四方を山に囲まれた静かな集落に、「奥播磨かかしの里」はあります。村人と見間違ってしまうくらい、かかしが山郷の風景と一体化しており、気持ちよくのんびりとしたとても美しい場所。自然に溢れた静かな村の人たちと、かかしさんたちの暮らしの中にお邪魔します。
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姫路の奥の山深く「かかしの里」はあります
姫路市街は新幹線の停車駅でもある大都会。大通りをまっすぐに行くとあの有名な姫路城もありますね。そこから、車で一時間近く走った所に「かかしの里」の住所安富町関地区の集落はあります。
まわりはすべて山、山、山。季節も春を迎え吸い込まれるような緑に囲まれます。これ以上の森林浴はないくらい。標高915mの雪彦山の麓にあり、県道もここで終点というこの集落は住民が十数人という過疎の村。
町おこしとして「ふるさとかかし」を制作されたのは、岡上正人氏。「日本の原風景とかかしたちによって心を癒してもらいたい」という思いが込められています。町おこしといえどもここは観光地ではなく、すごい観光施設があるわけではないので、みなさんが普通に暮らしている所。見学させていただくという気持ちを忘れないようにしなければいけません。
本物の人間と見間違える、等身大のかかし達
県道に突然現れるかかしさん。このように関地区が近づくにつれ、県道にちらほらとかかしさんたちの姿が現れはじめます。等身大なので、一見「人?」と思っても無理ない感じです。
ふと振り向くと、じいちゃんと孫が虫とり?魚とり?
消防団の方々がお仕事中。
バスを待つばあちゃんたち。こちらはかかしさん専用のバス停ですが、以前本物のバス停にもいらしたそうで、「まぎらわしい」とバス会社に撤去を言い渡されたのだそうです。このクオリティですもの、無理ないかもしれませんね。
この後姿に、声をかけてしまった人がいっぱいいるそうです。
会話が聞こえてきそうです。
畑仕事をいったん休憩。腰を伸ばして「あー、疲れたあ」。
じいちゃんは日陰でお昼寝。ほんと気持ちよさそう!
かかしの里には里親制度というものが存在します。他の地域の人がかかしの里親となり、かかしを預かり、店舗や施設で一般公開する制度だそうです。関西を中心に、あっちこっちでかかしさんたち活躍中なのです。
かかしの里で最も人気があるのは「かかしの教室」
かかしの里にあるかかし達の人気度をはかる「人気かかしランキング」で、堂々のトップを誇るのが「かかしの教室」のかかし達。かかしの里にある展示の一つですが、あいにくこの日は担当の方が不在だったため窓が開けられておらず、ガラス越しに見るだけでした。
筆者が訪れたは日は参観日だったようです。にもかかわらず後ろを向いてしゃべっている子も。あまりにも生き生きした教室の中は、見ている誰もがおもわずほほえんでしまいます。
特別イベントはひなまつり
かかしの里では、ひなまつりのシーズン特別イベントが開催されます(2020年は4月5日までの開催)。建物の中に等身大のおひなさまとそれを祝う村のかかしたちのお祝い風景は圧巻です。
おひなさまのお祝いをバックに、ばあちゃんたちが談笑中。
子供たちもみんなで集まって楽しそうです。
現在この村に住むかかしさんたちは130名いらっしゃるそうですが、この他に、ひな祭りなどのイベント用のかかしさんは85名で、ふだんは倉庫に入っているとか。さらに、この他に里親かかしさんが169名ということで、出張されている人数がかなり多いのですね。
ひたすら美しい山と緑と水と空気
かかしさんたちに教わったのは昔どこにでも存在した美しい里山と、緑と水に囲まれた圧倒的に美しい日本の風景。そしてかかしさんたちの姿もどこにでもいる普通の人たち。かかしの里を訪れた後には、この里山が、ただの山でなくなってしまわないようにという思いが芽生えるかもしれません。
- 奥播磨かかしの里
- 姫路市 / 町・ストリート / ドライブスポット / 穴場観光スポット / ツーリング
- 住所:兵庫県姫路市安富町関地区 集落一帯地図で見る
- Web:http://www.furusato-kakashi.net/