【奈良市】情緒ある奈良町を散策!カフェのランチや地酒の飲み比べも

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   2017年4月20日更新

奈良市の近鉄奈良駅の南に広がる奈良町(ならまち)界隈は、歩いて楽しい観光スポット。細く入り組んだ路地に歴史ある木造家屋が並ぶ様子は、どこか懐かしさを感じさせてくれるものです。近年では古い建物を生かしたカフェなども増え、多くの人が訪れています。今回は、短時間で奈良らしさを感じていただけるよう、資料館、カフェと地酒のお店の3つに絞って紹介します。

奈良町とは

奈良町は、奈良の旧市街地にある、伝統的町並みが残る地域です。この地域が発展し始めたのは、奈良時代のこと。平城京の下京として社寺が置かれ、それから長い間都市機能を維持してきました。

中世以降は、多くの産業も発展しました。その内容は、酒や醤油の醸造、墨や筆、布団や蚊帳(かや)など多岐にわたります。

明治以降は、奈良市の商業中心として栄えます。第二次世界大戦の戦火を免れましたが、戦後は町のにぎわいが近鉄奈良駅を中心としたエリアに移りました。

落ち着いた住宅地になってしまった奈良町では、若者を中心にまちづくりの機運が高まり、江戸時代以降の町屋の面影を残す家屋が整備されました。現在では、奈良市有数の観光スポットになっています。

見学無料の奈良町資料館

奈良町には、無料で見学できる資料館がいくつかあります。その一つ、奈良町資料館は、奈良町に残る信仰や習わしなどからくる「奈良町らしさ」や、奈良町の魅力を後世に伝えるための施設です。館内には古い美術品や生活用具、懐かしい絵看板、奈良町の民俗資料などが展示されています。

軒先の赤いぬいぐるみ

奈良町を歩いていると、軒先に赤いぬいぐるみが吊るされているのを見かけます。上の資料館の外観写真にも写っていますね。これは、庚申(こうしん)さんの身代わり申(さる)という、お守りなのです。

庚申さんとは、青面金剛像(しょうめんこんごうぞう)という仏像のことで、この奈良町資料館にも祀られています。

庚申信仰は、江戸時代に民間信仰として庶民にも広まりました。現在も奈良町にはこの信仰が残り、家の中に災いが入ってこないように、この庚申さんの身代わりである「赤いぬいぐるみ」を吊るしているのです。

お水取りのたいまつや、江戸時代の絵看板などの展示も

東大寺二月堂で行われる伝統行事「修二会(しゅにえ)」は、二月堂の本尊十一面観音に、僧侶が人々に代わって、日ごろの罪を懺悔(さんげ)し、国家の安泰や人々の幸福を祈る法要です。1,200年以上にわたり、欠かさず続けられてきました。

行事は、毎年3月1日より2週間にわたって続きます。3月12日深夜には、お水取りと言い、若狭井(わかさい)という井戸から、観音さまに供える「お香水(おこうずい)」を汲みあげる儀式が行われます。

また、これを勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして、毎晩松明(たいまつ)が焚かれます。このため、修二会は、「お水取り」、「お松明」と呼ばれるようになりました。

写真は、お松明の中でもひときわ大きな籠松明(かごたいまつ)で、長さ約6m、重さは約80kgもあるそうです。松明には根が付いた竹が使われており、その先端は、杉の薄板、ヘギ(木を薄く削ったもの)、杉の葉により、籠目状に仕上げられています。

上の写真は、絵看板と呼ばれ、江戸時代から明治時代に、店の軒先などに吊るされていたものです。厚い木製の絵看板は、現在の多くの看板と比べると、とても重厚な印象です。

奈良町資料館

奈良 / 博物館

レストラン&カフェ PAO ならまち店で、奈良の名物を

「レストラン&カフェ PAO ならまち店」は、奈良町の路地裏にある明るい雰囲気のお店。奈良の名物を使ったランチがいただけます。

黒米と大和ポークカツのランチ

  • 大和ポークカツランチ1,200円

筆者が注文したのは、大和ポークカツランチです。奈良特産の豚肉「ヤマトポーク」を使ったカツに、おかず二品、サラダ、スープ、黒米のご飯がついています。

ヤマトポークのカツは脂っこさを感じさせず、淡泊な風味。自家製の塩こうじで味付けされており、これが少し甘くて絶妙な味わいとなっています。おかずの大根の煮物やおひたしも、上品な薄味で、ペロリと食べられるでしょう。

