世界的にも有名な画家「横尾忠則(よこおただのり)」氏の美術館は、神戸市灘区にあります。通りを隔てて動物園と文学館が並ぶ静かな場所にありますが、外の穏やかさとは裏腹な、情熱に満ちた異形ともいえる絵画の世界が広がっています。独特な画風で人気の横尾氏の作品を思う存分堪能しましょう!
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横尾忠則現代美術館
阪急電車「王子公園」駅を降りると、真ん前に「王子動物園」があります。道沿いにまっすぐ6~7分歩くと、通りを挟んで横尾忠則現代美術館はあります。
2012年に開館した、まだ新しい美術館です。入館料は、大人700円、大学生550円、70歳以上の方が350円、高校生以下は無料です。
2018年2月24日(土)~5月6日(日)は「横尾忠則の冥土旅行」というテーマで展覧会を行っており、今回はそのご紹介です。
横尾忠則氏のあの世とこの世の絵
横尾忠則氏は、兵庫県出身の美術家であり、イラストレーターであり、グラフィックデザイナーでもあります。
筆者が「横尾忠則」という存在を知ったのは、実は絵を見たからではなく書籍でした。病やあの世のことが書いてあるにも関わらず、実にユーモラスな本でした。
横尾氏は戦争を経験された世代ということもあって、あの世とこの世や「死」について特別な思いや考え方をお持ちになっているようです。
それが横尾氏の絵のテーマの一つともなっているのですが、今回の展覧会のテーマ「冥土旅行」は、まさにこの横尾氏の頭の中のイメージが色と形になって現れたことを実感させられます。
展覧会「横尾忠則の冥土旅行」
「冥土旅行」
嬉しいことに、今回の展覧会に限って写真撮影が許可されています。ただ、一つの作品を集中して撮る一点撮りはダメで、あくまでも景色として撮るようにとのことでした。
横尾氏の作品の独特なインパクトの中でも「赤」は強烈な印象を残します。この赤は横尾氏が少年時代に見た空襲の色なのだそうです。
「死後の世界」というものを一つのテーマとされてきた横尾氏の、画の中の赤はあの世とこの世を分ける特別な意味を持っている色なのですね。
この作品の分かれ道は横尾氏のふるさとに実際にある道です。
「謎の女」
シリーズとして描かれている謎の女たちがズラリ。顔の部分がわざと描かれていない不思議な肖像画です。
今回初めて知ったのですが、横尾氏のふるさと西脇市は「播磨織り」という織物の産地です。横尾氏の実家は呉服商を営んでいました。その呉服につけられていたラベルの絵が、この謎の女シリーズの元になっているのだそうです。
色彩が鮮やかすぎて、ピカピカの床に映ってます。
美術館の1階はおしゃれなミュージアムショップとカフェ
美術館の1階は、横尾忠則絵画をモチーフにしたいろいろなグッズがたくさん並んでいます。奇抜な色合いが多い作品なので、グッズになってもすごくカラフルでおしゃれ!
また併設しているカフェ「ぱんだかふぇ」でくつろげます。おそらくこのネーミングは動物園にちなんでのことだと思われます。
サンドイッチを注文したところ、ものすごく巨大なパンがでてきました。みなさんほとんど野菜がいっぱいのカレーを食べられていました。ランチは日替わりのようです。
このカフェでは、横尾忠則作品をモチーフにした食器を使用しています。ミュージアムショップにて同じものを購入できますよ。
こちらは、コースターセットの中の一つです。
カフェの中には横尾氏の画集や本が置いてあり、閲覧可能です。