南魚沼・十日町・津南

これで完璧!大地の芸術祭の楽しみ方【新潟】

取材・写真・文:

福島在住
訪問エリア:30都道府県

2024年7月10日更新

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写真:Olive

新潟県十日町市で開催される「大地の芸術祭」。期間外でも通年で楽しむことができます。世界最大級とまで言われる芸術祭の主要施設、芸術祭の周り方、楽しみ方、チケットの種類などを詳しくご紹介します。

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「大地の芸術祭」とは?

  • 写真:Olive「花咲ける妻有」草間彌生

世界各国で開催されている国際美術展覧会。2年に1度開催するものがビエンナーレ、3年に1度開催されるものがトリエンナーレと言います。日本でも、瀬戸内や愛知などで開催されていますが、新潟県十日町(とおかまち)市・津南(つなん)町からなる、越後妻有(えちごつまり)地区で開催される芸術祭が、「大地の芸術祭」とされています。

「大地の芸術祭」は世界最大級

  • 写真:Olive「廻転する不在」東弘一郎

芸術祭は、新潟県の南側、越後妻有の十日町、川西、中里、松代、松之山、津南の6つのエリアで構成されています。760k㎡の広大な地域に約200のアート作品が点在しています。まさに世界最大級の国際芸術祭なのです。

世界からも注目

越後妻有地域は、過疎化と高齢化が進む日本有数の豪雪地です。にもかかわらず、期間外・シーズンを問わず、多くの人々が国内外から訪れています。

  • 写真:Olive「棚田」イリヤ・エミリア・カバコフ

廃校や空き家、森や水田に点在するアートをめぐりながら、里山をめぐる旅が、その地域の魅力を高め、世界に発信し、地域再生の道筋を築いていることから、地域芸術祭のパイオニアとされ、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めているのです。

大地の芸術祭
十日町市 / イベント・祭り / インスタ映え
住所:新潟県十日町市 越後妻有地域地図で見る
Web:http://www.echigo-tsumari.jp/

「大地の芸術祭」の楽しみ方

ずばり、楽しみ方は自由です。世界のアーティストが手がけた約200の常設作品に加え、会期中には新作も公開され、様々なイベントも開催されます。

  • 写真:Olive「ゲロンパ大合唱」大西治・大西雅子

ちなみに2022年には、333作品が公開となっていました。日数をかけて、作品を網羅しても良いし、SNSやガイドブックなどで情報を入手し、「これが見たい!」と、ピックアップして出かけるもよし。会期中には、イベントやパフォーマンスも展開されるので、それを目的にされる方もいるでしょう。また、地域の方々とのふれあいや、地元の食材で作られる美味しい食事に舌鼓をうつのも、「大地の芸術祭」の楽しみ方の一つです。

越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)

  • 写真:Olive「Palimpsest:空の池」レアンドロ・エルリッヒ

2021年にリニューアルオープンした美術館で、十日町市本町にあります。設計は、京都駅などを手掛けた建築家・原広司で、コンクリート打ちっぱなしの建物とガラスを多用し、豪雪地帯では珍しい半屋外の回廊をもつ印象的な建物です。

  • 写真:Olive「Force」名和晃平

芸術祭の拠点施設として、イリヤ&エミリア・カバコフや名和晃平など、現代アートの著名な作家たちの作品を見ることができます。主に2階が常設展示場、1階に企画展示室が設けられ、シアターやワークショップスペース、飲食スペース、ショップもあるので、年間を通し、何度でも楽しめるようになっています。

まつだい「農舞台」フィールドミュージアム

  • 写真:Oliveまつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」MVRDV

松代は、農業を通して大地とかかわってきた里山の暮らしが、今も豊かに残る地域。その拠点となるのが、「農舞台」で、オランダの建築家グループMVRDVが設計したインパクトのある建物です。ここから山頂の松代城までの約2kmに、草間彌生など40ほどのアート作品が点在しています。

  • 写真:Olive「西洋料理店 山猫軒」白井美穂

青い空と緑の草花、深い森の木々に美しい棚田。そんな住民の生活の場を、フィールドミュージアムと呼び、「農」と「アート」を融合させ、地域再生の場として彩られています。

清津峡渓谷トンネル

  • 写真:Olive

富山の黒部峡谷、三重の大杉谷とともに日本三大峡谷の一つに数えられている清津峡(きよつきょう)。清津川を挟んで切り立つV字型の大峡谷です。国の名勝・天然記念物に指定されており、かつては温泉街もにぎわっていました。しかし、大規模な雪崩落石事故を機に、この歩道の通行は一切禁止となっていました。

  • 写真:Olive「Tunnel of Light」マ・ヤンソン/MADアーキテクツ

開坑後20年以上たった2018年、大地の芸術祭のアート作品として改修。自然の「5大要素」(木、土、金属、火、水)を利用しながら、建築的な空間とアートな空間、渓谷美もあわせもつ有名観光スポットとして、多くの観光客が訪れるようになりました。

