ハイチ

【ハイチ】光と影~美しい自然景観と貧困と~

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東京在住
訪問エリア:191ヶ国

2023年6月27日更新

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写真:toshel

カリブ海に浮かぶ島ハイチ共和国。フランスの植民地から独立したハイチ革命は、世界で初となる黒人の共和国として、黒人奴隷解放に世界的影響力を与えました。近年はハイチ大地震が記憶に新しく、未だ復興ままならない不安定な国です。今回は、首都ポルトープランスの様子や、繁栄を極めたコーヒー商人の港町ジャクメルをご紹介します。

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ハイチの歴史

観光名所や街の様子をご紹介する前に、数奇な運命をたどったハイチの主な歴史をご紹介します。

  • 写真:toshel

コロンブスによる島発見と植民地化

1492年にコロンブスがこの島(イスパニョーラ)を発見したとき、先住民のアラワク人が住んでいました。スペイン人が次々と入植して彼らを絶滅させると、近隣のカリブ人やアフリカ人奴隷を主に島の東部へ連れて行きます。サトウキビやコーヒーに適したこの島で、スペイン人は連れてきた奴隷にそれらを栽培させ、過酷な労働を強いて繁栄を極めました。

そんな中、スペイン人の目の届かない西側からジワリジワリとフランスが入植し始めると1697年、ついにフランスは島の西側1/3を領土化します。これが現在のハイチです。後の2/3は、ドミニカ共和国です。ハイチはこうした背景からフランス統治が長かったため、今でも国語はフランス語です。

世界初の黒人国家

1803年、ハイチはイギリス軍の支援を受けてフランス軍を駆逐し、翌年の1804年、世界初の黒人国家として独立を宣言します。この「ハイチ革命」は、カリブ他島の同じ黒人奴隷の植民地に非常に大きな影響を与えました。

その後も、イギリスやアメリカの干渉を受け度々衝突を繰り返し数奇な運命を辿りますが、安易に屈せず自国の独立を守り抜き今に至ります。ハイチは人口のおよそ9割が、植民地時代に奴隷としてアフリカから連れて来られた人々の子孫です。

ハイチ大地震

まだ私たちの記憶にも新しい2010年1月に起こった「ハイチ大地震」では、50万人以上の死傷者がでました。この地震以前より政情は不安定でしたが、この地震以降、一気に経済が失速すると、治安も瞬く間に悪化します。この時、支援のために入国した国連派遣者からコレラが蔓延して二次的被害も発生するなど、「ハイチ大地震」では甚大な被害が生じました。2018年5月現在、首都ポルトープランスには未だ至る所にその爪痕を遺しています。

  • 写真:toshel最近になってやっと修復の終わったポルトープランの政府関係施設

首都ポルトープランスの光と影

イスパニョーラは山の多い島です。島の1/3を占めるハイチも、山や海の自然に恵まれておりますが、農地には向かず、ほんの少しの平地部分を中心に首都ポルトープランスの街が広がります。上を見ていれば美しいハイチですが、下を見るのはつらい現実です。道はごみ箱、ひとたび雨が降ればその道が川となります。

  • 写真:toshel

そこを歩く人々は、ひざまでごみ川に浸かっています。そして、流れたゴミはそこらじゅうに広がるか、山になります。街の中心の幹線道路の片側車線にごみ山が現れ、しばしば渋滞の原因になっています。

しかも、それが街のあちこちに発生しているのですが、近くの住人が片付けるようなレベルではなく、日本人の私たちからしてみれば酷い有様で、悪臭も漂い衛生面でも非常に気になりますが、これが一つの名物になるくらい珍しいと言えば珍しいです。

  • 写真:toshel

フランスの影響が大きい美味しい食事

そんな不衛生な面もあるハイチですが、フランス統治が長かったためか食事は意外にも美味しいです。

  • 写真:toshel

特にパンはどこで買っても驚くほど美味です。

  • 写真:toshel

Observation Bar & Restaurant

ポルトープランスへ来たらオススメなのが山の上のカフェ「Observaiton Bar & Restaurant」です。

  • 写真:toshel

市内を一望できるレストランは、昼夜に限らず多くの観光客でにぎわっています。食事も飲み物もバラエティに富んでいるうえ、何しろ景色が最高です。

  • 写真:toshel

一人で歩くのは勇気のいるポルトープランス市内中心部

  • 写真:toshel

治安が悪いと評判のポルトープランスを散策するのは、これまで世界130か国、300都市以上を歩き回ってきた筆者でも緊張感がありました。「治安が悪い」というよりは、「余所者を寄せ付けない何か」を感じます。

世界で初めて黒人国家を樹立しただけあり、プライドの高さと誇りを有した人々であり、それに反して地震以降、低迷の続く経済や、なかなか復興しない街の状況、治安の悪化に国民全体が不満を募らせてるようです。

  • 写真:toshel

国民の多くが一日1US$以下で暮らしているとも言われており、特に欧米やアジア人はターゲットにされやすいので、お気を付けください。

街は人で溢れかえっている

  • 写真:toshel

車道脇に所狭しと連なるパラソルの下では、食料品から日用品まで、ありとあらゆるものが安価に売られています。スーパーマーケットもありますが、一般庶民には高過ぎるため、多くの買い物客が露店で品定めをしています。

  • 写真:toshel
ポルトープランス
ハイチ / 町・ストリート
住所:Port-au-Prince,ハイチ地図で見る

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地球旅~現在192ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

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