瑞浪市

地元愛の詰まったクラフトビール【カマドブリュワリー】(岐阜・釜戸)

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:44都道府県

2023年10月6日更新

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JR釜戸駅から徒歩3分で行けるクラフトビールのブリュワリー。地元愛溢れる社長と、クラフトビール界のレジェンドと呼ばれる醸造長との出会いがあり、この「カマドブリュワリー」が誕生しました。ブリュワリーには、出来立ての生ビールが飲めるビアバーも併設!工場見学もやっています。

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カマドブリュワリーがある「釜戸町」

今の日本は、どこかに旅に出れば、地元の クラフトビール に出会える時代になりました。有名なところを事前に調べて行っていくのも良いですが、「え?!こんなとこにもあるの?」というような田舎や辺鄙なところで偶然、出会うことも。

それがクラフトビールの面白さ!

日本全国的に知名度が高くなくても、みんな地元で楽しそうにビールを造っている。そして、地元の人も楽しそうに飲み場に集う。そんな場所に、旅行しながら出会えるのはワクワクしますよね。

今回、ご紹介する カマドブリュワリー も、田舎にある小さなブリュワリーの一つ。場所は、岐阜県瑞浪市釜戸町です。

「釜戸町」 と書いても、ピンとくる人は、地元民以外、ほとんどいないのではないでしょうか。でも、この辺りは、かつて 美濃焼 で名を挙げた有名な地域でもあります。だから「釜戸町」。美濃焼を焼く釜があちこちにあります。

とは言っても、少子高齢化が進み、後継が育たず、窯を〆る窯元も続々と…。JR中央線の駅、「釜戸駅」が最寄駅ですが、今は基本的には無人駅。駅前も、かなりひっそりしています。

そんな中、地元出身の若手が、地元を盛り上げようと立ち上げたのが、カマドブリュワリー なのです。

地元を愛するスタッフが立ち上げた「カマドブリュワリー」

JR釜戸駅を降りて、店などは何もない静かな住宅街を歩いて3分ほど。カマドブリュワリー は、突如現れます。

初めて来る方は「ほんとにここでビールが造られてるの?」と思うかもしれません。でも、本当にちゃんとここで、美味しいビールが造られているんです。

このブリュワりーを立ち上げたのは、代表取締役社長である 東 恵理子 さん。釜戸町の出身 です。一度は地元を離れ、様々な活動をしてきたそうです。北海道テレビ放送でディレクター、退社後は青年海外協力隊としてバングラデシュへ。コミュニティラジオ局の番組制作支援に携わりながら、バングラデシュオリジナルのラジオ体操を考え、広め、帰国後も街の魅力をいかに広めるかに尽力してきたそうです。

そんな中、「地元の釜戸を元気にしたい」と独立を考えていた時に出会ったのが、クラフトビール界のレジェンド、 丹羽 智 さんです。

クラフトビール界のレジェンド 「丹羽 智」 さんが製造責任者

東さんが「釜戸を元気にしたい」と考えていた時、問題は何を “推し” とするのか。そこで、始めたのが 美濃焼と東濃の食とビールの会。そこに参加していたのが、当時は山梨の アウトサイダーブルーイング で醸造長を務めていた、 丹羽 智 さんです。

アウトサイダーブルーイングは、今や日本の中でも有名なクラフトビール。ここに来る前も、「いわて蔵」、「West Coast Brewing(ウエストコーストブルーイング)」などで醸造長として活躍し、これらのクラフトビールたちの名を上げてくると同時に、まだクラフトビール造りを学ぶ場所が少ない日本で、多くのブリュワーを育ててきたそうです。

丹羽さんが関わったブリュワリーMAPを見ると、「ほとんど日本全国じゃないか!」と驚きです。

釜戸と同じ東濃「中津川」出身の丹羽さん

今は醸造場は閉鎖されてしまいましたが、今から20年ほど前、クラフトビールのブームの先駆けの頃、「博石館ビール」というものがありました。中津川にある「博石館」というテーマパークで造られていたビールです。

お世辞にも、博石館自体はそこまで人気が高いテーマパークではないのですが、このビールは東京に出回るほどに。筆者も東京で初めてお目にかかりました。

そのビールを造っていたのが、中津川 出身の丹羽さんです。あれから全国各地でクラフトビール醸造で活躍していましたが、ゆくゆくは生まれ故郷でビール造りをしたい、と考えていたそう。

