ドイツのほぼ中央に位置する、バーデンヴュルテンベルク州にあるハイデルベルクという街は、年間数百万人が訪れる、ドイツを代表する観光地です。かつてゲーテなどの詩人や哲学者達が魅了されたという街の見どころは、山の上に堂々とそびえたつ古城「ハイデルベルク城」と、赤い「旧市街」。フランクフルトから日帰り旅行が可能な、ハイデルベルクの街歩きをご紹介します。
この記事の目次表示
街歩きスタートは、ケーブルカーに乗ってハイデルベルク城から!
ハイデルベルクの街歩きは、山頂にそびえるハイデルベルク城の見学からスタートすることをおすすめします。ハイデルベルク中央駅前のバス停から33番のバスに乗り、コルンマルクト (Kornmarkt) で下車します。ケーブルカーに乗り換えて一駅の、シュロス駅 (Schloss) で下車しましょう。
このケーブルカーは、景色を眺めながら尾根を登るのではなく、ずっとトンネルの中を登っていきます。少し残念ですが、その先には、美しい古城と旧市街が待っています。期待しながら乗車しましょう。
思わずため息!美しき廃城ハイデルベルクと、テラスからの風景!
ネッカー川の畔の山頂に堂々とそびえるハイデルベルク城は、プファルツ伯の居城でした。13世紀頃に建てられましたが、幾度となく改修・拡張を続け、ゴシック、ルネッサンス、バロックなど様々な建築様式が見られます。
しかし1618年からの三十年戦争や、1688年のプファルツ継承戦争により、城は破壊され、現在では廃城として残っています。
それでは現存する建造物から、当時の様子をご紹介します。
ループレヒト館
1300年頃から建設が始まった、ハイデルベルク城で最も古い建造物です。
フリードリヒ館
奇跡的に無傷の建物です。上階部分が居館として用いられ、1階部分は城内教会として現在も残されています。
オットハインリヒ館
ドイツ初のルネッサンス様式の建築であり、ドイツ・ルネッサンスの最高傑作と言われています。現存は正面のファザードのみですが、5階建てであったということがわかり、窓と窓の間には、歴代選帝侯の像が置かれていました。
大樽棟
ワイン樽に合わせて建てられた建物です。この樽はカール・テオドール樽と呼ばれ、直径7m、長さ8.5m、容量222,000リットルという、木造のワイン樽としては世界最大の大きさです。宴の際には、一日2,000リットルのワインがくみ上げられ、人々は楽しいひと時を過ごしたようです。
アルタン(テラス)
「選帝侯のバルコニー」と呼ばれており、非常に価値あるテラスです。ハイデルベルクの街を一望でき、その美しさにため息がこぼれます。
旧市街~カール・テオドール橋(アルテ橋)を散策
ハイデルベルク城の見学を終えたら、下山し、旧市街を散策しましょう。ケーブルカー下車すぐの場所にあるコンマルクト広場からは、ハイデルベルク城を見上げることが出来ます。筆者の訪問日は12月だった為、クリスマスマーケットも広がっていました。
まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような、可愛らしい旧市街には、お洒落なカフェやレストラン、お土産屋が軒を連ねます。そして石畳が続く道を川沿いへと進むと、白壁の2つの橋塔が見えてきます。
2つの橋塔は、かつてネッカー川の見張りに使われていました。ここをくぐり、カール・テオドール橋(アルテ橋)を渡りましょう。
橋の名前でもあるカール・テオドール選帝侯が、1786-88年に建造した橋です。橋からは、ハイデルベルクの城や旧市街が一望でき、城と並んで人気観光スポットとなっています。
- コンマルクト広場(ハイデルベルク)
- ドイツ / 公園・動植物園 / 広場
- 住所:Marktplatz 4-5 69117 Heidelberg地図で見る
- カール・テオドール橋
- ドイツ / 建造物
- 住所:Karlstrasse, Heidelberg地図で見る
哲学者の道からの景色は特別!
最後に、哲学者の道をご紹介します。カール・テオドール橋を渡り、対岸のシュランゲン小道を15分ほど行きます。この小道は、石畳の斜面が続きますので、体力必須です!
その先には哲学者の道があります。ここからの景色はまさに絶景。ハイデルベルクの全景が見渡せます。
かつてゲーテなど、多くの詩人や哲学者が実際に歩いたという道です。詩人でなくとも、思いをはせることが出来る風景を、是非ご堪能ください。
フランクフルトからたった50分!アクセス情報
ハイデルベルクまでのアクセスは、フランクフルト中央駅からIC特急で約50分、片道20€(約2,700円)。日本からフランクフルトへは直行便がありますので、ドイツらしい街並みを巡る観光スポットとして、おススメしたい街です。