日本】家族旅行におすすめの観光地27選

ジンベエザメが見られる世界最大級の水族館「海遊館」や、パンダの飼育数日本一の「アドベンチャーワールド」、大迫力の観光放水が見られる「黒部ダム」など、西日本の家族...

諸説あり!「日本三大稲荷」に数えられる有名稲荷を一挙紹介

日本三大稲荷といえば総本宮の伏見稲荷大社は必ずその1つに挙げられますが、残り2社は諸説あり、比較的知られた説の中だけでもなんと計13もの神社が候補に挙がっていま...

【2023年版】全国の人気神社・お寺TOP52!旅行好きが訪れた寺社ランキング

2023年の1年間にトリップノートのトラベラー会員が登録した「行ったスポット」のデータを元に、トラベラーのみなさんが実際に訪れた国内の寺社ランキング【2023年...

国内のおすすめドライブスポット・コース55選!車でのお出かけを楽しもう

絶景ドライブを楽しめる角島大橋や、富士山の眺めが見事な箱根スカイラインに西伊豆スカイライン、四季折々に花々が咲き誇る房総フラワーラインなど、車でのお出かけにおす...

この記事を書いたトラベルライター

一人旅好きのブロガー
国内で一人旅ばかりしているブロガーです。メジャーではないけどマニアックすぎない、「もっと評価されるべき」スポットを中心に紹介します。個人ブログやツイッターで今までに訪れた場所について書いたり、ここではない某所でもトラベルライターとして活動したりしているので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
http://85irimusume.doorblog.jp/

寿司に神社に恐竜まで!福井駅周辺の面白スポット4選

東尋坊や永平寺などの観光地が有名な福井県。日本総合研究所が2016年に発表した情報によると、日本で1番幸福度が高い県とされています。そんな意外な実力を隠し持つ福...


城崎温泉から渡し船で行く!柱状節理が広がる不思議な洞窟「玄武洞」

近畿地方を代表する温泉、城崎温泉。そこから車で10分ほどのところに、大量の石柱が建ち並んでいるように見える奇妙な洞窟、玄武洞があります。今回は、城崎温泉から気軽...


3億年かけて作られた神秘の洞窟、山口県・秋芳洞

山口県美称市に広がる日本最大級のカルスト台地、秋吉台。元はサンゴ礁だった石灰岩が、3億年以上もの時をかけて堆積してできた奇跡の風景です。さらに秋吉台の下には、大...

開放的すぎてほぼ丸見え!鳥取県・三朝温泉の【河原風呂】

鳥取県を代表する名湯、三朝温泉(みささおんせん)。世界有数のラドン含有量を誇るラジウム温泉であり、その効能の高さで名が知られています。ですが、三朝温泉の注目すべ...

【北海道】日本の最果て。「宗谷岬」と「ノシャップ岬」を訪ねる

日本最北に位置する市、稚内市。その先端である宗谷岬は、一般人が立ち入れる場所としては日本の最北端です。今回は、日本の最果てと言っても過言ではない宗谷岬と、宗谷湾...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります