【奈良県】町屋カフェも楽しい！江戸時代の雰囲気残る今井町を散策

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• 今井町とは
• 歴史を感じる町屋や寺院を眺めながら散策しよう
•    酒造業を営む河合家（河合家住宅）
•    今井町の自治を担った今西家（今西家住宅）
•    今井の発展を支えた中核寺院「称念寺」
• 今井町の町屋カフェでランチやコーヒーを楽しむ
•    庭の見える町家カフェ「珈琲　さとう」で手作りケーキやコーヒーを
•    築100年の古民家カフェ「ハックベリー」のランチ
• おわりに

今井町とは

• 写真：ゆきたか

市役所や飲食店などが集まる橿原市の中心市街から少し西に歩くと、それまでとは違った雰囲気の、古い町並みが見えてきます。これが、今井町と呼ばれる伝統的建造物が残る地区です。

今井町には、現在もほとんどの町屋が、江戸時代の姿のまま大切に保存されており、平成5年には、文化庁より「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けています。東西約600m、南北約310mにもおよぶ地区内には、約500棟の伝統的建造物があり、全国で最も重要伝統的建造物が多い地区となっています。

歴史を感じる町屋や寺院を眺めながら散策しよう

ここでは、今井町にある多くの文化財のうち、二つの町屋と、町の発展を支えた寺院を紹介します。かつて「大和の金は今井に七分」と言われるほど栄えた今井の町。その様子を想像しながら歩いてみてください。

まず、今井まちなみ交流センター「華甍」で町の歴史について学ぶと、より興味を持って散策できますよ。

酒造業を営む河合家（河合家住宅）

• 写真：ゆきたか造り酒屋として歴史ある河合家。現在の屋号は「河合酒造」

河合家は古くから「上品寺屋(じょうぼんじや)」という屋号で酒造業を営んできました。江戸時代初期頃に、近くの上品寺村から今井に移住し、現在も造り酒屋も営んでいます。

18世紀中頃に建てられた建物で、外観は白漆喰塗籠め（しろしっくいぬりこめ）で仕上げ、丸窓を設けたすぐれたデザインとなっています。二階には座敷などもある立派な町屋は、経済発展の中で富を蓄えた、いわゆる豪商の一部であったことを感じさせるものです。

建物内ではこちらで造っている日本酒「出世男」の試飲、購入ができます。縁起の良い名前のお酒は、プレゼントにも良さそうですね。日本酒をあまり飲まないという人には、酒ケーキがおすすめです。出世男の大吟醸を贅沢に使用した香りのよいパウンドケーキは、女性にも喜ばれますよ。

今井町の自治を担った今西家（今西家住宅）

• 写真：ゆきたか

今西家は、今井の町役人の中心的存在でした。領主、代官の町人を支配し、自治権が委ねられていたそうです。建物は慶安3年（1650年）の建築で、外観は先ほどの河合家と同様の白漆喰塗籠めとなっています。

• 写真：ゆきたか

今西家住宅を西側から見ると、このように非常に立派な城郭風であることが分かります。内部は広い土間や、六間取りの居室と、別棟の角座敷があります。事前予約が必要ですが、住宅内を見学をすることもできます。詳細は、今西家保存会のホームページをご覧ください。

今井の発展を支えた中核寺院「称念寺」

• 写真：ゆきたか称念寺の太鼓楼

今井町は、寺院の境内地を中心に発展した、寺内町です。その中核となるのが称念寺で、今井御坊、南之御堂とも呼ばれています。

17世紀初期頃に建てられた本堂は、入母屋造本瓦葺の大きな屋根を持つ、非常に立派なものです。(2017年6月現在修復工事中です。）境内には他に、鐘楼、太鼓楼、客殿、庫裡、対面所などがあります。

写真は、橿原市指定文化財の「太鼓楼」です。太鼓を備えて鳴らすための建物で、18世紀中期頃の建築とされています。重層の建物は、上層が入母屋（いりもや）造りで、南側には花頭窓（かとうまど）が設けられています。

今井町の町屋カフェでランチやコーヒーを楽しむ

今井町には、古い町屋を改装したカフェや食事処がいくつかあります。隠れ家のような町屋カフェでコーヒーやランチを楽しんで、存分に非日常の気分を味わってみてください。

庭の見える町家カフェ「珈琲　さとう」で手作りケーキやコーヒーを

• 写真：ゆきたか

「珈琲　さとう」は、築200年以上にもなる建物を改装した、町屋カフェです。店内では、サイフォンでいれたコーヒーや手作りのケーキがいただけます。

• 写真：ゆきたか

店内はとてもきれいに改装されており、築200年とは思えないほどです。しかしガラスの引き戸や縁側から見える中庭など、古民家の雰囲気も残っています。中庭は、和室や縁側の席からよく見えます。

• 写真：ゆきたか

コーヒーは、モカ（430円）、マンデリン（430円）や季節のブレンド（400円）など数種類が用意されており、サイフォンでいれて席まで運んでくれます。自家製のチーズケーキ（380円）とともに楽しむのもおすすめです。

筆者が訪れた日は、ガトーショコラも用意されていました。サイフォンでいれたコーヒーは、豊かな香りとさっぱりとした後味が特徴で、甘さ控えめながら濃厚な味わいのケーキとも好相性です。

築100年の古民家カフェ「ハックベリー」のランチ

• 写真：ゆきたか

今井町の入口にある「ハックベリー」は、築約100年の古民家を改装したカフェです。ランチでは女性にも人気のある「絶品アボカド丼」などの洋食メニューがいただけます。

• 写真：ゆきたか

店内は、外観から想像するより広い空間です。天井部分の太く古い柱や梁が、歴史を感じさせます。中二階の席は隠れ家のような雰囲気です。

• 写真：ゆきたか

筆者はランチメニューの中から、絶品アボカド丼（950円）を選びました。スープとサラダがついており、この日のスープは鳴門金時のポタージュです。

• 写真：ゆきたか

こちらが絶品アボカド丼です。ご飯の上にアボカドが丸ごとたっぷりと盛り付けられており、まわりには厚切りのベーコンが巻かれています。自家製の照り焼きソースをかけて、中に入っている温泉卵をからめていただきます。

クリーミーなアボカドにとろっとした温泉卵、少し甘めの照り焼きソースが混ざり合う、まろやかな味です。カリッと焼かれたベーコンと一緒に食べると、また味の変化が感じられ、美味しくいただけます。

他にも自家製ハンバーグステーキ（980円）、ビーフストロガノフ（980円）などがいただけます。自家製ケーキ（400円代から）もありますので、ティータイムにも利用してみてください。

おわりに

今井町は、奈良市の奈良町と比べると、観光客は少なめです。しかし、見どころは多く、町並みの写真を撮ったり、建物の見学をしながらゆっくりと散策したい人にはおすすめです。文化財に興味がないという人も、町の中を歩いてカフェに立ち寄ったりすると、意外と楽しめるものですよ。