早稲田大学に通う学生たちが闊歩する早稲田通りの馬場下町交差点に、穴八幡宮(あなはちまんぐう)があります。江戸城北の総鎮守となった神社で「一陽来復(いちようらいふく)」というお守りを頒布(はんぷ)しており、冬至にはそのお守りを求める人で深夜から行列ができるほど。そんな穴八幡宮についてご紹介します。
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金銀融通のお守り「一陽来復」
一陽来復(いちようらいふく)とは、太陽の光が最も地上に届きにくい「陰」極まる冬至の日に「一陽」を招くことで、太陽のチカラの回復を願うという意味を持ちます。
江戸時代には、農作物の収穫ができずにお金繰りがとどこおって「陰」極まっている冬の時期に、この「一陽来復」で「一陽」を招くことで、春に向かうにしたがって種が芽吹き、葉をつけ、花が咲き、稔って収穫できるという願いが叶うとされていたそうです。
そんな一陽来復のお守りは、現代では金銀融通、資金調達のご利益があるとされており、今も変わらずありがたい存在です。江戸時代から変わらず冬至から翌年の節分にかけて頒布されており、冬至当日は寒い中徹夜組までいるという人気です。
「一陽来復」の頒布概要
- 2020年の頒布時期:2020年12月21日~2021年2月2日 ※12月21日5:00~21:00、12月22日~12月31日8:00~19:00、2021年1月1日~2月2日9:00~17:00
- タイプ:壁に貼るお守り(800円)、お財布などに入れる懐中守り(400円)
- 購入したお守りを祀る日時:冬至、大みそか、節分の深夜12:00
※2020年は新型コロナの感染拡大が懸念されますが、通常通り頒布されます。各自がしっかり消毒・マスクで予防しましょう。毎年穴八幡宮を訪れているが、遠方在住で参拝を自粛したい方は、社務所連絡先にご相談ください。お守りの祀り方、祀る場所などの説明書きがお守りと一緒に渡されるので、それに従ってお祀りしましょう。
穴八幡宮に金運・開運のご利益があるワケ
穴八幡宮がその名を冠するようになったのは、創建から600年ほど経った1641年の事。境内に宮守宅を建築するために地面を掘り起こすとそこに穴があり、その中から黄金の御神像が見つかったとのこと。そのことをきっかけに、時の将軍・徳川家光によって城北の総鎮守として定められたという由来があります。
以降徳川家の尊崇が篤く続き、黄金を生むお宮として庶民からの信仰も集めました。早稲田通りの東には神楽坂という坂がありますが、穴八幡宮の祭礼に奏されたお神楽からその名がついているとも言われています。庶民に愛されてにぎわったことが垣間見られますね。
富と繁栄、金運財運の上昇、人格円満の象徴とされる布袋様がいるパワースポット!
境内には、七福神のなかの1柱、布袋様がご鎮座しています。家光が当社を城北の総鎮守として社殿を造営した際に、江戸城吹上の庭にあったこの布袋像を遷座した当時からのものということで、この水鉢は新宿区の指定有形文化財にもなっています。
富と繁栄、金運財運の上昇、人格円満の象徴とされる布袋さまはすごく優しいお顔をされていて、おもわずなでなでしたくなります。ここは穴八幡宮最強のパワースポットと言えるかもしれません。
ちなみに七福神とは「大黒天」「毘沙門天」「恵比寿」「弁財天」「福禄寿」「寿老人」「布袋尊」という福の神のことです。七福神を参拝すると七難を免れ、七福をよぶということで室町時代の末期から人気を集めたそうです。
都内の強力パワースポット
以上、穴八幡宮の不思議な話や、「一陽来復」のお守りの引き寄せ力、パワースポットとして愛されていることなどお伝えしました。「一陽来復」のお守りは、ぜひいただきたいですよね。できれば、冬至の日、年末年始、節分の日や土日以外の日に三密をさけて参拝しついただきたいものですね。