ニッカウヰスキーの蒸留所は、国内に北海道余市と宮城県仙台市の2カ所のみです。最近では、甘い香りにはまるウイスキー女子が増えているのだとか。人気の宮城峡蒸留所見学に出かけてみませんか?最後には、試飲のお楽しみもあります。
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ニッカウヰスキーの始まり
日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝氏が、「日本人に本物のウイスキーを飲んでもらいたい。」その一心で取り組んできたウイスキー作りは、本場スコットランドで修行をしたのち、1934年(昭和9年)北海道余市から始まりました。
初めはりんごジュースを製造する「大日本果汁株式会社」としてスタート。その社名の略称「日果」が、カタカナ表記の「ニッカ」へとなってゆきます。多くの困難を乗り越え、初の「ニッカウヰスキー」と「ニッカブランデー」を発売したのが1940年(昭和15年)のことです。
その後、複数の蒸留所で生まれた、個性の違うウイスキーをブレンドし、より芳香なウイスキーを作ることを目的として、宮城峡にも蒸溜所が建設されたのです。
なぜ宮城峡?
仙台駅から車で40分弱の宮城狭は、広瀬川と新川(ニッカワ)が合流する、緑豊かな自然に囲まれた渓谷です。ウイスキーは自然が育むと言われるほど、その土地の環境に左右されます。この地の深い森と清流は、澄んだ空気と霧を生み、樽を乾燥から守り、豊かな香りを封じ込めるのに不可欠な環境でした。
また、蔵王連峰を経て流れてくる清らかな新川の伏流水も、ポイントが高かったようです。竹鶴氏は、初めてこの地を訪れた際、持っていたブラックニッカを新川の清流で割って飲み、味わいを確認したというエピソードが残されています。
さあ!大人の社会科見学へ!
まずはビジターセンターへ
蒸溜所見学は、ビジターセンターで受け付けをしてからのスタートになります。2017年3月にオープンしたビジターセンターでは、ウイスキーの製造や宮城峡蒸溜所の特徴、ニッカウヰスキーの歴史などを、パネルや展示物で紹介しています。
シアターでは、「宮城峡物語」と題された短編映像が放映され、竹鶴政孝氏のウイスキー作りへの熱い想いを知ることができます。
モルトウイスキーができるまでの工程
原料の大麦を使い、モルトウイスキーができるまでの工程を簡単に紹介しますね。
1. 発芽&酵素生成をさせる製麦
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2. 発芽後、ピート(草炭)や無煙炭で乾燥させモルト(麦芽)の製造
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3. モルトと温水を混ぜ甘い麦汁を作る糖化
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4. ろ過した麦汁に酵母を加えて醗酵させ醗酵液(もろみ)を製造
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5. もろみを加熱しアルコール分と香味成分を抽出する蒸留
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6. 長期間の貯蔵、熟成
見学はキルン塔から開始
さあ、いよいよ見学コースへ出発です。工程2の乾燥が行われるキルン塔からスタートです。
燻したピートの香りがモルトに移り、ウイスキー独特のスモーキーな香りが生まれるのです。現在、この乾燥塔は利用されていませんが、蒸溜所のシンボルになっているパゴタ屋根が特徴的です。
仕込棟
仕込棟では、工程3と4の糖化・醗酵が行われています。この作業は最新のコンピュータによって24時間体制で管理されており、管理室の写真撮影も禁止です。
蒸留棟
工程5の宮城峡蒸溜所には、単式蒸留器(ポットスチル)と、カフェ式連続式蒸溜機がありますが、見学できるのは単式のみになります。
単式蒸溜器は、スチームでじっくりと焚くタイプで柔らかなモルト原酒を生み出します。カフェ式連続式蒸溜機では、トウモロコシを主原料とするグレーンウイスキーがつくられるそうです。膨らみがあるバルジ型のポットスチルは、テレビで見覚えがある方も多いことでしょう。
貯蔵庫
最終工程6の貯蔵庫です。蒸溜液をアルコール分63%程度に調整し、樽に詰めて長期熟成させます。
樽材の成分や熟成期間、気温、湿度など様々な要因をとりこみながら、味わい深く香り高い琥珀色のウイスキーへと成長していく大切な場所です。180,000㎡の敷地内には、現在25棟の貯蔵庫が立ち並んでいます。
ゲストホール
コース見学が終了すると、ウイスキーの貯蔵庫を改装したホールで、お待ちかねの試飲タイムです。この日は、竹鶴、スーパーニッカ、アップルワインの3種類(銘柄は変更あり)の無料試飲ができました。お子様やドライバーさん用には、烏龍茶・ジュースも無料です。
いろいろ試飲してから購入したいという方には、原酒コーナーもあり、好みのウイスキーを安価(¥200~)で楽しむこともできます。バーテンダーさんがいるので、相談にものって頂けます。
ギフトショップには、お酒だけではなく、女性が喜ぶウイスキーチョコレートなど目新しいスィーツが、いろいろ揃っています。
帰宅後は、自分へのご褒美に購入した美味しいウイスキーを片手に、大人の休日締めくくりといきますか?乾杯♪
ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所の概要
- 見学費:無料
- 休館日:その年で異なります。
- 見学案内時間:午前の部 9:00~11:30/午後の部 12:30~15:30
- 見学所要時間:約70分(見学、試飲等含)
- 予約:事前予約が必要
アクセス
車の場合
東北自動車道・仙台宮城ICより国道48号線を山形方面へ約25分
電車の場合
JR仙台駅からJR仙山線作並駅まで約30分、駅よりシャトルバス(※)かタクシーで5分
※平成29年1月8日(日)から平成29年12月23日(土)までの土曜日・日曜日・祝日に限り、JR作並駅から宮城峡蒸溜所行きのシャトルバスを運行されています(往復)。
バスの場合
仙台駅前より作並温泉行き(市営バス)「ニッカ橋」下車 (所要時間:約60分)
住所・問い合わせ先など
- 住所:宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
- 電話:022-395-2865
- 公式サイト:http://www.nikka.com/
- ニッカウヰスキー仙台工場・宮城峡蒸溜所
- 仙台 / 工場見学 / 女子旅
- 住所:宮城県仙台市青葉区ニツカ1地図で見る
- 電話:022-395-2865
- Web:http://www.nikka.com/distilleries/miyagikyo/