写真:Olive長崎孔子廟は、長崎の人気観光スポットの一つです。加えて日本三大孔子廟の一つであり、唯一本格中国様式の霊廟です。その孔子廟で本格的かつ美しい中国建築に触れ、門外不出の秘儀・変面ショーも見てみませんか?
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長崎孔子廟とは?
長崎孔子廟は、「パスポートなしで入れる中国」とも言われる場所。それは、長崎孔子廟の土地の所有権を、中国政府が持っているからだそうです。1893(明治26)年に中国清国政府と在日華僑の人々よって、東山手の外国人居留地に建造されました。
孔子廟は、東京、栃木、佐賀などにも存在していますが、その中でも長崎孔子廟は、日本で唯一中国人が建造した本格的な中国様式の霊廟として知られています。孔子廟は、『論語』で知られる儒学の創始者・孔子の遺品が納め祀られています。一歩足を踏み入れると、そこは彩り豊かな極彩色に覆われた伝統的な建築物が広がり、厳かでありつつ華やかな雰囲気に包まれています。
長崎孔子廟のみどころ
長崎孔子廟は建設後、幾度かの工事を経て現在の姿になっています。まず目に飛び込んでくるのが儀門(ぎもん)と呼ばれる聖廟の内正門。天に向かって反り返るオレンジ色の瓦屋根の存在感に圧倒されます。
屋根の上には、中央に太陽や月などに表現される赤い玉があり、龍や鳳凰(ほうおう)、麒麟(きりん)などが生き生きと表現されています。中国の廟では3カ所以上の奇数で出入口が作られ、中央は神様と皇帝以外の通行は禁止されています。通常は閉じられている門ですが、開いている場合は一般の方も自由に通って良いそうなので、そんな機会に恵まれたら、かなり幸運ですね。
儀門を抜けると左右に回廊が続き、その奥に威風堂々とした大成殿(だいせいでん)がたっています。大成殿は、原爆の爆風にも耐えてきた、霊廟内で一番歴史が古い建物です。中には、国内最大の孔子坐像が祀られています。
儀門と大成殿との空間には、72賢人と呼ばれる等身大の像がずらりと整列しています。孔子の弟子の中でも特に優れていた72人で、六芸に秀でた賢人です。六芸とは、礼(礼儀)、楽(音楽)、書(文学)、数(数学)、射(弓術)、御(馬車の運転)のこと。一人一人同じ顔はなく、荘厳な雰囲気が漂います。この72賢人はもちろんのこと、ここで使用されている琉璃瓦(るりがわら)や、敷き詰められた石畳などの資材は全て中国から取り寄せられたものです。大成殿の奥には、中国歴代博物館があり、中国各地の博物館から貸与された国宝クラスの美術品などが見られます。
長崎孔子廟で中国の伝統芸能「変面」を見よう
変面(へんめん)とは?
映像などでご覧になった方も多いと思いますが、煌びやかな衣装に身を包んだ演者が、一瞬にして顔を変えるパフォーマンスです。演技中に顔を変えるのは、1度や2度ではなく、10種に及ぶこともあるのです。門外不出、国家機密などと言われる変面ショーを長崎孔子廟で見ることができます。
変面の歴史
変面は、中国の四川省を中心に発展した川劇(せんげき)という地方劇の中で生まれた伝統芸能です。女性のような顔立ちを隠すために面をつけて戦った王の話や、金持ちから金品を盗んで貧しい人々に分け与えた盗賊の話など、そのストーリーを表現するために、お面を変える技術が開発されたのです。初めは、紙に数枚の違う顔を書き、顔に重ねて貼り、一枚ずつはがしていたそうです。そこから技術は進化し、生地や印刷の技術で変面のマスクも進化していきました。
長崎孔子廟での変面ショー
長崎孔子廟では、毎月変面ショーが開催されます。曜日などは一定しておらず、その月によって開催日もまちまちです。開催される日は、毎回午後14:30からで、公演時間は10分程度になっています。開催場所は、孔子廟内の広場で座席などはありません。入場料のみで観覧料は無料です。3カ月ごとに開催日程が発表されるので、ご覧になりたい方は、公式サイトをご覧ください。
この記事を書いたライターより一言
筆者が訪れた日の変面ショーの演者は、なんと小学生か中学生ぐらいの子供でした。「えっ?子供?」と戸惑った思いは、華麗に踊る姿を見て、すぐに消え去りました。瞬きをしないよう目を見開いていても、追いつけない一瞬の出来事に、「お見事!」と叫びたくなります。ありそうでいて、なかなか見る機会のない変面ショーを見ることができて、とても楽しかったのでご紹介させていただきました。(olive)

- 長崎孔子廟
- 長崎 / 博物館 / 観光名所
- 住所:長崎県長崎市大浦町10-36地図で見る
- 電話:095-824-4022
- Web:https://nagasaki-koushibyou.com/






































