定山渓(じょうざんけい)温泉や空港などのお土産コーナーで、アロマオイルを浸み込ませて楽しめることで人気の商品「かおるいえ」。優しい風合いの「札幌軟石」に可愛らしくペイントされた作品を、どこかで見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今回は、その作品の工房である「軟石や」さんをご紹介いたします。
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札幌軟石(さっぽろなんせき)とは?
約4万年前、現在の支笏湖(しこつこ)周辺で30,000mの高さに達するほどの巨大火山噴火がありました。その際、遠く離れた札幌市石山付近にも火砕流が降り積もり、それが冷えて固まったものが「支笏溶結凝灰岩(しこつようけつぎょうかいがん)」で、通称「札幌軟石」と呼ばれています。
余談ですが、その巨大火山噴火でできたのが支笏湖で、道東の摩周湖と双璧をなす透明度を誇る湖です。
札幌軟石にゆかりのある場所として、札幌市中心部から定山渓温泉に向かう途中、古代遺跡を彷彿させ「さっぽろ・ふるさと文化百選」にも選定されている「石山緑地」というスポットがあります。
この場所は、札幌開拓時代の建物などに使用され、街の発展に大きく貢献した「札幌軟石」の採掘跡地で、現在は公園となっています。
いざ、「軟石や」さんの工房へ!
「軟石や」さんの工房は、札幌軟石を使用して建てられた建物と玄関の看板が目印です。
工房に一歩足を踏み入れると、柔らかい色調の軟石を使った多くの作品が目に飛び込んできます。
石で、こんなにも多彩な種類の作品が作れてしまうことに、驚いてしまいます。
「軟石や」さんの看板商品「かおるいえ」
「軟石や」さんといえば、アロマオイルを数滴しみこませると、香りが数日間楽しめるアロマストーン「かおるいえ」が看板商品!札幌軟石の特長である、吸水性、ゆっくりと揮発する性質を活かした作品で、石の雰囲気に合わせて1軒1軒表情が違うところも魅力です。
軟石を利用した「かおるいえ」は、どのような経緯で生まれたものなのでしょうか。小学生の頃から札幌軟石が大好きだったという、「軟石や」代表の小原 恵さんに伺ってみると、もともと札幌軟石は建築資材として利用されていたものだったので、商品も家型にしようと考案したのだそう。
札幌の開拓時代初期は木造の建物が主流だったため、冬季には食糧保存や火災などの困難がありましたが、耐火性・保温性・容易に加工可能な軟石を建材として建物に使用してから、食糧保存や火災に悩むことが少なくなり、札幌の街づくりに多大な恩恵がもたらされました。
2018年、明治150年という節目とともに、北海道と命名されてから150年目ともなります。それよりもはるか昔の約4万年前に誕生し、北海道開拓の歴史や先人の偉業を、静かに佇み見守ってきた札幌軟石。
札幌の大地をそのまま使ったアロマストーンは、まさに札幌の歴史を凝縮した存在です。一説によると、九州島津藩の石の建築技術も使われているそうです。
手のひらに乗せながら、いろいろと想いを巡らせてみるのも素敵ですね。
まとめ
工房には、犬・猫・フクロウ・多肉植物など、様々なモチーフの作品があり、しかも1つ1つ表情が違うのが大きな魅力です。
代表作である「かおるいえ」は、札幌のホテルや定山渓温泉のお土産コーナー、千歳空港等でも販売されています。札幌そのものを、お土産にしてみてはいかがでしょうか?
- 営業時間:10:00~18:00
- 定休日:水曜日
- 駐車場:店舗前に2台分
- 軟石や
- 札幌 / 雑貨・インテリア
- 住所:札幌市南区石山1条2丁目9-22地図で見る
- 電話:090-9425-0573
- Web:https://212a-a.jimdo.com/