福岡県北九州市は、古くからアジアとの交易における「日本の西の門戸」と呼ばれ発展してきた、重要な国際貿易都市です。アジア諸国から人やモノが行き交う中で、北九州市では沢山の斬新なサービスや食べ物が生まれました。アーケード街にスーパーマーケット、パンチパーマ、角打ち、競輪。そして「焼うどん」です。今回は、焼うどん発祥の店「だるま堂」と、名物「天まど」をご紹介します。
この記事の目次表示
小倉のモダンが息づく「鳥町食道街」に佇む老舗
小倉駅から5分ほど歩くと、古き良き日本を思わせるレトロな商店街に辿り着きます。「鳥町食道街」です。鳥町食道街の東側入口を入り、すぐ左手にあるのが、今回ご紹介する「だるま堂」。暖簾の達筆な筆跡には味への自信が溢れており、ぐっと気圧されます。
暖簾をくぐると、店主のおばあちゃんから「いらっしゃい」と威勢良く声が掛けられます。水を出してくれると同時に、手際よく焼うどんを作り始めてくれ、じゅうじゅうと焼けるうどんとソースの香りにお腹が鳴ってしまいそう。
店内は全7席とこぢんまりした作り。壁には、所狭しと芸能人のサインが並べられています。さすが焼うどん発祥の店、今でも取材は途切れることがないそうです。
上品すぎるB級グルメ!名物「天まど」
「だるま堂」のメニューには、「焼うどん(460円)」もしくは名物「天まど(510円)」の2種類しか書かれていません。天まどとは、半熟ぎみの目玉焼きを乗せた焼うどんのこと。折角、焼うどんの聖地「だるま堂」に来たなら、名物を注文してみましょう!
ちなみに、焼うどんは、終戦直後の昭和20年に焼きそば用の干しそばがなかったため、干しうどんを代用したところ大好評だったのが始まりなのだそう。
「天まど」の特徴は、柔らかい麺と上品なソースです。麺をすすると、ぷるんとした食感に加え、麺自体の風味の豊かさ、舌で噛み切れる柔らかさに驚くでしょう。五島うどんや稲庭うどんのようです。
また、ソースは出汁がベースのため、とても上品な後味です。一般的な焼うどんに比べると、ガツンと腹にたまるというよりスナック感覚でつるつる食べてしまいそう。野菜は、キャベツとタマネギ、薄切りの豚肉が入っているけれど、どれも具材が主張し過ぎません。うどんの良いアクセントになり、小気味良い一体感を醸し出しています。
そして、「天まど」の特徴である半熟の目玉焼き。残念ながら、写真では見えにくいのですが、半熟ぎみの目玉焼きが焼うどんの下に敷かれています。焼うどんのみに比べ、卵黄の濃厚な甘さがソースの染みたうどんに絡まり、優しくもパンチのある味わいが楽しめます。
お持ち帰りも可。シメの一杯は「焼うどん」でいかが?
店主のおばあちゃんに頼めば、「天まど」「焼うどん」のいずれもテイクアウトできます。
子供のおやつにしても良し、軽くお酒を飲んだ後にシメの一杯にも良し。
庶民派な焼うどんの常識を覆す、上品な焼うどん「天まど」。ぜひ福岡にいらっしゃる際は、堪能してみてはいかがでしょうか。
だるま堂の基本情報
- お店 だるま堂(だるまどう)
- 住所 〒802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町1丁目4−17 鳥町食道街
- 営業時間 12:00~18:00
- 定休日 木曜日(時々不定休)