神話にまつわる地が多数存在する宮崎の中でも、とりわけ大きな意味を持つ場所。それが高千穂町。天上界から天孫「邇邇芸命(ににぎのみこと)」が降り立った「天孫降臨」の場所と考えられている地です。日本有数の景勝地としても、またパワースポットとしても人気のスポット高千穂峡。そしてその周囲には神話の舞台が点在しています。今回は、車がなくても大丈夫!高千穂バスセンターから高千穂峡までを歩いて巡る旅をご紹介します。
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天孫降臨の地 高千穂
天孫降臨とは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫すなわち天孫であり、初代天皇・神武天皇の曾祖父にあたる邇邇芸命(ににぎのみこと)が、統治者として8人の神と3種の神器を携え地上に降り立ったという、日本神話の中でも非常に重要な意味を持つお話です。
その降臨したとされる候補地の一つが、宮崎県の北西部に位置する高千穂町です。
高千穂バスセンターから、高千穂町歩きをスタート!
車以外での高千穂町へのアクセスは、宮崎駅近郊または延岡からバスを利用します。高千穂バスセンターで下車し、まずは近くにあるまちなか案内所へ。こちらで周辺マップをもらい、スタッフの方に道順を聞いて高千穂歩きを始めましょう。
- 宮崎交通高千穂バスセンター内 観光案内所
- 宮崎 / 観光サービス / レンタサイクル / レンタカー / 手荷物預かり / 観光案内所・ビジターセンター
- 住所:高千穂町大字三田井803-2 地図で見る
- 電話:0982-72-3031
- Web:http://takachiho-kanko.info/sightseeing/detail.php...
1.槵觸(くしふる)神社 -高千穂バスセンターから1キロ(徒歩約15分)-
古事記には天孫降臨の地は「久士布流多気(くじふるたけ)」と記載されており、それがこの神社の建つ槵觸の峰であると伝わっています。
元々は、山そのものを御神体として崇めていましたが、1694年に本殿を建立。邇邇芸命をはじめ、降臨した神様たちが祀られています。
本殿参拝後は、境内から神話史跡を巡る遊歩道へ。
2.高天原遥拝所(たかまがはらようはいじょ) -槵觸神社本殿から徒歩約6分-
降臨した神々が、天を懐かしみ遥拝(=離れた場所から神仏などを拝むこと)したと伝わる場所。まさに、天と地をつなぐパワースポットです。周りには草木を揺らす風の音しか聞こえず、すっと光が差し込む姿は、まさに神々しいの一言につきます。
3.四皇子峰(しおうじがみね)-高天原遥拝所から徒歩約3分-
神武天皇とその3人の兄弟たちが誕生したと伝えられている場所です。ここ日向で生まれた若御毛沼命(わかみけぬのみこと)のちの神武天皇は、天下を納めるためにこの地を出発し、大和(現在の奈良県)を平定したと言われています。
4.荒立神社 -四皇子峰から徒歩約12分-
邇邇芸命たちが地上に降り立つ際、道案内を務めた猿田彦命(さるたひこのみこと)とその妻である天鈿女命(あめのうずめのみこと)が住んだ地とされ、切り出した荒木で宮を建立したためこのような名が付けられたと言われています。
猿田彦命は、交通安全や勉学、天鈿女命は芸能の神とされ、また夫婦円満や縁結びのご利益があるとされています。
5.天真名井(あまのまない) -荒立神社から徒歩約5分―
天孫降臨した際この地には水がなかったため、天村雲命(あめのむらくものみこと)が再び天上に上がり、水種を移したと伝わる場所。ケヤキの根本からは、今も水が湧き出しています。
- 天真名井
- 宮崎 / その他スポット
- 住所:高千穂町三田井472地図で見る
- 電話:0982-73-1212
- Web:http://www.town-takachiho.jp/culture/post_151.html
6.高千穂神社 -天真名井から1.2キロ(徒歩約20分)-
高千穂郷八十八社の総社で、創建は1,900年ほど前にも遡ると言われています。こちらの神社では、とにかく境内に林立する杉の木のパワーに圧倒されます。