奈良特産の黒米のご飯は、少し赤黒い見た目です。古代米とも言われ、各種ミネラルやビタミン、アントシアニンも含んでいます。こちらでは自家栽培の黒米を使用しているそうです。

黒米カレーや大和茶ソフトクリームも人気です

こちらのお店では、黒米ごはんに4種のおかず、スープ、サラダが付いたPAO黒米ランチや、黒米黒カレーランチも人気です。大和茶のソフトクリームは、テイクアウトもできます。

日本清酒発祥の地 奈良で地酒を楽しむ

現在私たちは、透き通った日本酒「清酒」を飲んでいますが、この清酒のルーツは奈良市の正暦寺(しょうりゃくじ)で作られていたお酒ではないか、と言われています。

平安時代から江戸時代にかけては、大きな寺院で日本酒が醸造されており、これを僧坊酒(そうぼうしゅ)と呼んでいました。そのなかでも正暦寺で作られた「菩提泉(ぼだいせん)」という銘柄のものは、特に品質が高いとされていました。

また、正暦寺での酒造は、近代の醸造法の基礎となるような方法で行われており、これが「奈良は清酒発祥の地」と言われる理由でもあるのです。

奈良県内の酒蔵のお酒が試飲・購入できる「なら泉勇斎」

「なら泉勇斎」は、奈良のお酒が試飲、購入できるお店です。県内29の酒蔵の厳選したお酒が、120種類以上取り揃えられています。

  • 県内酒蔵のお酒がずらりと並ぶ

試飲をして、気に入ったものがあれば、お土産に買って帰るのも良さそうですね。

菩提もとの日本酒を味わう

  • 1グラスは50cc。グラスの前にその銘柄の瓶を置いてくれる。

試飲は有料ですが、200円~と気軽に飲むことができます。明るい店内はカウンターのみで、立ち飲みのスタイル。若い女性でも入りやすい雰囲気です。

メニューを見て、好きな銘柄を伝えると、グラスに注いでくれます。筆者は「菩提(ぼだい)もと」で仕込んだ日本酒を3つ試飲してみました。

菩提もとというのは、醸造の際に必要な酒母(しゅぼ)の一つです。さきほど出てきた正暦寺のお酒「菩提泉」は、この菩提もとにより醸造されていました。

平成8年に、この菩提泉を復活させようというプロジェクトが、県内酒蔵や正暦寺などによりスタートしました。酵母や乳酸菌を正暦寺の境内から抽出・選別して菩提もとの製造に成功し、平成10年には参加した酒蔵の各社から、「菩提もと清酒」が商品化、販売されることになったのです。

菩提もとのお酒は、少し酸味の感じられるもの、香りの良いもの、さっぱりとした飲み口のものと、銘柄によって違いがあり、個性豊かです。奈良ならではのお酒を気軽に楽しんでみてください。

なら泉勇斎

奈良 / 日本酒

おわりに

奈良町は、迷路のように入り組んだ路地に、カフェや資料館、酒蔵、雑貨店などが点在しています。充分に下調べしてから散策するのも良いですが、ふらりと出かけてみても、色々な発見があってまた楽しいものです。

二度三度と出かけて、お気に入りのスポットを見つけてください。奈良町へは、近鉄奈良駅から徒歩10~15分、JR奈良駅から徒歩20分ほどです。

ならまち

奈良 / 町

この記事で紹介されたスポットの地図

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※この記事は2017年3月19日の取材に基づき公開した情報です。
 記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
トラベルライター
奈良在住 お出かけ大好きライター

半日でも時間があれば、どこかへ出かけたい性格です。行ったことのない街やカフェ、公園などに出かけ、お気に入りの場所を増やしていくことを楽しんでいます。日本酒が好きで、旅先では必ず地酒を買い求めます。公共交通機関を使って旅行やお出かけをすることも多いので、列車などでの旅を楽しみたいという方の参考になるような記事も書いていきたいと思っています。

http://odekake-ks.jugem.jp/

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