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【滋賀】新旧のビジネスを旅する「日に新た館」と「近江日野商人館」

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:43都道府県

2019年7月30日更新

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写真:熊猫

滋賀県蒲生郡は日本のビジネス界を常にリードしてきました。今回紹介する「日に新た館」では最新のマテハン・ロジスティクスを、「近江日野商人館」では古くから伝わるビジネス戦略に触れることができます。新旧のビジネスを体現するこれら2つの展示館は、ビジネスマン必見です。

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最新のロジスティクス技術を展示「日に新た館」

  • 写真:熊猫「日に新た館」の入口風景。

滋賀県蒲生郡にある「日に新た館」は、マテハン・ロジスティクスのトップ企業、株式会社ダイフクの技術が結集された総合展示場です。延床面積19,482㎡の広大な建物の中には、同社とその関連会社約40社を含め、150種類、400点に及ぶマテハンの機種が展示されており、まさに世界最先端の技術を見学することができます。

説明案内は日本語をはじめ、英語・中国語・韓国語の4か国語。マテハン・ロジスティクスの技術を広く理解することができるでしょう。ネット通販が主流となった現在、それを支えているのがマテハン・ロジスティクスです。迅速な流通が可能になっているのは、この最新技術のおかげといえます。

マテハンとは

マテハンとは、「マテリアル・ハンドリング」の略称で、物流業務を効率化するための機械作業という意味です。例えば、工場でモノを生産する際は原材料の調達から、製造、そして完成品の出荷が必要で、あらゆる作業に移動が求められます。

こうしたロジスティクスを最新の「マテハン」技術でソリューション(=解決)していくことが、近年のグローバル流通の趨勢(すうせい)であり、これを指して「マテハン・ロジスティクス」と呼ばれています。

古くは台車やパレット、フォークリフト、コンベヤーなどが一般的なマテハン・ロジスティクスでしたが、近年はIT化やAIの発達が進み、あらゆる行程で無人化が進んでいます。以下では、「日に新た館」で見学することができるマテハンの一部をご紹介します。

自動車の組み立てシステム

  • 写真:熊猫自動車組み立てラインの一部始終を見学することができます。

実際の自動車組み立てシステムを再現し、実機によるデモンストレーションが行われています。クルマのボディ、エンジン、部品など、一連の組み立て工程を見ることができます。

時代の最先端をゆく自動倉庫

  • 写真:熊猫最新技術で保管や管理を行う自動倉庫。

インターネット通販が当たり前の時代になり、通販を提供する企業は倉庫の大型化に加え、迅速な出荷体制が求められています。そんな情勢に合わせて工場や卸・小売業の配送センター、流通倉庫などが続々と倉庫を自動化するなど、現代の倉庫は急速に進化を遂げています。

こちらの自動倉庫では、膨大な在庫の中から必要な商品を迅速にピッキングし、出荷体制を整えるなど、目覚ましい流れを目の当たりにすることができます。

近未来を体感できる空港を再現

  • 写真:熊猫2階は最新の空港向けシステムを展示。

セキュリティ強化に加え、人手不足と迅速性が求められる近年の航空会社の空港業務。画面表示に従って搭乗者自身が手荷物を預けるセルフ手荷物チェックインシステムや、無人搬送車を活用した手荷物検査システムといった未来の空港向けシステムを実際に見ることができます。まるで本当に空港にいる様な気がしてきますよ。

最新技術で作られた未来のお墓

  • 写真:熊猫未来のお墓を提案。最新技術がお墓を新たな姿に変えました。

死者供養の変化や土地不足によるお墓問題をソリューションする、新型納骨堂も展示されています。マテハン技術を用いた搬送式の納骨堂によって屋内にお墓を設け、故人の生前の動画などが流れる工夫が施されています。最新の技術で作られた未来のお墓に、きっとあなたは驚くでしょう。

見学にあたって

開館日は原則祝祭日を除く月曜日~金曜日(年末年始やゴールデンウィークの休館日あり)で9時から17時までオープンしています。見学に当たっては事前の予約が必要で「日に新た館」のホームページから申し込むことができます。入館料は一人1,000円。JR近江八幡駅、JR米原駅からそれぞれ無料のシャトルバスが出ています。

日に新た館
滋賀 / 博物館 / 穴場観光スポット
住所:滋賀県蒲生郡日野町中在寺1225, 日に新た館地図で見る
Web:https://www.daifuku.com/jp/showroom/hiniaratakan/

歴史民俗資料館「近江日野商人館」

  • 静岡県御殿場に出店して成功した山中兵右衛門の名家が現在の近江日野商人館となっています。

「日に新た館」からクルマで約15分の場所に「近江日野商人館」があります。近江日野商人の一人、山中兵右衛門(やまなかひょうえもん)の自宅が、近江日野商人の資料館として開放されているものです。

昭和11年に建築された邸宅は、典型的な日野商人の本宅の特徴をそのままに、館内には行商品や道中具、家訓などを展示。400年におよぶ近江日野商人の歴史と商法を今に伝えています。入館料は大人300円、小中学生120円。月・火曜日(祝日の場合は水曜日)・年末年始が休館日です。

近江日野商人とは

  • 館内には行商品や道中具、店頭品や家訓などが展示されています。

近江商人とは、現在の滋賀県出身の商才に長けた商人(あきんど)のことです。古くは鎌倉時代から、天秤棒1本で全国を行脚して財をなした商人が、この近江からたくさん世に出ていきました。

近江といっても、その地域によって商人の特性は異なっていました。近江商人は主に高島商人、八幡商人、日野商人、湖東上人の4商人に分けることができます。その中で日野商人は蒲生郡日野を中心に特産品である日野椀や医薬品の行商を行ってきた商人です。その商売は「日野の千両店」と呼ばれ、北関東を主とした地方都市に、多くの小型店を出店したといわれています。

近江日野商人館
滋賀 / 歴史的建造物
住所:滋賀県蒲生郡日野町大窪1011地図で見る
電話:0748(52)0007
Web:http://www.town.shiga-hino.lg.jp/category_list.php...

まとめ

今も昔も滋賀県蒲生郡は、日本のビジネス界における重要な地であることに変わりはありません。古くは近江日野商人の心意気とビジネス戦略、そして今は最新の技術を駆使し、国内だけにとどまらず世界に羽ばたく最新のマテハン・ロジスティクス技術を目の当たりにすることができます。まさに新旧のビジネスを体現する2つの展示館。足を向けてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたトラベルライター

さすらいびと
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「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いてみせるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって…。その夕日を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」 星野 道夫「旅をする木」(文春文庫)より
https://blog.goo.ne.jp/kumaneko71

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