マケドニアの首都スコピエへ初めて訪れた印象は、「とても銅像の多い街」です。建物が個性的でそれだけでも目を惹くのですが、その視界の先には必ずと言っていいほど銅像があり、街中のどこで写真を撮っても被写体として写りこみます。この街には一体、何体の銅像が立っているのでしょう?今回は、銅像が街ゆく人を見守る親日の国、マケドニアの首都スコピエをご紹介します。
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親日なマケドニアの人々
「マケドニア」と聞いて、その場所を正確に言い当てられる日本人は多くないのではないでしょうか。どこにあるのか、どんな国なのか日本人の私たちにはよく分からないマケドニアですが、マケドニアの方々はよく日本をご存知です。
1963年7月、スコピエの歴史上最悪といわれる地震が都市を襲いました。建物の75%から80%がほんの数秒で消える大災害です。その後、大規模な再構築プロジェクトが始まり、その計画は日本の建築家、故丹下健三さんにより実現しました。
スコピエで歳を重ねた地元の方々は「地震の多い国である日本の設計者が、頑丈な都市を作ってくれた。」と称え、受け継いでくれているのだそうです。また、日本のアニメやゲームなどが若い世代に浸透しており、「一度は行ってみたい国」として日本の文化にとても関心を抱いてくれています。
新市街は芸術の森
マケドニア広場
こちらは、スコピエのメインとなる、新市街の「マケドニア広場」です。中央に立つのは、馬に乗ったアレキサンダー大王。この広場は、マケドニアがユーゴスラビアから独立する際、当時の大統領が宣言を行った、とても有名な場所です。
この広場を取り囲むようにカフェやレストランもあり、昼夜問わず沢山の人で賑わっています。
なんでこんなに銅像が?
スコピエ新市街を歩いていると、よく銅像を見かけます。
実は、見かけるどころか銅像だらけ。初めは、ギリシャ神話の流れから英雄を祀っているのかと思っていましたが、何しろ数が多すぎる。一体、スコピエには何体の銅像があるのでしょうか。こんなに沢山の英雄が活躍していたのでしょうか?
こちらは石像。
銅像、石像では目立ちませんので、こちらは黄金像。
あら、
あんなところにも!
スコピエへ着いた当初は、これらの銅像がとても珍しく感じられ、写真を一体ずつ撮っていましたが、歩けば歩くほどいくらでも出現し、キリがないので途中で写真を撮ることをやめました。
沢山の銅像がある公園で、地元の学生の方々に、なぜこれほど銅像が多いのか聞いたのですが、この街に全部で何体あるのか、なぜこんなに建てられているのか知らないとのこと。
ここまでくると、どれが銅像で、どれが人間なのかを、遠目に見分けられません。もはや擬人化され、警察の代わりに街ゆく人々の安全を見守ってくれているかのようにさえ感じられました。
スコピエ出身の世界に名だたる著名人
マケドニア広場から少し歩いたところには、「マザーテレサ記念館」があります。
マザー・テレサはスコピエで生まれ、幼少時代をこの街で過ごしたそうです。こちらにも銅像が。
立派な記念館からは、マケドニアの方々がいかに彼女を誇りに思っているかを感じられます。
- マザーテレサ記念館
- 北マケドニア / 博物館・美術館
- 住所:Macedonia Str. b.b., 1000 Skopje地図で見る
- Web:http://memorialhouseofmotherteresa.org/
新市街と旧市街を隔てるヴァルダル川
中心部を流れるヴァルダル川と川沿いの美しい建物
こちらは、スコピエ中心部を流れるヴァルダル川です。マケドニア最長の川で、海に面していないマケドニアにとって主要な運搬道になるのかと思ったのですが、このとおり水量は非常に少ないです。
夏場は涼しい風を山から運んでくれるそうです。ヴァルダル川沿いには、白亜の建築物が立ち並びます。
川に架かる豪華な橋
ヴァルダル川に数か所かかる橋はとても印象的です。橋の中央や欄干に、いくつも連なる豪奢な電灯と銅像。白亜の建物を一層引き立たせています。
夜はライトアップされ、日中とは別の印象で迎えてくれています。
古石橋
この古石橋は15世紀に造られ、かの大地震でも崩れなかった頑丈な橋です。こちらもヴァルダル川にかかる、昔から新市街と旧市街を結ぶ重要な橋ですが、特に名前はないそう。
こう見ると、特徴のない地味な橋ですが、横からみると、とても趣があります。
夕暮れのライトアップが、とても綺麗です。
旧市街もみどころが沢山!
イスラム人街
石橋を渡ると、バルカン半島随一の大きさを誇るスタラ・チャルシヤと呼ばれるイスラムバザールです。
旧市街は、ガラッと印象が変わります。
可愛らしいショップが立ち並び、オープンカフェには多くの人。新市街より人出の多い印象です。
スコピエ城塞
スタラ・チャルシヤの西側の丘の上には、スコピエ城塞があります。
ここは6世紀にビサンチンにより築城されました。威風堂々として、未だに威厳を保っているように感じられます。
スコピエへの行き方
日本からマケドニアへのフライト直行便はありませんので、周辺国を経由して行きます。一度の乗り換えで行けるのは、トルコ航空のイスタンブール経由のみ(2017年3月現在)。また、周辺国の主要な都市からは、頻繁に長距離バスも出ています。
2016年8月の訪問時には、あちこちで建設工事が進められていましたので、さらにスコピエの街は発展していくであろうと思われます。そして、またさらに銅像も増えていくことかと思いますので、この未知な国のワンダーランドへぜひ、足を伸ばしてみてください。