栗林公園は国の特別名勝に指定された文化財庭園。その広さは東京ドーム3.5個分と大名庭園の中でも最大級の広さを誇ります。そして、2009年『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』では、“わざわざ旅行する価値がある場所”を意味する最高評価の三ツ星を獲得!一歩一景を感じながら美しい庭園を散策しましょう!
この記事の目次表示
栗林公園の基礎知識
400年の歴史ある庭園
栗林公園の歴史は意外と古く、16世紀後半、地元の豪族佐藤氏によってつくられました。その時はまだまだ小さい庭でしたが、1631年頃この地を治めた生駒家の家臣により現在に近い大きな庭園の基礎がつくられました。
後に、生駒氏から松平氏へと藩主が変わり、基礎が築かれてから100年以上経った1745年に完成しました。完成から明治維新まで228年間、高松松平家の下屋敷として使用されていました。
そして、明治8年(1875)に県立公園として一般公開され、昭和28年(1953)に「特別名勝」に指定されました。
「栗林」の名前の由来は?
この栗林公園の「栗林」ですがくりばやしとと読んでしまいそうですが、りつりんと読みます。
1640年頃にはすでに「栗林」と呼ばれており、栗の木が沢山あったから!と思いそうですが、そうでは無いようで、栗林公園は元から松で構成された公園だったとか。名前の由来は所説あるようですが、中国では種類に限らず木が生い茂った里山を「栗林」と呼ぶ事から来ているのではないか?と言われているそうです。
ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン三ツ星獲得!
フランスの旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』において「わざわざ旅行する価値がある」とされる三ツ星を獲得しています。この三ツ星と言うのは最高評価なんですよ!
ミシュラン担当の方は早朝に訪れ、朝もやのかかった園内を見て決められたそう。きっと、とても幻想的で美しかったのだと思います。お時間がある方は早朝に訪れてみるのも良いかもしれませんね。
栗林公園の魅力を存分に!
一歩一景の美しさ
公園の作庭様式は「池泉回遊式」と呼ばれるもので、広大な敷地と池、それに合わせて築山や木々などが植えられています。ですので、一方方向から見るだけの庭ではなく、歩いて散策を楽しむ庭となっています。
そのため、一歩歩く事に景色が移り行き、一歩一景、様々な情景を楽しむ事ができます。
1,400本の松とお手入れ松
園内にはなんと!1,400本の松が植えられています。内1,000本は職人の手によりお手入れがされているそうです。
北門(正面入り口)より少し歩くと「鶴亀松」が現れます。110個の石を組み合わせて亀を表現し、その背中に松で舞鶴を表現。園内で最も美しい松とされています。
こちらは南庭の端、掬月亭(きくげつてい)のすぐ側にある「値上り五葉松」。徳川11代将軍家斉公からいただいた盆栽が、大きく成長したものだそうです。
その他、箱の形を装った「箱松」や、皇族の方がお手植えされた松などもあります。ぜひ、美しい松を観賞して下さいね!
季節で変わる景色!
園内には松以外にも沢山の草木があり、四季折々の美しい景色を楽しませてくれます。
初春には梅が咲き誇ります。花の観賞を目的とした花梅が100本、果実の採取を目的とした梅が50本あり、収穫された梅は梅酒になるそうです。
春真っ只中には桜が満開に。その他、フジ、サツキなど沢山の花が咲きます。桜のシーズンにはライトアップも行われ、観光客で賑わいます。
夏は水辺に花しょうぶや睡蓮、ハス等が咲き、涼やかな雰囲気を演出します。
秋はモミジが色づき、美しい紅葉が楽しめます。
夜のライトアップも見逃せません!
冬にはサザンカや椿が咲き、雪など薄く積もった時などは、また格別な景色となります。
栗林公園は一年を通して花が楽しめるようになっていて、特に梅・桜・紅葉は見頃になるとローカルニュースで必ず話題になります。香川の桜の開花を決める桜標本木も園内にありますので、是非、探してみて下さいね!
撮影スポット飛来峰(ひらいほう)
栗林公園の写真と言えば、ここから撮影されたものがほとんどです。池、橋、和船、掬月亭、そしてその後ろにある紫雲山までが一枚の景色になっています。園内随一の撮影&ビュースポットですよ!
橋の向こうに見える小さな島には「恋ツツジ」があり、ツツジがハートの形に!剪定の際、偶然にハートの形になったとか。カップルに人気の撮影スポットです。