滋賀県彦根市の彦根城すぐそばに、玄宮園という大名庭園があります。大きな池に橋が架かった庭園では、紅葉や新緑など、四季折々の景色が楽しめ、彦根城天守の美しい姿も見られます。高台にある茶屋では、抹茶や銘菓もいただけます。
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玄宮園とは
玄宮園(げんきゅうえん)は、滋賀県彦根市の彦根城北東にある庭園です。彦根藩4代藩主の井伊直興(なおおき)が、延宝5年(1677年)に造営したとされる大名庭園で、国の名勝に指定されています。彦根城の天守や樹木を背景とした美しい景観が魅力で、観光客や市民の憩いの場となっています。
玄宮園の隣には、彦根藩の二の丸御殿「楽々園」(らくらくえん)があります。玄宮園と合わせて、玄宮楽々園と呼ばれています。
玄宮園を散策しよう
それでは、玄宮園を散策してみましょう。入場ゲートで入園料を支払います。玄宮園のみなら、大人200円、小、中学生100円です。彦根城の入場券(大人800円)を購入すると、玄宮園にも入れますので、彦根城にも立ち寄られる方は、そちらを購入してください。
庭園は、池泉回遊式となっており、中央に大きな池が配されています。そこに4つの島が浮かんでおり、島に渡る橋も架けられています。
その橋は、全部で9つあります。そり橋となっており、造りも様々です。基本的に島に架かっていますが、中には渓谷を模した場所に架かっているものもあります。これらの橋を鑑賞したり、渡ったりするのも楽しいものです。なお、渡れない橋もありますので、注意してくださいね。
さらに歩くと、奥の方に建物が見えてきます。池にせり出した建物が臨池閣(りんちかく)、少し高台になった築山にあるのが鳳翔台(ほうしょうだい)です。どちらもかつては玄宮園の茶屋だったそうです。このうち、鳳翔台では、現在でもお茶をいただくことができます。さらに園内を進むと到着しますので、後ほどご紹介します。
彦根城から見て最も奥、北東のあたりまで歩くと、天守が良く見えるようになります。お城の緑と天守を借景とした玄宮園の美しさが、一番よく感じられる場所ではないでしょうか。
彦根城に登るのは、少々大変ですから、体力に不安のある方などは、こちらから眺めるのが良さそうです。玄宮園は、一部砂利道や段差などがありますが、ほとんどが平坦です。車いすの方でも、介助者がいれば散策できそうです。
さて、そろそろ鳳翔台に近付いてきました。木造の橋を渡って進みましょう。この橋は、龍臥橋(りゅうがばし)と呼ばれています。途中の小さな島「亀島」を挟み、2連の橋になっています。こちらの橋が、玄宮園では最も大きいそうです。
さらに歩くと、鳳翔台の前までやってきました。藩主がお客をもてなすために建てたとされる建物とされています。地元彦根の銘菓とともにお抹茶(500円)を味わうことができるので、こちらで休憩するのも良さそうです。
鳳翔台は、庭園内でも高台に建っているので、園内を見渡すことができます。季節ごとに変わる景色を、お茶や和菓子とともに楽しむのは、格別ではないでしょうか。
こちらは、庭園とは反対側です。彦根城の天守が見える方向となります。風通しも良さそうですね。
楽々園
楽々園は、玄宮園の北西にある、彦根藩の二の丸御殿です。こちらも、彦根藩の井伊直興が、藩主になった翌年の延宝5年(1677年)から、2年かけて造営されました。槻御殿(けやきごてん)とも呼ばれていたそうです。南側に立派な玄関があり、そこに御書院が続いています。
玄関右側の小さな出入口から入ると、御書院が見られます。藩主が隠居後に利用する建物となっています。奥のやや高台になった部分に「地震の間」が、さらに奥には「楽々の間」が建っています。
「地震の間」とは、変わった名前ですが、これは、地震対策がなされた建物であるため、現在ではそう呼んでいるもので、当時は茶座敷だったそうです。
御書院前には、庭園があります。さきほどの玄宮園の大きな庭園と違って、水のある池などを配さない「枯山水」となっていますね。
楽々園は、入場は無料ですし、見学に時間もさほどかかりません。筆者が訪れた際は、公開されていませんでしたが、御書院の内部が公開されることもあるようです。興味のある方は立ち寄ってみてください。
- 玄宮園
- 滋賀 / 紅葉 / 観光名所 / 庭園
- 住所:滋賀県彦根市金亀町3地図で見る
- 電話:0749-22-2742(彦根城管理事務所)
- Web:http://www.hikoneshi.com/jp/sightseeing/articles/g...
彦根城にも登ってみよう
玄宮園を散策したら、彦根城にも登ってみてはいかがでしょうか。彦根城は、彦根藩2代藩主の井伊直継によって彦根山に築かれた城で、天守や櫓(やぐら)が国宝に指定されています。
天守までの道や、天守内にある急勾配の階段を上るのは、体力のある人でも息が切れるほどですが、現存する天守や櫓などを見学できるのは、価値のあることでしょう。
天守からは、琵琶湖を望む爽快な景色が楽しめます。しんどい思いをして登ってくると、より素晴らしく感じられるかもしれませんね。天守や、途中にある櫓からは、彦根市街もよく見えます。
ふもとには、彦根城博物館があります。館内では、彦根藩主井伊家に伝わる多くの大名道具を展示しています。また、表御殿を復元した当施設は、居間や茶室、庭園を再現しており、江戸時代の藩主の暮らしを偲ぶことができます。
- 彦根城
- 滋賀 / 城 / 観光名所 / 花畑(7月) / 花畑(8月) / 桜の名所
- 住所:滋賀県彦根市金亀町1-1地図で見る
- 電話:0749-22-2742(彦根城管理事務所)
- Web:https://hikonecastle.com/
- 彦根城博物館
- 滋賀 / 観光名所 / 博物館
- 住所:滋賀県彦根市金亀町1番1号地図で見る
- 電話:0749-22-6100
- Web:http://hikone-castle-museum.jp/
「彦根観光センター」で情報収集・休憩をして市内観光に!
玄宮園や彦根城の散策が終わったら、彦根市内の観光を楽しんでみて下さい。お城の南西の「夢京橋キャッスルロード」は、江戸時代の城下町を再現した通りとなっており、土産物の買い物や食事も楽しめるので、人気が高いです。玄宮園や彦根城の南東には、「彦根観光センター」があるので、観光情報の収集や休憩に利用すると良いでしょう。
こちらの施設内には、彦根や滋賀のお土産も販売されています。また、コーヒーや彦根サイダー、ソフトクリームもあるので、散策中にほっと一息つくこともできます。休憩、飲食用のテーブル席も用意されていますよ。
筆者も彦根サイダー(250円)をいただいてみました。さっぱりとした甘さと適度な炭酸のサイダーは美味しく、散策後の体にしみわたりました。
- 夢京橋キャッスルロード
- 滋賀 / 町・ストリート / 女子旅
- 住所:滋賀県彦根市本町地図で見る
- 電話:0749-23-0001(彦根観光協会)
- Web:http://yumekyobashi.jp/shop/
おわりに
彦根市の「玄宮園」はいかがでしたか。彦根城の入場券にセットになっていますが、お城の見学に時間を要するので、庭園に立ち寄るのをあきらめる方もいらっしゃるでしょう。しかし、短時間で回れますし、季節ごとの景観も美しいので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。