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”青の都”サマルカンドやオアシス都市ブハラ

【ウズベキスタン】青に酔いしれる。サマルカンドの6大イスラム建築

取材・写真・文:

トラベルライター

2017年9月7日更新

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写真:トラベルライター

「青の都」として知られる、ウズベキスタンの古都・サマルカンド。シルクロードの中心都市として、古くから発展してきました。「サマルカンド-文化交差路」として、2001年にユネスコの世界文化遺産にも登録されています。モスクも神学校も霊廟も、タイルを使ったアラベスク文様やアラビア文字のモチーフがデザインされ、微妙に異なる色合いの「青」で彩られています。建都2,750年の豊かな歴史を物語る、サマルカンドに来たら見るべき6つの美しいイスラム建築を紹介します。

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レギスタン広場

ウズベキスタン随一の文化・観光都市であるサマルカンド。その観光スポットの中でも外せないのがこのレギスタン広場です。大きなメドレセ(イスラムの神学校)に囲まれた広場に立つと、その壮大さに圧倒されます。

  • 写真:トラベルライター

ここで見られるのは3つのメドレセです。

ウルグベク・メドレセ

  • 写真:トラベルライター

広場に向かって左手のメドレセ。1420年、ティムール朝第4代君主・ウルグベクによって建てられました。

入口となっているアーチの上部にはタイルを使って星の文様が描かれており、天文学者でもあったウルグベクらしいデザインとなっています。アーチの両側にそびえるミナレット(礼拝を呼びかける塔)のうち、向かって右のミナレットが歪んでいるのは、修復過程で角度を調節しようとした際に自重によって曲がってしまったんだとか。

ウルグベク・メドレセ
ウズベキスタン / 遺跡・史跡
住所:Ulugh Beg Madrasah, Registon ko'chasi, Samarqand, ウズベキスタン地図で見る

シェルドル・メドレセ

  • 写真:トラベルライター

ウルグベク・メドレセの向かい側、広場に向かって右手に建つメドレセ。ウルグベク・メドレセに倣って、1636年に建造されました。

このメドレセで特筆すべきなのは、アーチに描かれた、鹿を追うライオンと人の顔。イスラム教では偶像崇拝が禁じられているため、通常モスクなどでも人や動物の姿が描かれることはあり得ないのです。その意味で、とても珍しいイスラム建築の例となっています。

シェルドル・メドレセ
ウズベキスタン / 遺跡・史跡
住所:Sherdar Madrasa , Registon ko'chasi, Samarqand, ウズベキスタン地図で見る

ティラカリ・メドレセ

  • 写真:トラベルライター

広場に向かって正面に位置するメドレセ。空色のドームが美しく目を引きます。

中の礼拝所は金箔によって修復されていて、まさに豪華絢爛。とくに緻密に描かれた天井は必見です。

  • 写真:トラベルライター

この天井、ドーム状になっているように見えますが、実際には平らなのです。錯覚でくぼんで見えるように、模様が描かれているのだそうです。美的なクオリティの高さだけでなく、見え方が数学的に計算されているという、その技術の高さにも驚かされます。

ティラカリ・メドレセ
ウズベキスタン / 建造物
住所:Tillya-Kori Madrasah , Registon ko'chasi, Samarqand, ウズベキスタン地図で見る
レギスタン広場
ウズベキスタン / 公園・動植物園 / 広場
住所:Registon ko'chasi, Samarqand, ウズベキスタン地図で見る

グリ・アミール廟(アミール・ティムール廟)

  • 写真:トラベルライター

14世紀に西トルキスタン一帯を支配したティムールと、その息子や孫が眠る霊廟。ティムールはモンゴル軍に破壊されたサマルカンドを復興させ、数々の建築物を作りました。この霊廟も、戦死したティムールの孫のためにティムールが建てたものでしたが、その直後に亡くなったティムール自身もここに葬られることになりました。

細かいすじの入った大きな青いドームが特徴的です。入口のアーチ内部は、曲線を組み合わせた立体的な装飾が施されています。

  • 写真:トラベルライター霊廟内部は金箔を贅沢に使い、入口同様に曲線を組み合わせた立体的な装飾も

廟の内部にはティムールとその子孫の墓石が安置されています。室内にも金とイスラム文字などを組み合わせた豪華な装飾が施され、支配者の圧倒的な栄華を物語っているかのようです。

でも、実はティムール自身は、故郷のシャフリサーブスに簡素な墓標をもって弔われることを願っていたようです。このグリ・アミール廟を訪れると、ティムールがいかに人民に慕われていたかがわかるような気がします。

  • 写真:トラベルライター夜は夜で、息をのむような美しさ
グリ・アミール廟
ウズベキスタン / 建造物
住所:Go'r Amir Maqbarasi , Oqsaroy Street , Samarkand ウズベキスタン地図で見る

ビビハニム・モスク

  • 写真:トラベルライタービビハニム・モスク(南側)

ティムールの命によって、1404年に完成しました。大モスクの両側に小さな2つのモスクが並び、中央アジアでも屈指の大きさを誇るモスクです。

中に入ると広大な中庭があり、その壮大さが身に迫ってくるようです。中庭の中央には、ウルグベクの寄進した巨大な書見台があり、願い事を唱えながらそのまわりを3周すると願いが叶うといわれています。

このモスクの建設はティムールにとっての一大プロジェクトであったようで、自ら毎日現場に出向いて指示を出していたほど。プロジェクトのあまりの巨大さのためか、建設中や完成にまつわる多くの言い伝えが残されているそうです。

  • 写真:トラベルライター筆者の来訪時、あちこちが修復作業中でしたが、修復される前の元のタイルやレンガの様子が見られるのもまた一興です
ビビハニム・モスク
ウズベキスタン / 社寺・教会
住所:Bibikhonim Str., Samarqand, ウズベキスタン地図で見る

シャーヒズィンダ廟群

  • 写真:トラベルライター

ティムールにゆかりのある人々の霊廟が集まるエリア。一本道の両側に、異なるデザイン、様式の霊廟が立ち並び、巡礼者の絶えない聖地となっています。本稿ではサマルカンドの6大イスラム建築のうちの「ひとつ」として数えましたが、実際には埋葬者のわからないものも含めると20以上の霊廟が集まります。

  • 写真:トラベルライター
  • 写真:トラベルライター
  • 写真:トラベルライター
  • 写真:トラベルライター
  • 写真:トラベルライター
  • 写真:トラベルライター

装飾のスタイル、青や白や金といった色味も、ひとつひとつ廟によって異なり、非常に見ごたえのあるものとなっています。

  • 写真:トラベルライター

鮮やかで緻密なアラベスク模様に彩られた霊廟群の中を歩いていると、別世界に迷い込んだかのような錯覚に陥ってしまいそうです。

シャーヒズィンダ廟群
ウズベキスタン / 建造物
住所:Shah-i-Zinda Ensemble , M-37, Samarkand, ウズベキスタン地図で見る

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