そこで出会ったのが、カマドブリュワリーの社長、東さん。「中津川と同じ東濃の釜戸で、ビール造り、しませんか?」と。話はすぐに進み、2020年にカマドブリュワリーが誕生しました。

「クラフトビール界では有名人の丹羽さんが、新たにクラフトビールを造るですと?!」 と、クラフトビール好きな人の間で、話題に上らないはずがありません。立ち上げた当初は、醸造量がまだ足りないのもありましたが、売り切れ続出だったそうです。今は落ち着いた造りをしているのでご安心を。

醸造場に併設のビアバー「HAKOFUNE ハコフネ」

釜戸を盛り上げるべく、手掛けたのはカマドブリュワリーの設立だけではありません。併設されているビアバー「HAKOFUNE ハコフネ」で、丹羽さんが手がける造りたての生ビールが飲めます。パッと見からもわかる通り、なんと元は貨物用コンテナ! それをビアバーに変身させてしまったわけです。

  • 写真:まき子https://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha/e/c0d642922677ea5fca99a30fdc04e8d1

飲める生ビールは、その時期によるかもしれませんが、常時6種類ほど。定番の「やっとかめエール」を始め、新作、季節もの、コラボなどいろんなものが楽しめます。

特に、定番以外のビールは、丹羽さんのセンスが光るものばかり! 丹羽さん曰く「クラフトビールの奥は深い。どれだけビールを造っても尽きない」とのこと。その時にしか飲めないビールもあるかもしれませんね。

HAKOFUNE の建物自体はとてもこぢんまりとしており、カウンター6席のみ。ですが、外には、ウッドデッキ8席、外テント4席×6程度あります。

料理も美味しいものがいっぱい

そして、カマドブリュワリーのビールと合わせて美味しい料理もたくさん!すぐに出てくるクイックメニュー、ちょっと時間はかかるけど手の込んでいるじっくりメニュー、軽食メニュー、甘いものメニューなどなど。

参考までに、筆者が注文した料理をご紹介します。

自家燻製3種盛り 1,000円(税込)。合鴨スモーク・ミックスナッツ・チーズ の3種です。桜のチップで燻しているそうです。合鴨は分厚いし、ミックスナッツもチーズもたっぷり。これだけで、ビールはどんどん進んでしまいます。

地ウインナーの盛り合わせ 2種 700円(税込)。半分にカットされているのが、地元瑞浪のブランド豚「瑞浪ボーノポーク」で、2本あるのが「奥美濃古地鶏」。瑞浪に奥美濃、どちらも地元産です。また、鶏のウインナーというのも珍しいです。どちらも味が濃厚!これもビールが進みます。

たまごサラダのバゲットサンド 600円(税込)。バゲットには、これでもか!というくらい、たっぷりのタマゴサラダ。かぶりつこうとすると、豪快にはみ出ちゃいます。このタマゴサラダがまた美味しい。これで600円でいいの?!というサンドです。

フードの持ち込みOK!

驚きなのは、HAKOFUNEの料理も美味しいのですが、フード持ち込みもOK なこと! 調理場もあるHAKOFUNE自体が小さいため、あまり多くのお客様が来店すると、フードが回らなくなってしまう、ということも考慮しているかもしれません。自分が合わせたいアテを持ち込んで、ここで出来立てのクラフトビールを飲む、というのも楽しいに違いありません。

醸造場の見学ツアーでもっと深く知る

醸造場は、土日祝、不定期で水曜も 見学ツアー を行っています。時間は約1時間、4種類のできたて生ビール試飲も含めて、3,500円(税込)です。

案内人は、なんと、社長の東さん!醸造場の中に入ると、サーマルタンクがびっしり! 筆者が参加したときは8名でしたが、8名も入るとギチギチな広さ。この小さい敷地で、たくさんのビール造りを行っているんだなぁ、と感心してしまいます。

見学ツアーでの解説は、あまり難しいことは話さず、初心者でもわかりやすいビール造りについてです。見学ツアー自体は20分〜30分ほどでしょうか。ツアー客から質問などがたくさん飛び出れば、もう少し長くなるかもしれません。社長が自ら案内してくださる経験はなかなかできないので、ここぞとばかりに、是非たくさん質問しちゃいましょう!

