中東はアラビア半島の小国・カタールの首都ドーハ。ここには、世界でも有数のイスラムアートのコレクションがあります。コレクションが集まるのはイスラムアート美術館(Museum of Islamic Art-通称MIA)。MIAの楽しみ方を3通りご提案してゆきます。今回のテーマは「眺望」。ペルシャ湾に浮かぶように建つMIA。そこからは、砂漠の中に突如として現れるドーハのスカイラインを、一望のもとに見渡すことができるんです!
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砂漠の王国に突如現れる摩天楼
アラビア半島に位置し、国土の大半が砂漠に覆われているカタール。ドーハから1時間半もドライブすれば、隣国・サウジアラビアへと続く砂漠を歩くこともできます。
ところが、この砂漠の王国に突如として現れるのが、ドーハの湾岸に立ち並ぶ高層ビル群です。飛行機の窓からは、この摩天楼と砂漠の大地とのコントラストをはっきり見ることが出来ます。
大部分が、21世紀以降の開発で建てられたものと聞けば、カタールの発展が如何に急激なものだったかが分かりますね。
摩天楼が一番美しい眺望ポイント・イスラムアート美術館
イスラムアート美術館(MIA)は、世界的な建築家でルーブル美術館のガラスピラミッドも担当したイオ・ミン・ペイが、イスラム圏を半年もの間旅をし、その建築や歴史からインスピレーションを得てデザインしたもの。
こちらの記事で詳しく述べたとおり、そこかしこにイスラムのエッセンスがちりばめられた、声を失うほどに美しい建物です。
しかし注目してほしいのは建物だけではありません。MIAから臨むドーハの摩天楼の眺望もすばらしく、MIAは摩天楼を一番美しく眺めることができるポイントのひとつです。
ダウ船と摩天楼~伝統と近代化の共存~
下の写真が、MIAから見られる摩天楼の景色。
奥に立ち並ぶ摩天楼と、手前に並ぶ木造の小船とのコントラストが面白いですね。小船の中でも帆を持つものはダウ船と呼ばれ、非常に古くからこのあたりで作られ、アラビア海や広くインド洋で活躍した伝統的なもの。
昔から海と縁の深い生活を送ってきたカタール人にとって、アイデンティティにも関わりを持つほど重要なものと言われます。興味のある方には、こうした船に乗ってペルシャ湾をクルーズするツアーなどもありますよ。
そんなダウ船の後ろに見える摩天楼。ひとつひとつスーパーモダンな形が印象的です。
伝統の象徴のような木造船と、近代化そのもののような摩天楼。どちらも同時に一望することができるここの風景は、まさにカタールの現在の姿そのもののようです。
オリエンタルな回廊から絶景を
MIAの回廊ごしに臨む摩天楼の風景も、イスラムの情緒に満ちて素晴らしいものです。
- 出典:commons.wikimedia.orgAndrew Wiseman;CC BY-SA 3.0
特に夕暮れ時は、雰囲気がとても良くておすすめです。
丸いアーチがオリエンタルな意匠から摩天楼を眺めると、手前に浮かぶ木造船がゆっくりと目の前を横切ってゆきます。夕日が落ちてしまうまで、時間をしばし忘れてくつろぎたいものです。
安全な国ならでは。夜景もおすすめ
ドーハはとても治安が良く、女性が夜ひとりで街中を歩いても危険を感じるのが稀なほど。そんな国だからこそ、安心してスカイラインの夜景を楽しむことも出来ますね。
目線の方向を少し変えれば、MIAも美しくライトアップされていることでしょう。昼間とはまた違った、神秘的で少し厳かな雰囲気をゆっくりとお楽しみください。
- 出典:en.wikipedia.orgNmnogueira;CC BY-SA 4.0
- イスラムアート美術館
- カタール / 博物館・美術館 / 美術館
- 住所:P.O Box 2777, Doha地図で見る
- 電話:974-422-4444
- Web:http://www.mia.org.qa/en/
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