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その2:キャンパス内に広がる大自然
広大な北海道大学のキャンパス内は、ポプラやイチョウ、エルム(ハルニレ)の木、カエデ、サクラなど多くの種類の樹木や、エンレイソウ、スイレン、クロユリなどの植物が豊富で、まるで森の中に大学があるような空間です。
これら樹木の中には、1905年(明治38年)に新渡戸稲造夫人メアリー氏より寄贈された、24本のハルニレの木も含まれているそうです。
その中から、特にお勧めの場所をご紹介したいと思います。
5.中央ローン・サクシュコトニ川・大野池
中央ローンは大学正門近くに広がる約12,000㎡の緑地帯です。手触りの良い芝生、大きな樹木の木陰、サラサラと流れる川の水が、訪れる人に安らぎと活力を与えてくれます。
川のほとりで遊ぶ子供、木陰で仮眠する人、楽器を奏でる人、演劇の練習をしている人など、皆さんそれぞれゆったりと過ごしています。もちろんここは大学なので、白衣を着た学生さんが何かの実習をしている光景も見られます。ルールを守って、邪魔にならないようにくつろぎましょう♪
ちなみにこの中央ローンにはサクシュコトニ川が流れており、なんと昭和初期までは、シャケが遡上していたそうです!
そしてこのサクシュコトニ川は、緑豊かな木々に囲まれながらキャンパス内をずっと流れていき、4月にはミズバショウ、初夏にはスイレンが咲き誇る「大野池」へと流れていきます。
- 北海道大学 サクシュコトニ川
- 札幌 / 自然・景勝地 / 川
- 住所:北海道札幌市北区北8条西7丁目地図で見る
6.エルムの森
中央ローンの斜め向かいにあり、理学部の横に広がるのが、エルムの森です。「旧北海道帝国大学農学部昆虫学標本室」が建っている森で、樹齢100年以上のエルム(ハルニレの木)の巨木がそびえています。
数十本の巨大なエルムの木々が心地よい木陰を作り、ベビーカーで散歩するお母さんやベンチに座って読書をする人など、のんびりとくつろいでいる一般の方を見かけましたよ♪
7.ポプラ並木
新渡戸通りを西に行くと、ポプラ並木が見えてきます。カメラに全景を収めることができないほど、背の高いポプラの木々が並んでいます。
1903年(明治36年)に小規模な植林を行って以降、北大の名物的な景観となっていましたが、2004年(平成16年)9月の台風18号の猛威により、約半数ものポプラが倒壊。あたりは立ち入り禁止となってしまいました。その後全国からの寄附金によって若木の植樹が行われ、現在は約80mの道を散策することが可能となっています。
さて、この倒壊してしまったポプラの木は、どうなったでしょうか?
実は大切に保管されており、少しずつ北大グッズへと再利用されています。これらのグッズはインフォメーションセンター「エルムの森」で販売されているので、立ち寄った際にはぜひ確認してみて下さいね♪
- 北海道大学ポプラ並木
- 札幌 / 自然・景勝地 / 絶景
- 住所:北海道札幌市北区北11条西10丁目地図で見る
8.花木園
花木園は、ポプラ並木のすぐ横にあります。花卉・造園学などの実習目的で設けられ、北国に多くみられる花木が植えられています。
できるだけ手を加えず、植物間の競合条件などを観察対象としているそうです。ここには、珍しいクロユリや遺跡もあります。
自由に見学することができますが、ここはあくまで実習の場なので、舗装面・園路・芝生地以外には立ち入らないよう、ルールを守って見学しましょう。
9.イチョウ並木
新渡戸通りを横切り大野池を越えたあたり、北13条門に続く約380mの道路の両側には、70本のイチョウが植えられています。1939年(昭和14年)に植樹されたもので、どのイチョウも天高く伸びる大木です。
緑のイチョウも爽やかですが、黄色く染まったイチョウは周囲のカエデなどと相まって、天然の絵ハガキのような美しさです。秋になると、黄葉したイチョウ並木の写真を撮ろうと、早朝から多くの人が行き交う名所ですよ♪
- 北海道大学イチョウ並木
- 札幌 / 自然・景勝地 / デート / 紅葉 / ツーリング / インスタ映え
- 住所:北海道札幌市北区北13条西5~7丁目地図で見る
その他
キャンパス内は、とにかく樹木が豊富です。
どの道も、両端には大きな樹木がそびえています。
「頭上注意!倒木、枝落ちに注意」の看板が大学内にあるのは不思議に思えますが、それだけ自然豊かなキャンパスということですね♪
その3:押さえておきたい石碑
9.クラーク像
クラーク像は、中央ローンのすぐ横に建っています。多くの観光客が、思い思いのポーズでこの像と記念写真を撮る、人気スポットですよ♪
台座には、有名な言葉である”Boys,Be Ambitious”「少年よ、大志を抱け」という文字が刻まれています。
ウィリアム・スミス・クラーク博士は、北海道開拓のための人材育成を目的に開設された札幌農学校の初代教頭として、アメリカのマサチューセッツ農科大学から招かれました。
実はこのクラーク博士が滞在した期間はほんのわずかな期間。その短期間の中で農学校の基礎づくりに精力的に取り組みました。”lofty ambition”「高邁なる大志」など多くの名言も残しており、彼が残した言葉の数々は、その志とともに北海道大学のモットーとして今でも受け継がれています。
クラーク博士は、アメリカに帰った後は不遇な人生を歩むことになります。そして彼が臨終するとき、「我が生涯での慰めは日本のサッポロにいた8カ月だけです」と語ったという逸話も残っています。
クラーク博士はそれだけ札幌と大学で学ぶ学生たちを愛し、素晴らしい教育者として、
- 佐藤昌介(第1期卒業生。農学校・帝国大学総長として約40年在職し、北海道大学を自然科学系総合大学として確立した人物です)
- 新渡戸稲造(第2期卒業生。教育者・思想家・国際連盟事務次長として平和文化活動に貢献。旧五千円紙幣の肖像としてお馴染みの人物です。また海外でも人気の高い「武士道」の著者でもあり、現在も書店には多くの関連本があります)
- 宮部金吾(第2期卒業生。植物分類学者。千島列島の択捉島とウルップ島の間に引かれる植物分布の境界線である「宮部線」の名称になっている人物です)
など、多くの人材を育ててくれました。
- 北海道大学クラーク像
- 札幌 / その他スポット
- 住所:北海道札幌市北区北9条西7丁目地図で見る
10.新渡戸稲造博士顕彰碑
新渡戸稲造博士顕彰碑は、ポプラ並木の横にある花木園の入口に鎮座しています。台座に書かれている、” I wish to be a bridge across the Pacific.” 「太平洋の橋にならん」という言葉が印象的です。余談ですが、上に書かれているサインは直筆だそうです。
- 北海道大学 新渡戸稲造博士顕彰碑
- 札幌 / その他スポット
- 住所:北海道札幌市北区北11条西10丁目地図で見る
11.北海道大学 人工雪誕生の地記念碑
1935年(昭和10年)に常時低温研究室が建てられ、その翌年、中谷宇吉郎博士が世界初の人工雪結晶作成に成功したことを記念する碑です。雪の六角平板結晶を模して作られた碑は、一度見たら忘れない印象的な形です。
- 北海道大学 人工雪誕生の地記念碑
- 札幌 / その他スポット
- 住所:北海道札幌市北区北12条西8丁目地図で見る