巨大仏の宝庫【奈良】壷阪寺で見られる春の珍景「桜大仏」

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   2018年3月16日更新

奈良県の高取町にある壷阪寺。眼病封じのご利益があり、平安時代には天皇も参拝に訪れたほど。目の観音様として有名な本尊はもちろんですが、着目して頂きたいのは境内に点在するインドから招来された巨大仏たち。山の斜面に立つ全長20mもの大観音石像の存在感は格別。そして春に楽しめるのが「桜大仏」。壷阪大仏と呼ばれる釈迦如来像とそれを覆う満開の桜の見事な競演。そんな春だけ楽しめる珍しい光景をご紹介します。

眼病封じのお寺、壷阪寺

南には桜の名所、吉野がある壷坂の山の中腹に位置する壷坂寺(つぼさかでら)は、703年元興寺の弁基上人がこの山で修行した際、愛用の水晶の中に感得した観音像を祀ったのが始まりとされています。

  • 本尊の十一面千手観世音菩薩が祀られている八角円堂(本堂)
  • 本堂で売られているおみくじ。何が出るかは観音様の「思うつぼ」?!

本堂である八角円堂に祀られている本尊・十一面千手観世音菩薩は、眼病平癒の霊験あらたかな観音様として古くから信仰されてきました。平安時代には桓武天皇も祈願に訪れたそう。目鼻立ちがくっきりとして、どこかエキゾチックなお顔立ちの本尊は通常拝観可能です。

堂内では、目の疲れや充血に効く御祈祷済みのオリジナル目薬も販売されています。パソコンやスマホで目を酷使する現代人の私たちも、ぜひご利益をいただきたいですね。

古い眼鏡に感謝の気持ちを込めて。めがね供養観音

長年お世話になってきた眼鏡をただ捨てるのはしのびない、という方たちからの相談を受け建立された「めがね供養観音」。毎年10月18日には古くなった眼鏡やコンタクトレンズに感謝し、台座に奉納供養する「めがね供養会法要(くようえほうよう)」が行われます。

お里・お市の愛の物語『壺坂霊験記』(つぼさかれいげんき)

  • お里・沢市の像

現代でも歌舞伎で上演される『壺坂霊験記』はここ壷阪寺が舞台のお話。

盲目の夫、沢市は毎晩朝方家を出て行く妻、お里の行動を浮気をしているのでは、と怪しみます。しかし、実はお里は沢市の目がよくなるよう3年間欠かさず壷阪寺に朝詣でをしていたのでした。自らの考えを恥じた沢市は身投げをしてしまい、悲しんだお里も後を追います。しかし、二人の夫婦愛が観音様に届き奇跡が起こり、二人は助かり、また沢市の目も開眼したのでした。

明治時代、浄瑠璃の演目としてこの物語が上演されると、世間の反響を呼びお寺への信仰も広がりました。

境内に点在するインドから来た巨大仏

朱色の本堂や室町時代建立の三重塔など、歴史あるお寺を思わせる伽藍の中に一際目立つ存在。それがはるばるインドから招来された巨大な仏像です。

  • 天竺渡来大釈迦如来石像 通称「壷坂大仏」
  • 釈迦の生涯を描いた仏伝図レリーフ。こちらもインドの職人の手によるもの。

1964年から壷阪寺はインドのハンセン病患者救済活動をはじめ、教育助成や地域開発活動を行っています。これらの仏像はその縁がきっかけとなり招来されたもの。

  • 真下から見上げるとその大きさに圧倒される「天竺渡来大観音石像」
  • 全長8mの涅槃像がある高台からは、金剛山地なども見渡せます。

中でも目を引くのが全長20mにもおよぶ天竺(てんじく)渡来大観音石像と、そこから少し下った位置にある高台に横たわる天竺渡来大涅槃(ねはん)石像。

大観音石像は3億年前の古石で、のべ7万人ものインドの石工職人が携わり造られました。もちろんこのままインドから運ぶことはできないため、66個に分割し、この地でパズルのように組み立てられました。

日本ではあまり見られない屋外の巨大仏。不思議な光景にちょっとびっくりしてしまいますが、この大きさはインドの人々の感謝の気持ちに比例してるのかも?!と思えば嬉しい気持ちにもなります。

桜に覆われた「桜大仏」

壷坂寺は桜の名所でもあり、春には境内を満開の桜が彩ります。先ほどご紹介した「壷坂大仏」の周囲にも桜が植えられていて、満開の桜と大仏様の素敵なショットを見ることができます。

また、こちらで桜の時期だけに見られるのが「桜大仏」。

正面からではなく大仏様と同じ目線になれる位置に上がると、桜の花々に埋まり、その間からちょうど顔だけが現れます。まさに「桜大仏」の名にふさわしい春限定の光景です。

壷阪寺

奈良 / 社寺・教会

 

住所:奈良県高市郡高取町壷坂3番地

Web:http://www.tsubosaka1300.or.jp/

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※この記事は2017年4月12日の取材に基づき公開した情報です。
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100名城制覇、四国八十八箇所結願が目標。
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