ウズベキスタンの西部、オアシスの町として古代から栄えてきたヒヴァ。17世紀にはホレズム地方の中心都市となりました。外側と内側の2重の城壁に囲まれたエリア、イチャン・カラ(Ichan Qala)は世界文化遺産に指定されています。砂漠のオアシスらしい黄褐色のレンガと青や緑のタイルが調和したモスクやメドレセ(神学校)は必見!急げば半日で回れるようなコンパクトな街ですが、せっかくなら少し余裕をもって、アースカラーのかわいい街をのんびり歩いてみましょう。
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イチャン・カラを代表する2つのミナレット
散策は城壁の西門からスタート。イチャン・カラ内の主要なスポットに入れる共通入場券(15USD/日本円で約1,700円、2017年5月現在)もここで購入できます。
門をくぐれば、土産屋さんが並ぶメインストリートです。シルクロードの商人の賑やかな喧噪が聞こえてきそう。
カルタ・ミナル
西門から続くメインストリートは、イチャン・カラのほぼ真ん中を東西に貫いています。おもな見どころはメインストリート付近に集まっています。まず右手に見えるのは、カルタ・ミナル。
1852年に着工されたものの、26メートルのところで建設が中断された「未完」のミナレット(礼拝を呼びかける塔)。完成すれば70メートルにもなる予定だったそうです。
空の色に負けないくらい美しい青をベースに、茶色、緑、白のタイルでパターンが描かれています。もし完成していたら、どれほどすばらしいものになっていたことでしょう。
イスラーム・ホジャ・ミナレット
メインストリートをさらに進むと、右側にイチャン・カラを代表するもうひとつの建造物が見えます。
1910年に作られたメドレセ(神学校)に付随するミナレット。ヒヴァで一番高いミナレットです。マスキングテープを巻きつけたような可愛らしいデザインに目を奪われます。
- イスラーム・ホジャ・ミナレット
- ウズベキスタン / 建造物
- 住所:Islam Khoja Minaret , Khiva Usbekistan地図で見る
人々の暮らしが垣間見える住宅街へ
ちょっとメインストリートを外れてみましょう。すぐに住宅街に行き当たります。
この小さなイチャン・カラの中で、観光スポットと現地の人々の生活の場が共存していることに驚きます。家の女性たちが軒先でノン(ウズベク風のパン)を焼いていたり、お兄ちゃんお姉ちゃんが小さな子の相手をして遊んでいたり。
住宅街の中には、彫りを施したまな板や杖などを作る工房や、タイル工房もあります。
華やかなモスクやメドレセの観光に目を奪われがちですが、ヒヴァの人たちの生活のにおいが感じられるこうしたエリアにも、ぜひ足を延ばしてみてください。
町全体を見渡すならここ
せっかくですから、町全体が見える高いところに上ってみましょう。
ジュマ・モスク、ミナレット
ジュマ・モスクのミナレットは42メートル。モスクに入ると、ミナレットに上る階段への小さな入口があります。階段は大人一人がやっと通れるほどの幅で、傾斜もかなりきついです。途中途中にある窓から見える景色に励まされながら81段の階段を上りきると、この眺め。
メインストリートに面しているので、街の賑わいもよく見えます。
もちろん、ミナレットだけでなくモスクもぜひじっくり見てくださいね。
213本もの木製の柱が林立する内部は、中央に大きな天窓があり、陽の光が差し込むと幻想的な雰囲気さえ感じられます。柱には一つ一つ緻密な彫刻が施されています。
- ジュマ・モスクとミナレット
- ウズベキスタン / 建造物 / 展望・景観
- 住所:Juma Mosque , Khiva Usbekistan地図で見る
アクシェイフ・ババの見張り台
西門の左手にあるキョフナ・アルクは、17世紀に建てられた大きな宮殿です。中にある見張り台には、共通入場券とは別料金(1.5USD/日本円で約170円)で上がることができます。
見張り台は広々としていますから、好きな方向から心ゆくまで景色を写真に収めたり、座って移りゆく空の色を眺めながらぼーっとしたり、他の人の目を気にせずのんびり過ごしましょう。
- アクシェイフ・ババの見張り台
- ウズベキスタン / 展望・景観
- 住所:Kunya-Ark , Khiva ウズベキスタン地図で見る
1日のなかで変わっていく色合い
イチャン・カラをゆっくり楽しみたいもう一つの理由は、時間帯によって刻々と変わる街の表情が見られること。
人通りの少ない早朝、太陽の光が強まる午前中から昼下がり、日が傾き始める夕方、夕暮れ時、そしてライトアップされる夜。
見どころだけ見て立ち去ってしまうのはもったいない!情趣あふれる世界遺産の町、時間の許す限りゆっくり過ごしてみてください。