自然の中でお休みの日はノンビリしたいもの。でも昨今のアウトドアブームでキャンプ場も人がいっぱいだし、登山もやったことがないからなあ・・・という人にピッタリの、お散歩とハイキングの中間のような、絶妙な関東の低山をご紹介します。
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鳶尾山(とびおさん)はどこにあるの?
今回ご紹介するのは、鳶尾山(とびおさん)。神奈川県の厚木市にある標高たった235mの低山です。235mは人口建造物よりも低いので、山を歩いたことがない人の入門編にピッタリ。残念ながら近隣には駐車場がないので、公共交通機関でアクセスするのがベター。本厚木駅の北口から鳶尾団地行きバス乗車、鳶尾団地バス停で下車します。
天覧台公園
バス停から5分ほど歩くと、天覧台公園があります。ちょっとしたベンチもあるので、ここで装備を整えたり、ルートの下調べをすることもできます。
公園の端に小さな山へと続く階段があります。ここがハイキングコースの入り口です。階段のそばには、ハイキングコースの概略図もあるので、ルートの確認をすることもできます。しっかりと手すりのついた階段ですが、この舗装された階段はそんなに長くはありません。すぐに鳥居が見えてきます。
階段の先に鳥居!?とちょっとビックリされるかもしれませんが、日本は山岳信仰が盛んな土地がら、山には神社が建立されていることも少なくありません。ここ鳶尾山もこの先に神社があります。
- 天覧台公園
- 厚木市 / 公園
- 住所:神奈川県厚木市鳶尾4丁目13地図で見る
- Web:https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/en...
平たんな山道
とはいえすぐに神社があるわけではなく、ここから20分ほど歩きます。本当に山道が初めてな人は、舗装路が途絶えると不安に思われるかもしれません。ですが、比較的平たんで、人が踏み慣らしたしっかりとした道なので、歩き始めればスルスルと歩けるでしょう。
まっすぐ歩いていくと、やがて朱い鳥居が見えてきます。
金比羅社
この鳥居が鳶尾山にある神社の目印。この鳥居のほんのちょっと先に、もう一つ鳥居があり、そこをくぐると神社があります。
ここは鳶尾山の金比羅社です。金比羅は、もともとインドの神様のクンピーラ神が日本に伝わり「こんぴら」となったもの。クンピーラ→こんぴら。ね、わりとそのままの音が残ってますよね。クンピーラ神は、ガンジス川に住むワニが神様として崇められたものです。ここの金毘羅神は、その昔人々が疫病で苦しんでいた時にあらわれ、病気を治してくれたことから、病気平癒の神様として祀られたのが始まりだそう。
ところで、山中にある神社のわりに、ずいぶんピカピカだと思いませんか。実は元の建物は1951年に焼けてしまいましたが、2019年に再建されました。リニューアルほやほやなのです。
展望台
さらに10分ほど歩くと、展望台が見えてきます。
こう見ると小さな展望台のようですが、あなどることなかれ!展望台の階段を登っていくと・・・
すぱーんと関東を一望することができます。公園の入り口からここまで30分ほどで登ってくることが出来るので、実は夜景の撮影スポットとしても人気があります。ただし、街灯などは一切ないので、懐中電灯(できれば両手のあくヘッドランプ)を必ず持参しましょう。
ちなみに夜景はこんな感じ。夜景は手持ちで撮影するのは難しいので、三脚があったほうがいいですよ。
山頂
さらに展望台から30分ほど歩くと、あっという間に山頂到着です。
山頂にはベンチもあるので、ここで休憩することもできます。ちょうどお昼時を狙って、お弁当持参で登ってみるのがおススメです。ちなみに、この鳶尾山の山頂には、「日本で初めて」というものが設置されていて・・・
じゃじゃーん。日本で最初の一等三角点があります。
地図を作る時の測量方法のひとつに、三角測量があります。三角測量とは、3つの地点を結んだ距離と、角度を調べながら測量するもので、この時、地面に固定された基準点を三角点と言います。この三角点には、一等から四等までの等級がありますが、鳶尾山にあるのはそのうち一等三角点です。
桜の名所へ
実は頂上まで行ったあとは、下山はあっという間なのですが、ちょっとだけ名所をご紹介すると、下山時に「桜の名所」と書かれた看板があります。
昔からある桜の名所というわけではなく、地域の有志が集まり、鳶尾山を桜の名所にするべく植樹活動を行っているそう。筆者が訪れた時は残念ながら秋だったので桜のシーズンではないけれど、どんな景色になるのか楽しみに春ごろ訪れるのもよいのでは。
あっという間に舗装路へ
この桜の名所の看板を過ぎると、あっという間に(体感で10分くらい)舗装路に出てしまいます。
舗装路に出るとすぐハイキングコースの案内図があって、示された現在地を見ると、終盤なことがわかります。
本当に初めての人は十分な距離かもしれませんが、ちょっとだけ山に登ったことがある人は物足りない距離かも。筆者はちょっとだけ物足りなかったので、最後に雰囲気が最高の神社にお参りにいくことにしました。
八菅神社
舗装路を20分ほど下っていくと、徐々に民家が見えてきます。その中に雰囲気のある神社がチラリ。
こちらは八菅神社(はすげじんじゃ)。修験道の修業の場として栄えたという神社です。筆者がここに寄りたかったのはワケがあります。それは・・・
この古くから使われていたであろう雰囲気MAXの、長い長い階段を登りたかったから・・・。階段の幅は昔のサイズなのか、非常に狭く、足を載せるとかかと部分がはみ出してしまうほどです。ひとつひとつの段の石は、角が舐めており、沢山の人が歩いたんだろうなあと想像させられます。この写真で見える階段の先まで行くと・・・
階段の先に、また階段!でも周囲の高い木々に守られて、静寂に包まれており、聖なる場所に導く階段のようで、とっても気分がいいです。ぜひぜひ、鳶尾山ハイキングの締めに、こちらの神社にも足をのばしてみてはいかがでしょうか。
- 八菅神社
- 愛川町(愛甲郡) / 神社
- 住所:神奈川県愛甲郡愛川町八菅山139地図で見る
- Web:https://www.kanagawa-jinja.or.jp/search_dtl.php4?j...