昭和の面影を色濃く残し、山奥にひっそりと佇む温泉街。武田信玄の隠し湯としても有名な下部(しもべ)温泉は、日本の名湯百選にも選ばれたほど。下部温泉の中でも、歴史ある明治創業の老舗旅館「大市館 裕貴屋」をご紹介します。
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下部温泉とは
山梨県の富士山西側にある、富士川の下流沿いに位置している温泉です。その歴史は古く、戦国時代の武田信玄の隠し湯であったとする伝説が残り、江戸時代より湯治場として栄えてきました。現在は、富士川の支流である下部川に沿って温泉宿が並ぶ静かな温泉街となっています。
- 下部温泉
- 山梨 / 町・ストリート / 温泉地
- 住所:山梨県南巨摩郡身延町下部地図で見る
- Web:http://www.shimobe.org/
下部温泉の老舗旅館!人気宿「大市館 裕貴屋」のご紹介
「大市館 裕貴屋(だいいちかん ゆうきや)」は、下部温泉街の中心に位置しています。創業は明治8年と温泉街の中でも歴史のある老舗旅館。木造3階建ての建物は、登録有形文化財にも指定されています。
そしてなんといっても、特筆すべきは温泉の素晴らしさ。こちらのお宿は、日本でも数少ない足下湧出泉の温泉に入ることができる旅館なのです!足下湧出泉とは、一度も空気に触れることのない産まれたての源泉が足下からプクプクと湧き上がってくる温泉です。
そのため、温泉の鮮度はピカイチ。入浴可能な温度で源泉が湧いていることや、温泉施設を源泉の真上に建てることができるなど、いくつかの必要条件を満たさないと足下湧出泉にはなり得ません。究極の温泉として、一部温泉愛好家の間では垂涎(すいぜん)の的になっているほどです。
名物の洞窟風呂
建物の地下に降りてさらにトンネルのような通路をくぐった先に、こちらの旅館の名物である洞窟風呂があります。
向かう道から非日常感に溢れていてワクワクしますね。
こちらの暖簾の先が浴場です。
聞こえるのは、滴り落ちる水滴の音のみ。本当に名前の通り岩肌に囲まれた空間です。静かで厳かな雰囲気はお堂の中にいるよう。神秘的な空間の中で、じっと温泉に浸かっていると瞑想をしているような気分になってきます。古くから多くの人に求められてきた温泉の凄さを感じます。
こちらの温泉、源泉温度は25℃と低めです。しかし、20分も入っていると体がポカポカと温まってくることが感じられます。浴場奥にはこの源泉を40℃程に温めたお風呂もあるので、真冬などは上手く利用したいですね。
客室
建物の2階と3階部分が純和風の客室となっています。田舎の家に帰ってきたかのようなどことなく懐かしい感じがする昔ながらの和室です。
飾ってあるお着物はアンティークだとのこと。粋な設えですね。
館内施設
フロント周辺には、囲炉裏のある部屋や古箪笥が置いてある部屋があります。
囲炉裏は実際に使用もでき、マシュマロを炙って食べられる嬉しいサービスもあります♡
古箪笥には、たくさんの色浴衣が入っています。
女性客は、色浴衣を自由に選べるそう!素敵な浴衣を選んで温泉街を散策してみるのもいいですね。この古箪笥の側には明治時代の宿帳の展示などもあり、さながら博物館のようです。
さらに、ロビーでは飲泉も可能です!飲泉とは、飲む温泉のこと。ここに来たからにはぜひ体験してみましょう。
アクセス
電車利用
- 新宿駅より中央線-甲府-JR身延線-下部温泉駅
- 東京駅より新幹線-新富士/富士-JR身延線-下部温泉駅
※下部温泉駅より送迎有り
車利用
- 中部横断自動車道六郷ICより30分
- 新東名自動車道新清水ICより1時間20分
最後に
歴史ある温泉街で老舗の旅館に泊まり、希少価値の高い温泉に浸かる。都会の喧騒を離れて、古の空間に束の間タイムスリップできるようなお宿です。現代の生活になんだか疲れてしまった、そんな方にこそおすすめしたいお宿です。
- 大市館 裕貴屋
- 山梨
- 住所:山梨県南巨摩郡身延町下部48地図で見る
- 電話:0556-20-3130
- Web:http://yuki-ya.com/