兵庫県西宮市の球場といえば甲子園が有名ですが、かつて西宮市にはもう一つ球場がありました。阪急ブレーブスから現在のオリックスが本拠地としていた、イチローもプレイしたことのある「西宮球場」です。今ではショッピングモールとなったその一角に、球場を再現したジオラマがあります。野球ファンじゃなくても楽しめる小さな野球場を、西宮球場の思い出と共にご紹介します。
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西宮球場とは
1937年に開場し、パ・リーグに所属していた「阪急ブレーブス」の本拠地となった球場です。日本で初めての、二階席のある球場でした。
阪急ブレーブスからオリックスブルーウェーブとして「神戸グリーンスタジアム」に移転するまで、少しの間オリックスの本拠地でもありました。イチローもここでプレイしていたんですね。
プロ野球が去った後も、しばらく競輪などを中心に使用されていましたが、2002年に閉場。現在は「西宮ガーデンズ」という阪急百貨店を中心としたショッピングモールに変身しています。
西宮ガーデンズ・スカイガーデンに残るホームプレート
西宮北口駅前にある西宮ガーデンズ。たくさんのショップやレストランでいつもにぎわっています。
西宮ガーデンズ内はかつての球場を思わせる広々とした吹き抜けで、全体的に解放感がある空間になっています。映画館もあって、レストランはいつも行列の大人気。
西宮ガーデンズの4階には、外でくつろげるエリア「スカイガーデン」があります。イベントスペースや庭園、噴水などがあって、いい季節のいい天気の日には、子供たちの絶好の遊び場でもあります。ベンチでのんびりするにも、もってこいの場所。
その一角の非常に目立たない場所、イベントスペースの囲いの影の地面に、ポツンと野球のベースの形が。
この場所が、かつての西宮球場のホームベースがあったところです。ピッチャーズマウンドもほしいところですが、ピッチャーズマウンドは壁の中ということになってしまったみたいです。
いつまでも見ていたいジオラマ
4階映画館の隣にある、こじんまりしたスペース「西宮ギャラリー」の中に、阪急ブレーブスと西宮球場を忍ばせる品々が展示されています。ほんと、小さいスペースです。見学は無料です。
こちらの西宮球場を再現したジオラマは、かなり精巧にできていると評判です。球場の中では、選手たちがプレイの真っ最中です。
また球場の中にはカメラが設置されていて、ジオラマ側のボタンを押すと、カメラがゆっくりと回転して球場の中を映し、球場のお客さん目線を楽しむことができます。
球場側の阪急西宮北口周辺もかなり細かく再現されています。このあたりの球場周辺は、かつての震災でほぼ壊滅状態になった場所です。ですから当時の面影があるものはほぼ残っていませんね。みごとに変身復活を遂げたという感じです。
かつて西宮球場があった際には、この道をまっすぐ進み、突き当りが球場の入り口でした。当時はわくわくしながら野球場に向かうお客さんたちで溢れていました。この広い道は今も健在で、西宮ガーデンズの入り口もこのジオラマとまったく同じようにこちら側を向いています。
こちらは当時の西宮北口駅です。電車は今も変わらない形と色。一時期色を変えようという案が出たのですが、反対意見があまりにも多くて断念したそうです。電車好きの人が見ても楽しいと思います。
阪急ブレーブスの思い出
当時パ・リーグは在阪球団が多かったのですが、阪急ブレーブスの強さは群を抜いていました。阪急ブレーブスに所属していた選手たちで、今では解説者や監督、コーチになられている方々がいっぱいいますね。
阪急ブレーブスで殿堂入りした選手たちのレリーフも展示されています。さすがに全部の方々は分からないかもしれませんが、チラホラと知ってる人もいると思います。
こちらは関西で人気の解説者「福本豊」さんと、当時の阪急ブレーブス名物監督で近年亡くなられた上田監督のレリーフです。
今も昔も変わらない空気
震災が起こったその年、「がんばろう神戸」をスローガンに、見事に優勝してくれたオリックス。彼らが去ってから、西宮球場は一時期寂しい場所になりました。
「やっぱり壊されるらしいわ」
「何できるんやろ」
「そりゃマンションちゃうかなあ。駅前やもん」
というのが、当時の西宮市民の会話でした。
しかし球場跡地にできたのは、球場を思わせる巨大なショッピングモール。関西でも大人気のエリアになったこの場所「西宮ガーデンズ」は、かつて球場にたくさんのお客さんが足を運びにぎわったそのままに、今日も活気に満ちています。
- 阪急西宮ガーデンズ
- 西宮市 / ショッピングモール / ショッピングモール・デパート
- 住所:西宮市高松町14番2号地図で見る
- 電話:0798-68-6666
- Web:http://nishinomiya-gardens.com/