神奈川の矢倉岳(やぐらだけ)の山頂は、足柄神社の奥宮があるパワースポットです。矢倉岳は870mほどの低山ですが、バラエティに富んだ飽きさせない起伏で初心者でも登山の醍醐味を楽しめますよ。
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矢倉岳って?
矢倉岳は神奈川県南足柄市にある標高870mの山です。登山ルートもいくつかありますが、山頂まで2時間程度で登れる初心者向けの低山です。この付近では金太郎伝説で知られる金時山の方が知名度が高く、登山者もそちらに集中する傾向があり、矢倉岳は混雑を気にすることなくのんびり歩ける山です。
特徴的なのはその形で、まるでお椀をひっくり返したかのような形をしています。周りを他の山々に囲まれていても、「あれが矢倉岳!」と一発で分かるほどの形をしています。山頂に行くにしたがって細くなる綺麗な形をしているため、山頂は見晴らしがよく、天候条件が整えば富士山や金時山など名だたる山々や、相模湾を眺めることができるんです。この周囲を観察できるほどの展望の良さから「やぐらのような山」として矢倉岳と呼ばれるようになったと言われています。
地蔵堂
今回は「地蔵堂コース」をご紹介します。こちらの小さいお堂が地蔵堂です。登山のスタート地点となるところです。
地蔵堂の近くにはバス停と無料駐車場があるので、公共交通機関と車どちらでもアクセスすることができますよ。
アクセス
公共交通機関を利用する場合
東京は新幹線またはJR東海道線で「小田原駅」まで行き、小田原で伊豆箱根大雄山線に乗り換え「大雄山駅」で下車。大雄山駅前にある「関本バス停」から 箱根登山バスの新松田駅~関本~地蔵堂線に乗車。「地蔵堂バス停」で下車。
車を利用する場合
東名高速「大井松田インターチェンジ」を下り、神奈川県道78号線の南足柄・松田方面へ直進、下原隧道を通過し「竜福寺」交差点から御殿場・山北方面(足柄街道)へ右折。地蔵堂トンネルを通過し、「夕日の滝・地蔵堂」の案内に従い旧道へ左折。
地域の言葉遣いのわかるポップな看板
地蔵堂の前にはなかなかポップな看板もあります。
冒頭でご紹介した通り、この付近は金太郎伝説が残る土地。「燃すまい 木のふるさと 緑の資源」 のコピーとともに、金太郎さんが描かれています。神奈川県の一部では「燃やす」を「燃す」といいます。そんな地域の言葉遣いもわかってとても興味深いですね。
足柄古道万葉うどん~登山道入口
地蔵堂からはこまめに案内板が出てくるので、登山道に入るまで迷わず行けるでしょう。
「足柄古道・矢倉岳」の案内板が示す方向に進みます。
地蔵堂コースの名物店「足柄古道万葉うどん」の右脇の道を通ります。
後で立ち寄るのでどんなうどんかお楽しみに!足柄古道万葉うどんを越えると見通しの良い道路に出ます。
お茶の畑が道路の奥に見えています。この辺りはブランド茶の「足柄茶」の栽培エリア。この辺りは山がちな地形により日照時間が短く、ゆっくりと成長する分、土壌の栄養分をたっぷり吸収して美味しくなるそう。
道を渡ると側道があり、遠くにコンクリートの橋が見えます。
登山道入り口
橋を渡るとだんだんと緑の深みが増してきて山に入ったなと感じさせてくれます。登山序盤にもかかわらず、ロープを使いながら登るような箇所もあって、とっても楽しいですよ。
所々設置されている案内板に従って「矢倉岳」を目指せば良いので迷うことはないでしょう。
登山道入口から30分から40分ほど歩くと、この登山道のお楽しみの一つでもある沢が登場します。沢の真ん中にゴロンと木が橋のように渡されていますよね。
ここは矢倉岳に挑戦する登山者の中で、度々議論になる場所なんです。それというのも、この橋のような木が人が安心して渡れるほどの平さはなく、しかし橋のように渡されているため、この木を使うか使わないかで議論になるのです。バランス感覚に自信があるのであれば木の上を歩いてもいいかもしれませんが、自信がなければ木の横を歩きます。
沢にはちょうど足を濡らさないで歩ける石が点在していて、濡れずに川を渡ることができます。とはいえ天候による水流の変化で石は簡単に水没してしまうので、天気が悪い時は行かない、晴れていても防水の登山靴を履いていくなどの考慮は必要でしょう。
雨が降っているからと日程を簡単に変更することができないツアーでは、水量が多いとガイドさんが、自力で渡れないお客さんをおぶって渡ることもあるそうですよ。ひええ。。