ユーラシア大陸に続き世界第二番目に大きなアフリカ大陸にあって最小国。小国ながら、大西洋から内陸まで続くガンビア川のおかげか、貿易は盛んで、周囲の国に比べて活気あり、潤っているように感じられます。街の中心部は、思わず「フフッ」となってしまう"ある物"が印象的です。
この記事の目次表示
ガンビアの地理と歴史
アフリカ大陸の西端、ガンビア川沿いに位置するこの細長い国は、西に大西洋、その他はすっぽりとセネガルに囲まれたアフリカ大陸最小国です。地図上で見ると、なぜここだけが独立国として存在しているのか不思議ですが、それは歴史を見ると明らかになります。
10世紀ごろ、この辺り一帯はガーナ王国として栄えておりました。13世紀にはマリ帝国となり更に繁栄します。そして、15世紀にポルトガルがガンビア川流域に商業拠点を作ると、16世紀にイギリスが侵略して統治し奴隷貿易の拠点にもなりました。
奴隷貿易が盛んだったころ、西アフリカのほとんどの国がフランス領となりましたが、ここガンビアだけは20世紀にいたるまでイギリス領だったため、この辺りには珍しく公用語は英語(周辺国はフランス語)。英語を公用語とする国は、結局のところ欧米各国の影響力がおよびやすいため、政治や環境、インフラに至るまで周辺国とは変わってきます。西アフリカ各国を旅してガンビアへ入国した人には、明らかな違いが分かると思われますよ。
ガンビアは、ほとんどの日本人がどこにあるかも知らないような国ですが、西アフリカを転々と旅する日本人にとっては、事前のVISA取得も不要で英語も通じ、ほっと一息つける国でもあります。
ガンビアの大きさと人口
世界の大陸で2番目に大きいアフリカの中にありながら、日本の秋田県ほどの面積しかないガンビア。しかも、その面積のおよそ1/10をガンビア川で占められ湿地帯も多く、自然豊かながら人の住める土地はさらに狭くなります。
その狭い土地に、空の玄関口ユンダン国際空港は全長3,600メートル、幅員45メートルの滑走路を持ち、NASAスペースシャトルの非常時代替着陸地としても使用される広さを誇ります。どこか、ちぐはぐな感もありますが、面積も小さければ人口も少なく、国民の数はおよそ200万人程度です。
それでは、ガンビアの主要な観光地をご紹介します。
首都バンジュール
ガンビアの首都バンジュールは、ガンビア川の河口湿地帯先にあるセントメリーズ島に位置しています。超大型船も往来するためか、大型トラックが荷物を多く載せて行き交い、また自動車の輸入が多く、バンジュール中心部以外の幹線道路際には、中古車販売のショップが立ち並びます。それでは早速、中心部へでかけてみます。
アーチ22
バンジュールの入り口にあるこちらのアーチは、1994年に起きた軍事クーデターを記念して建てられました。軍事クーデターは、日本人としてはあまり良い印象に捉えられない面もあり、なぜそれが記念なのか不思議ですね。
アルバート・マーケット
古い歴史のあるアルバート・マーケットは、地元の人々の食を支える大きなマーケットです。食材のみならず、子供のおもちゃや生活用品など、ありとあらゆるものが売られています。後にご紹介するクラフト・マーケットよりお土産物も安価ですので、覗いてみることをお勧めします。
- アルバート・マーケット
- ガンビア / 市場・朝市
- 住所:アルバート・マーケット バンジュール地図で見る
バンジュール・フェリー・ターミナル
ガンビア市民の多く住む「バッラ」というバンジュール対岸の街があり、そこへフェリーが頻繁に往来しています。値段も片道30ダラシ=およそ60円と安価なため、市民の足となっています。奴隷貿易の際に用いられた砦などもありますので、渡って観光するのもよいですね。
- バンジュール フェリーターミナル
- ガンビア / 駅・空港・ターミナル
- 住所:banjul ferry terminal地図で見る
Banjul Central Mosque
ガンビアは、国民のおよそ90%がイスラム教徒です。こちらは比較的新しく、街で一番大きなモスクです。街のあちこちにモスクがあります。
- Banjul Central Mosque
- ガンビア / 社寺・教会
- 住所:Banjul Central Mosque地図で見る
St Mary's church
キリスト教徒は少数派なためか、教会はあまり見かけません。こちらの教会は、バンジュールの街のど真ん中にあるにも関わらずかなり老朽化し、人の出入りする雰囲気もあまりありませんでしたが、建物自体は古くからある有名な教会のようです。
- St Mary's Church
- ガンビア / 社寺・教会 / 教会
- 住所:St Mary's Church gambia地図で見る
何を売ってるのか一目で分かる街
バンジュールは大西洋に面したガンビア川沿いにあり、港を有する商業地として栄えました。人の往来も多く、中心部にはショップやレストランが立ち並んでいる活気ある街です。歩いていると印象的なのは、建物の壁やドアです。よく見ると、絵で描かれています。
売られているもの、提供している食事が壁やドアに直接ペイントされているのです。
店主が描いたのか、このような絵を描く専門の人がいるのかは不明ですが、絵の上手な店もあれば、「・・・」なレストランもあり、店によってペイントに独自性が見られます。
店の名前を文字で書いただけでは、何が売られているか分からないということなのでしょうか?それとも、卸と小売りが共存するこの地域に、多くの船荷が届いた際、大量の商品を宅配しやすいように描かれたのでしょうか。若干、突っ込みどころも多いですが、一目で何屋なのかが分かりますね。
地元の誰に聞いても、なぜ壁やドアにペイントを施すのかについて明確な応えはありませんでしたが、かなり以前からこういった慣習があるようです。
これらのペイントはバンジュールのみではなく、ガンビアの他の都市でも度々見かけました。思わず「フッ」と笑ってしまうような絵もあり、それを写真に収めながら散歩するのも楽しいです。