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5.大樹寺
松平家・徳川家の菩提寺で、先にご紹介した伊賀八幡宮と同じく松平親忠によって1475年に創建されました(松平家の菩提寺となったのは親忠の子、松平5代長親の時)。
大樹寺と岡崎城を結ぶ約3キロの直線はビスタラインと呼ばれています。徳川家光が伽藍の大造営を行った際、この場所から家康生誕の地、岡崎城を望めるように、と伽藍を配置しました。その景観は約370年もの間守り続けられ、現在も山門の間から遠く岡崎城の天守を眺めることができます。
こちらのお寺は歴史的にも非常に大きな意味を持っています。桶狭間合戦に今川軍として参戦していた家康は、織田軍に今川義元が討たれたことを知りここ大樹寺へと逃げ帰ります。そして、先祖の墓前で自害する覚悟であることを当時の住職に告げると、住職は「厭離穢土 欣求浄土 (おんりえど ごんぐじょうど)」という教えで家康を説得し自害を思いとどまらせました。
この言葉には、苦悩の多いこの世を厭い、平和を求めてそれを成すという意味が込められています。この場所で家康が自害していれば、その後の歴史は大きく変わっていたに違いありません。大樹寺は家康再起の場所。立志開運の寺として今なお信仰をあつめています。
また有料拝観(400円)となる大方丈・収蔵庫・宝物殿(位牌堂)では、貴重で興味深いものを拝観することができます。中でも位牌堂にある松平家・徳川将軍家の等身大の位牌は圧巻。部屋の両脇にずらっと並んだ位牌に、最初は圧倒されてしまいますが、徳川将軍家の歴史をたどる貴重な経験ができますよ。
- 大樹寺
- 岡崎市 / 寺
- 住所:愛知県岡崎市鴨田町広元5-1地図で見る
- 電話:0564-21-3917
- Web:http://home1.catvmics.ne.jp/~daijuji/