まるでラピュタのような廃墟が佐渡に?!金山のあった佐渡には、北沢浮遊選鉱場跡という産業遺産があります。その光景はまさにジブリ作品の天空のラピュタのようです。廃墟好きにはたまらない北沢浮遊選鉱場跡へ行ってみませんか?
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北沢浮遊選鉱場跡とは?
佐渡市相川の北沢地区には、鉱山の近代化に貢献した施設群が密集しており、北沢浮遊選鉱場跡は佐渡の観光地のひとつである佐渡金山の近くにあります。
もともとは銅の製造過程で行われていた技術であった浮遊選鉱法を金銀の採取に応用し、日本で最初に金銀鉱石で採用した場所で、その設備の規模は東洋一とうたわれていました。しかし、1952年には鉱山大縮小に伴い施設は廃止され、現在では階段状のコンクリート躯体、シックナー、旧北沢火力発電所の遺構が隣接したいわゆる廃墟跡になっています。
穴場の個性的な観光地
朽ち欠けた壁に失われた屋根、手つかずの無人廃墟であることを象徴するように緑の蔦が建物を包む姿は、まるでジブリ作品の『天空の城ラピュタ』のワンシーンのようです。廃墟好きにはたまらない光景が広がります。
一番の見どころは、斜面を利用して階段状になっている巨大な製造工程の名残です。残念ながら中に入ることはできませんが、段の手前まで近づくことができます。
また、小川を挟んだところにあるのは、直径50mにも及ぶ円盤状のシックナーという泥鉱濃縮装置跡です。古代ローマのコロッセオを彷彿とさせるようなコンクリートの柱も、とても魅力的です。
2010年に広場が整備されグッドデザイン賞にも選ばれており、新たな観光地としても注目されています。しかし、大規模な産業遺跡でありながら知名度はそこまで高くはない穴場の観光地です。
昼とは違った姿になるライトアップ
夜になると、LED照明を使った色彩豊かなライトアップが行われています。刻々と色が変わっていき、暗闇に浮かびあがる姿は、昼間とはまた違ってとても新鮮です。また、季節の変化に合わせたプログラム変更もあるようです。
令和3年4月15日(木曜日)~令和4年2月28日(月曜日)
4月~9月:午後7時から午後10時まで
10月~2月:午後5時から午後10時まで
※詳しくは佐渡市観光振興課のHPをご覧ください
別の角度から見る!穴場の撮影スポット
広場から見上げる光景もいいですが、また違った角度から見ることもできます。ここでは2カ所のスポットをご紹介します。広場からの景色とはまた違った角度で楽しむことができます。
① 海を望めるおすすめビュー
海側から北沢浮遊選鉱場跡に向かい、そのすぐ手間で左に上っていく道があります。高校やお寺へと続く道で、総源寺の方向へ進みます。ここは狭い登坂ですので、車の運転には注意してください。
総源寺の目の前に、ちょうどくり木々を抜いたように開けている場所があります。そこからは、円形シックナーを真下に見下ろし、選鉱場跡全体を見ることができます。さらに奥には、日本海の水平線も望める美しい光景が広がります。
② 上から全体を見下ろす
もう一カ所は、その反対側から見下ろす景色です。北沢浮遊選鉱場跡を通り過ぎ、佐渡金山方面へと向かう道沿いに、右手に佐渡奉行所跡、左手に手のモニュメントのある場所があります。
広場で見た階段状の巨大な廃屋を、上から見下ろすことができるスポットです。生い茂る緑がその時間の経過をより感じさせてくれます。
廃墟好きなら見逃せない産業遺産
まだまだ知名度は低いですが、佐渡金山と合わせて是非訪れてほしいスポットです。筆者は平日に訪れましたが、まばらに人が来るのみでほぼ独り占めできました。しかも、入場料はありません。是非日本の産業遺産を見に行ってみませんか?