ツアーの後はたっぷり4種類の試飲タイム

見学ツアーが終わったら、ウッドデッキで、ツアー参加者の皆さんと、4種の生ビール試飲タイムです。4種類を一度に並べてくれるので、色の違い、味の違いが分かりやすく楽しめます。

見学ツアーに参加される方は、遠方からもたくさん。さまざまな土地から集まった皆さんとは、たった1時間の一期一会になるかもしれませんが、こうしてみんなと一緒におしゃべりしながら、ビールのことなどに話が盛り上がるひとときも、とても楽しいものです。

【土日祝の予約はじゃらんから】
じゃらん予約ページ

【水曜の予約は直接カマドブリュワリーへメール】
yoyaku@hmbw.jp
水曜は普段の醸造作業も見られるかも?!

地元らしさが伝わる素材やネーミング

丹羽さんは、なんでもクラフトビールの材料にしちゃいます! これまでも地元の果物などを使ったりしていましたが、カマドブリュワリーで造るビールにも、面白い素材がいっぱい!

土岐川の鮎、山のシイタケ、山椒、神明神社の御神木の大杉、もみじの葉っぱのエキスなどなど、「え?!こんなものまで?」と思うのですが、それも地元愛からくるものなのですね。

そして、ネーミングにも地元愛が見受けられます。例えば、定番商品の「やっとかめエール」「かんこうIPA」「あんきーラガー」

「やっとかめやなぁ!」は「久しぶりだね!」。「もっと、かんこう せんと。」は「もっと、工夫しないと」。「あんき にしとったらエエ。」は「気軽にしてたらいいよ。」 と紹介すると、なんとなくニュアンスが伝わるでしょうか。筆者も東濃出身なので、いつも祖父母がこの言葉を使いますが、地域外の方が聞くと、何を言ってるかわからないかもしれませんね(笑)。

また、「竜吟の滝IPA」。釜戸駅から歩いて20分くらいの所に 竜吟の滝 という観光名所があります。このあたり一帯は 竜吟峡 と呼ばれていて、大小7つの滝があるので、ハイキングコースとして人気。

釜戸駅から徒歩30分ほどのには 白狐温泉 という温泉地もあり、それにちなんで「白狐の泉ヴァイツェンボック」というビールもあります。

クライミングスポットも! ブルワリーの西の方に、ロッククライマーの聖地と呼ばれる「屏風岩」がある。そのクライマーの姿をラベルにした「KK(きっつぅ)IPA」。「きっつぅ」も方言で「キツイ(苦しい時に言う言葉)」。

このような感じで、地元愛の溢れるネーミングを見ると「これはなんだろう?何を意味してるんだろう?」と色々詮索したくなってしまい、それもまた楽しいのです。

最後に・・・

近年は、カマドブリュワリーのように、地域とともに生きる!を目標としたクラフトビールが増えています。と言うことは、地元愛に溢れ、地元がいかに盛り上がるかを考えるブルワリーが注目されている、と言うことでもあります。また、「旅先でそんなブルワリーに出逢いたい。」と思っている方も多いのではないでしょうか。

釜戸も昔は辺鄙な田舎で高齢化社会まっしぐらの村でした。でもカマドブリュワリーができて、人が通うようになり、ブリュワリーで働くために釜戸の空き家を購入して引っ越してくる人もいるそう。

こうやって、地域活性化にも貢献しているカマドブリュワリーは、今後も目を離せません。

カマドブリュワリー
瑞浪市 / クラフトビール / 工場・施設見学 / バー
住所:岐阜県瑞浪市釜戸町3154−3地図で見る
電話:0572-51-2620
Web:https://camado.jp/

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じっとしているのは耐えられない旅行好き&飲兵衛です
日本在住ですがアメリカで生活したこともあり、その時にすっかりアメリカ大陸の自然に魅了されました。それ以来、帰国しても日本の自然の素晴らしい場所をあちこち旅行するのが好きです。1児の母でもありますので、“子連れで行くとどんな旅になる?!”という視点も織り交ぜていろんな場所をご紹介できればと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha

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