西に雄大な北アルプス、東に美ヶ原高原など、美しい山々に囲まれている長野県松本市は松本城のお膝元。北アルプスのゲートシティとしても、多くの観光客が訪れる場所です。歴史的な建造物も多く、歩いていると昔の佇まいがどこか懐かしく、心がほっこりと落ち着いてきます。一度は見ておきたい国宝松本城や、明治モダンな開智学校など、城下町の散策スポットをご紹介します。
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一度は見ておきたい!国宝松本城
黒と白のコントラストが美しい松本城。戦国時代の永正年間に造られ、かつては深志城と呼ばれた、長い歴史を誇るお城です。
現存する12天守の一つで、五重六階の天守は国宝に指定されている現存最古のお城です。五重六階を簡単に説明すると、外からは五階に見えるのに、内部は六階という秘密の階が存在するということ。戦国時代ならではの、敵を欺いた造りだったわけです。
大天守と辰巳附檜、月見檜のまとまりは複合式天守と呼ばれ、松本城だけにしか見られない特色のある構造です。明治時代の廃城令により、天守が競売にかけられ、一時は解体の危機にも直面しましたが、地元の有力者たちによって買い戻され、難を逃れることができました。
城内では、階段の傾斜にも注目!斜度が61度という急勾配な場所もあり、上り下りに膝がガクガクしてしまいます。資料展示室には、銃砲類が多く、その仕組みも詳しく展示されるなど、火縄銃全盛の戦国時代に建てられた城の面影が、各所に感じられます。
穴から敵を狙い撃ちする鉄砲狭間が、100以上あることなどもその一つです。反対に天下泰平の世になり、三代将軍家光を迎え、月見をするために造られた月見櫓は、平和になった時代の象徴ですね。
そんな2面性を持つ松本城の荘厳で風格に満ちた姿は、松本観光で決してはずせないスポットです。周辺は松本城公園として整備されており、散策やジョギングにもおススメです。
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- 松本城
- 松本市 / 観光名所 / 城 / 紅葉 / 桜の名所 / ツーリング
- 住所:長野県松本市丸の内4-1地図で見る
- 電話:0263-32-2902
- Web:http://www.matsumoto-castle.jp/
お城の次は、城下町散歩
松本は、城郭を中心に計画的に造られた城下町で、その名残は町名にも多く残り、当時をしのぶことができます。時代をさかのぼったかのような町並みが広がる場所もあるので、ぜひ歩いて散策したい城下町です。
なわて通り
松本城からは歩いて5分、松本駅から歩いても10分とアクセスしやすい場所にあります。縄のように長い土手からなわてと呼ばれるようになったこの通りのシンボルは、カエル。カエル大明神など、街のあちこちでカエルのオブジェが迎えてくれます。
懐かしい玩具や駄菓子、地元の名産や特産品を扱うお店が50軒ほどつらなっており、お土産探しにも楽しい通りです。
中町通り
縄手通りとは女鳥羽川を挟んで対岸にある中町通り。白壁と黒なまこ壁の土蔵が立ち並び、懐かしい風景が続きます。
西から東へ抜ける善光寺街道沿いにあり、江戸の昔には酒造業や呉服業など数多くの問屋で賑わったこの通りは、 現在では民芸店やお洒落な工芸店、隠れ家的カフェなどが点在します。
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- 中町通り
- 松本市 / 町・ストリート
- 住所:長野県松本市中央地図で見る
- 電話:0263-36-1421(中町商店街振興組合)
- Web:http://nakamachi-street.com/
レトロモダンな旧開智学校
旧開智学校校舎は、遡ること明治6年に、第二大学区第一番小学開智学校として開校しました。現在保存されている校舎は、明治9年に新築され、昭和38年まで実際に使われていた国内でも最古の学校校舎の一つです。また、校舎は明治時代に流行した和洋折衷の擬洋風建築で建てられており、重要文化財にも指定されています。
工事費は当時の金額で約1万1千円。現在の価値に換算すると約2億2千万円もかけられています。このうち7割は町民の寄付だったそうですから、松本の人々がどれほど子どもたちの学問に力を入れようとしていたかが伺えます。
モダンで美しい校舎内も見学可能で、現代までの教育資料が展示されています。校舎内も明治時代の情緒をたっぷりと感じられる華やかな校舎です。
角が丸くなって傷だらけになった机と椅子を見ていると、子供たちの声が聞こえてきそうな気がします。
- 休業中
令和3年6月から3年かけて耐震工事を行うため休館中。再開館は令和6年11月以降を予定しています。
- 旧開智学校
- 松本市 / 建造物 / 観光名所 / 歴史的建造物
- 住所:長野県松本市開智2-4-12地図で見る
- 電話:0263-32-5725
- Web:http://matsu-haku.com/kaichi/