中国の北京からモンゴルのウランバートルまで、長距離バスと夜行列車で1,200kmを横断するプランです。格安料金で移動できるほか、外国でしか実現しない陸路で国境越えも体験できるので、モンゴルに行く際はこの行き方を試してみると面白いかもしれません。
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長距離バスと列車で移動するメリット
北京からウランバートルまでの移動距離は約1,200km。これだけ聞いてもイメージがわかないと思いますが、日本でいえば宮城県から鹿児島県くらいの距離にあたります。そのため飛行機を利用するのが一般的ですが、手間暇かけて長距離バスと列車で移動するのもオススメです。
格安で移動できる
飛行機のフライト時間は約2時間半です。楽に行くならやはり飛行機ですが、料金は一番安いチケットを買っても25,000円以上といったところでしょう。また中国〜ロシアをむすぶ国際列車を利用する手段もあり、こちらは所要時間が31時間で、料金は一番安くて14,000円ほど。週1回の運行です。
一方、長距離バスと列車を使った場合、所要時間は2泊3日とロングトリップになりますが、料金はバスと列車を合わせて約5,000円。ほかのふたつに比べると格安なのが特徴です。
陸路で国境越えが体験できる
日本は海に囲まれた島国なので、日本人にとって陸路で国境越えをするというのは、ちょっと特別な体験ですね。中国側で出国審査が行われた後、バスでモンゴル側に渡り、今度はモンゴルの入国審査が行われます。
このルートはモンゴルの商人が中国へ買い付けに行くときによく使うため、いくつもの大きな荷物をジープに積む様子など、ほかでは見られない独特な雰囲気が漂っています。
車窓からの景色がきれい
モンゴルの国境の街からウランバートルまでは、夜行列車を利用します。列車は夕方の発車になるので、車窓からは夕日に照らされた美しい大地を眺めることができます。また遠くに動物の群れなどを見つけることもできるでしょう。
北京からモンゴルへバスと列車で行く方法
まずは北京のバスターミナルへ
まずは北京の長距離バスターミナル「木樨园长途汽车站」を目指します。最寄駅は「大紅門」で、歩くと15分ほどかかるため、可能であれば駅からタクシーに乗るのが確実です。ちなみに筆者はバイクタクシーを使いましたが、実はこちらはすべて違法営業らしく、ボッタクリもあるので注意が必要です。
これに限らず外国で乗り物を利用する際は、たとえ乗り場に停車しているタクシーであっても、乗車前に料金の確認を行うことをオススメします。街の治安が良くてもタクシーだけは信頼できず、高額請求してくる都市も珍しくありません。
- 木樨園長距離バスターミナル
- 中国 / 駅・空港・ターミナル
- 住所:VC22+99 豊台区, 中華人民共和国 北京市地図で見る
中国側の国境の街「二連浩特(エレンホト)」へ向かう
バスは北京から「二連浩特(エレンホト)」という国境の街に向かいます。国境は歩いて渡れないため、通常エレンホトでモンゴル側の街「ザミンウード(扎门乌德/Замын-Үүд)」に運んでくれる、別のバスに乗らなければいけません。
ですが北京からエレンホト止まりではなく、モンゴル側のザミンウードまで行ってくれるバスもあるので、できるだけザミンウード行きのバスに乗りましょう。出入国審査のためにバスを下車するのは変わりませんが、エレンホトでザミンウード行きのバスを探す手間や、バス乗り換えのための荷物の上げ下ろし、新たな支払いの手間が省けます。
バスはゆったりしていて窮屈さはありませんが、注意点は北へ向かうにつれてかなり冷え込みます。エレンホトへの到着は朝で出国手続きが始まるまでは時間があるので、その間は街で買い物などを楽しめます。そのとき北京と同じ服では寒いので、上着は荷物の中に入れずに手元に用意しておきましょう。
出入国手続きをする
エレンホトでバスを降りて出国審査を行い、再びバスに乗ってザミンウードに向かいます。着いた場所はモンゴルになるので、今度はここで入国審査を行います。これが終われば荷物を受け取り、無事モンゴル入国完了です。
ウランバートル行きの列車に乗る
モンゴル側に入国すると目の前は列車駅になるので、まずは窓口でウランバートル行きのチケットを買いましょう。中国でもモンゴルでも英語はほとんど通じないので、行き先はすべて紙にメモしておくことをオススメします。列車の出発は夕方18時過ぎ、ウランバートル到着は朝の8時45分です。
注意点は列車内にはスリがいるので、貴重品はカラダから離さず持っておきましょう。座席の上にカメラを置き去りにしたままトイレに行くなどは厳禁です。座席の下には荷物が入るようになっているので、すぐに使わないものはここに置いておくと安心です。
おわりに
2泊3日の長距離移動となりますが、この価格の安さは魅力であり、異国の寝台列車で旅の情緒を楽しめます。またモンゴル人はとても親切であるため、いろいろなことを訪ねているうちに友達になれるかもしれません。このような経験は旅にしかない面白さなので、時間が許すならば是非チャレンジしてみてください。