清津峡渓谷トンネル
十日町市 / 建造物 / インスタ映え / パワースポット / 展望台
住所:新潟県十日町市小出癸2126地図で見る
電話:025-763-4800(管理事務所)
Web:http://www.tokamachishikankou.jp/kiyotsukyo/
清津峡
十日町市 / 自然・景勝地 / 紅葉 / ハイキング / ツーリング
住所:新潟県十日町市小出 清津峡地図で見る
電話:025-763-4800
Web:http://nakasato-kiyotsu.com/

越後妻有のめぐり方

  • 写真:Olive

作品が広範囲に点在しているので、パンフレットが欲しいところですが、公式パンフレットにも主要施設の概要が記載されているのみです。車で移動していると見かけるのが、道路沿いに写真のような黄色いサインが掲示されています。これは、主要施設や作品の案内板なので、お見逃しなく。

  • 写真:Olive

どこにどんな作品があるか詳しく知りたい方は、ホテルや観光案内所、主要施設で配布している公式パンフレットを手に入れてください。裏面に公式ガイドアプリのQRコードが記されています。これでGoogle mapと連動して、黄色いマークが記され、展示されている作品の場所がわかるようになります。

バスツアー

越後妻有 大地の芸術祭では、様々な日帰りバスツアーが組まれています。清津峡や十日町エリアをめぐる「トンビかっくうコース」やMonET美術館や越後妻有をめぐる「コヘビくねくねコース」など、ネーミングからもワクワクしてしまうコースが沢山用意されているので、公式サイトをご覧ください。土曜のみ、日曜のみ、日にち限定などもあるのでご注意ください。

公共交通機関&レンタサイクル

  • 写真:Olive

自転車で巡るのを考えている方は、十日町総合観光案内所、越後湯沢駅西口の駅前にある雪国観光舎、松代・松之山温泉観光案内所などでレンタル可能ですが、大地の芸術祭のテーマの一つが、「およそ200の集落に作品を点在させ、合理化・効率化の対極として徹底的な非効率化を試みている」状態なので、駅周辺の作品を見るだけなら可能ですが、あちこち見て回りたいと考えている場合は、自転車や公共交通機関での移動は、時間的にも体力的にもかなりハードだと感じます。

タクシー&レンタカー

駅周辺の作品だけでなく、山深い里山にも作品が点在しているので、見学に一番お勧めなのは、マイカー、レンタカーやタクシーになります。主要駅周辺には、レンタカー会社、タクシー会社があるので、目的地まで楽に移動できますし、自由度も高いのでお勧めですが、念のため予約をお勧めします。

越後妻有大地の芸術祭共通チケット概要

  • 写真:Olive

「2024年の越後妻有」会期中に、公開されるすべての作品を1回ずつ鑑賞できるパスポートです。

チケット料金 :一般4,500円、小中高2,000円、小学生未満無料 前売り券は各1,000円引き

販売・有効期間:2024/7/13(金)~11/10(日)会期中全日程を通して火曜・水曜休み

アート鑑賞は有料も無料もあり

  • 写真:Olive「たんくさんの失われた窓のために」内海昭子

共通チケットを購入すれば、ほぼ鑑賞できますが、共通チケットがあっても追加料金が必要な場所(清津峡トンネル)や、チケットがなくても無料で鑑賞できるもの、個別鑑賞券で楽しめる施設など様々です。

  • 写真:Olive「憧れの眺望」エステル・ストッカー

例えば、写真の松代城(まつだいじょう)は、標高384mの山の頂上に立つお城の施設ですが、館内を鑑賞するのにはパスポート(¥4,500)か、まつだい『農舞台』フィールドミュージアム券(周辺の鑑賞券/¥1,200が必要になります。ただし、外から見るだけなら無料といった感じです。しかし、松代城に関していえば、かなりハードな山道を登って、館内に入らないのはもったいないほど、館内の他の展示も素晴らしいのでチケット購入をお勧めします。

「大地の芸術祭」と合わせて、楽しめるグルメスポットもご紹介しているので、こちら【新潟】アートの祭典と地元グルメも楽しむ夏の里山スポット8選もご覧ください。

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この記事を書いたトラベルライター

お出かけ、食べることが大好き!
日帰りドライブから、国内、海外を問わずお出かけするのが大好きです。ずっとタウン重視でお買い物に夢中の旅でしたが、10年ほど前にアメリカ・サンフランシスコに在住。国立公園めぐりをしたことをきっかけに、自然も大好きになりました。少し歴史を知ってから出かけると楽しいこと、美味しい食べ物や綺麗な風景に出会えると幸せなこと。小さな情報が、誰かの楽しい!や嬉しい!につながったらいいなと思っています。これからも、いろんなところへ出かけて、たくさんの情報を発信してゆきたいと思っています。少しでも参考になれますように!

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