中でも、御神木である樹齢800年の秩父杉。
源頼朝の代参の畠山重忠手植えの杉とされています。空高くそびえる姿からは強いパワーを感じ、思わずいつまでも見上げてしまいたくなります。
そして、2本の杉の根本が一つになったことから夫婦杉と名付けられた杉。
この夫婦杉の周りを、好きな人と3回まわると縁結び、家内安全、子孫繁栄の願いが叶うと言われています。
6.高千穂峡 -高千穂神社から約1キロ(徒歩約15分)-
大昔に起こった4度の阿蘇の火山活動によって噴出した火砕流が五ヶ瀬川沿いに流れ出し、柱状節理を形成。それらが長い年月をかけ川の浸食を受け、峡谷となったのが高千穂峡です。1934年には、国の名勝・天然記念物に指定されています。
五ヶ瀬川沿いには、約700mの遊歩道があり、有名な「真名井の滝」以外にも神話や伝説にまつわる見どころが色々とあります。
玉垂の滝・月形
高さ約5m、幅約15mの断崖の岩の間から、幾筋もの滝が流れ落ちる玉垂の滝。その上部にある月形と名付けられた岩は、弟の素盞嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴に怒り、天照大御神が天岩屋戸にこもってしまうという天岩戸神話にまつわるもの。
岩屋戸から天照大御神が出てきたのち、もう二度と悪いことはしないと素盞嗚尊が懺悔の証に刻んだのがこの月形と言われています。
おのころ池・おのころ島
おのころ池中央にあるおのころ島は、伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)が国生みをした際に、聖なる矛から落ちた雫が固まってできた最初の島と言われています。
そして、このような池に鯉がいるのをよく目にしますが、こちらの池にいるのは・・・なんとチョウザメ!ぜひ、池の中も覗いてみてくださいね。
真名井の滝
高千穂峡と言えば、切り立った峡谷から流れ落ちる落差約17mの真名井の滝と、その下を流れる五ヶ瀬川のこちらの景観ではないでしょうか。
日本の滝百選にも選ばれている真名井の滝は、先に紹介した天真名井の水が水源で、地下を通りこの地に流れ出ていると言われています。
真名井の滝へは、貸しボートで近くまで行くことも可能です。
鬼八(きはち)の力石
悪行をはたらいていた鬼八が、神武天皇の兄である三毛入野命(みけぬのみこと)に力自慢をするために投げたとされる重さ200トンもの巨石です。
三毛入野命は鬼八を退治し、この地をおさめたとされています。
仙人の屏風岩
高さ約70m。切り立った柱状節理が屏風のように見えることから名づけられました。何万年もの年月をかけ作り出された自然美に、圧倒される光景です。
高千穂三段橋
一つの峡谷で、趣の異なる3本の橋が一度に見られるのは全国でもここだけ。下から順に、昭和時代の神橋、高千穂大橋、平成時代の神都高千穂大橋と三代の橋がかかっています。
- 高千穂三段橋
- 宮崎 / 橋 / 絶景
- 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井御塩井地図で見る
- 電話:0982-73-1213
- Web:http://www.town-takachiho.jp/culture/view/sandanba...
- 高千穂峡
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- 住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井御塩井地図で見る
- 電話:0982-73-1213(高千穂町観光協会)
- Web:https://takachiho-kanko.info/
高千穂町へのバスでのアクセス
延岡バスセンターから高千穂バスセンターまでは、路線バスで1時間20分。宮崎駅近郊からは、事前予約の高速バスで2時間40分ほどです。
ただし、宮崎からの高速バスは運行日が特定されており、平日および冬季には運行されていません。福岡や熊本からの特急バスも出ていますので、高千穂町ホームページ 高千穂町へのアクセスや、宮崎交通 宮崎~高千穂 高速バスを参考に、旅のプランを立ててください。