カリフォルニア州ニランドに、「Slab City(スラブシティ)」という、人々が自由気ままに生活しているエリアがあります。そこは、電気が通っていないにもかかわらず、古いスクールバスやトレーラーハウスの住居、手作りのライブハウス、教会、図書館、ホテル、インターネットカフェ、アートインスタレーションスペースまであります。そんな不思議な町「Slab City」をご紹介します。
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Slab Cityって?
Slab Cityの場所は、元々、第二次世界大戦中に作られたキャンプ・ダンラップと呼ばれる海軍基地でした。第二次世界大戦後になっても、その兵舎のコンクリート板(Slab)が残っていたため、Slab Cityと呼ばれています。
世間一般との関わりから距離を置く人々が自由気ままに生活するエリア
現在は、世間一般との関わりから距離を置く人々が自由気ままに生活するエリア。ずっとそこで住んでいる人もいれば、週末だけ住む人もいます。
なぜ、そのような人々が集まるようになったかというと、ニランドのチャパラルと呼ばれるハーブを収穫するために雇われた労働者が、キャンプ・ダンラップに放置されたトレーラーハウスに移り住んだことがきっかけだといわれています。
道に標識はなく、電気は到底ない
Slab Cityには、道に標識がなく、いたるところに、古いスクールバスやトレーラーハウス、毛布や木材で頑丈に強化されたテントなどの住宅があります。
電気が通っていないので、太陽電池パネルを使って発電している建物がある中、教会、ライブハウス、図書館、ホテル、インターネットカフェなどもあり、訪れる観光客もたくさんいます。
それではSlab Cityに潜入!!!
入口から、迫力のある絵が描かれた建物があります。
Slab Cityの道はコンクリートなどではなく、砂漠の道で、ところどころにふしぎなアートがあります。
靴が飾られている木
歩きたいばかりに、たくさん靴が実ってしまったような、たくさん靴が飾られている木。まわりに何もない道端にぽつんとそびえたっており、どこかさびしさも感じます。
フィルムカメラの道
デジタルカメラが主流になった今、あまり見かけなくなってしまったフィルムカメラですが、たくさんあると存在感抜群です。
デコレーションされたトラック
扇風機のカバー、パイプ、バケツ、石などでデコレーションされたトラックです。これ以上飾るスペースがないというくらい、たくさんデコレーションされています。
さて、ここまでご紹介したようにSlab Cityではあちこちでアートが見られますが、特に名所として知られる3ヶ所を続いてご紹介します。
Slab Cityの見どころ3選
1.Got is Love(神は愛)「Salvation Mountain(サルヴェーション・マウンテン)」
Slab Cityの入口付近にあります。
アクリルの絵の具、コンクリートなどで、彩りいっぱいの丘になっています。
創立者のLeonard Knight(レオナード・ナイト)は、
『世界中すべての人々が愛のメッセージを見て、どこの国の人々も、仲間の人にもっと愛と思いやりを持ってほしい』
という願いを叶えるために、30年かけて、愛のメッセージが描かれたこの丘を作ったそうです。はじめは、ここでメッセージを熱気球で飛ばそうとしたけど、失敗したので丘になったとか。
黄色い道を登って、頂上まで行くことができます。黄色い道以外は歩いてはいけないので、ご注意を。
現在はSalvation Mountain, Incというボランティア団体があり、このボランティアの方がSalvation Mountainにいるときは、いろいろお話してくれます。Salvation Mountainのことを、いろいろ聞いてみてはいかがでしょうか。管理や、ツアーも行っているようです。
- サルベーション・マウンテン
- アメリカ / その他スポット
- 住所:Salvation Mountain,Beal Rd, Niland, CA 92257地図で見る
2.自由に音楽やショーが楽しめる「THE RANGE」
サンディエゴのホームレスだったBuilder Bill(ビルダー・ビル)が創立者である、ステージ、ライト、アンプ、スピーカーがしっかり完備された、野外ライブハウス。
毎週土曜日の夜、地元の人々、訪問者、ミュージシャン、とにかく舞台に立ちたいと思う人が、ライブやショーをしています。
手作りのチケットカウンター
しっかりとレンガと木で作られています。
使い古されたビンテージの観客席
使い古されたビンテージの観客席も、ちゃんと用意されています。座り心地はどうかというと・・・実際座って体験されることをおすすめします。
周りにはまったく何もないので、他の光や騒音で邪魔されることのない広い場所での野外ライブ、見るのもステージに立つのもたのしいことまちがいなしです。