北海道十勝郡浦幌町にある「浦幌(うらほろ)炭鉱跡地」についてご紹介します!石炭採掘で栄えた当時の町の遺構が現在でも各所に残っていて、かつての様子を想い浮かべながら、森のなかを探索することができます。今回は、「まるでラピュタの世界みたい」と言われ、廃墟好きな方も数多く訪れる「浦幌炭鉱跡地」の歴史や見どころ、見学時の注意点などについてご紹介していきます!
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ラピュタのような世界観が楽しめる「浦幌炭鉱跡地」とは?
浦幌炭鉱跡は北海道十勝郡浦幌町にある炭鉱跡地で、1895年に炭鉱王の古河市兵衛によって発見され、採掘が始まりました。
市兵衛の死後は大和鉱業が買収し、留真・毛無地区の開鉱に着手しましたが、条件が悪く一時閉山。1933年に再び採掘・出炭が始まり、石炭は馬車で浦幌駅に運ばれました。
1948年には従業員500名で22万トンの出炭量を誇り、1950年には一帯の総人口が3,600人となるほど繁栄を極めました。
しかし、その後は石油に押されて炭鉱が衰退していき、1954年に閉山されることとなってしまいました。
浦幌炭鉱跡地では、石炭採掘で栄えた当時の町の遺構が現在でも各所に残っていて、かつての様子を想い浮かべながら散策することができます。
自然が人工物を飲み込む力強さが感じられるその光景は、廃墟好きな方にはもちろん、まるでジブリ映画の『天空の城ラピュタ』のようだともいわれ、訪れる人が後をたちません。
森のなかにひっそりと存在するノスタルジーな浦幌炭鉱跡地の見どころについて、さっそくご紹介していきます!
廃墟好きにはたまらない!炭鉱夫が住んでいた住宅跡
浦幌炭鉱跡地のなかでも、一番見ごたえがあるのが、こちらの炭鉱夫たちが実際に住んでいた「住宅跡」です。
コンクリート造りの建物が3棟並んで建っていて、老朽化で崩れている様子が廃墟好きの心を鷲掴みにします。
また建物全体が草木に覆われており、壁を這うようにして育つ木々などが散見され、その光景はまるでジブリの『天空の城ラピュタ』に出てくるシーンのようだともいわれています。
とにかく異世界に訪れたかのような世界観が広がっていて、しばらく時の流れを忘れてしまうほどです。
3棟全てそれぞれ近くで見ることができますが、崩壊の危険性があるため建物内には入れません。
建物から適度な距離をとって、安全を確保したうえでじっくり見学してみて下さいね!
石炭を運び出したトンネル跡や周辺も要チェック!
浦幌炭鉱跡地には、3棟の住居跡以外にも、まだまだ当時の名残が感じられるスポットが点在しています。
住居跡を過ぎ、さらに奥へと道なりに進んでいくと、病院跡や石炭運搬軌道の橋梁の橋台跡などが残っています。
特に、実際に石炭を運び出していたトンネル跡「尺別隧道」は見ごたえがあります。
閉山後に封鎖されているため、内部まで見ることはできませんが、すぐ前まで行くことができ、間近で見学できます。
紹介パネルなども設置されているので、炭鉱として栄えた当時の様子を思い浮かべながら、ぜひ森の中を散策してみて下さいね!
浦幌炭鉱跡地見学の注意点
最後に浦幌炭鉱跡地を見学する際の簡単な注意点についてまとめておきます。
あまり人や車が通らない森の奥深くにあり、少し危険なポイントなどもあるので、見学に行かれる際にはぜひ参考にしてみて下さいね。
・浦幌炭鉱跡地へと続く北海道道500号線は冬期通行止めになります。例年12月~5月くらいまでは閉門されているので通行可能期間に十分ご注意下さい。
・炭鉱跡地は森深くにあるため、草木が茂り、野生動物がすんでいるので対策のうえ、入林してください。
・住居跡は建物崩壊の危険があるため、内部には入れません。適度な距離をとって安全を確保したうえで見学してください。
・住居跡周辺はかなり草木が茂っているほか、釘が飛び出た板なども落ちているので、足元に十分ご注意ください。
場所も少し判りづらいところにあるので、初めて訪れる方はガイドツアーに参加されることをおすすめします!
地元の方が各所に残る遺構についてひとつずつ説明しながら巡ってくれるので、より詳しく浦幌炭鉱について知ることができます。
ガイドツアーの参加料金や開催時期などは、十勝浦幌の観光情報のホームページに記載されているので、ぜひ確認してみて下さいね!
おわりに
まるでラピュタのような、廃墟好きにもたまらない「浦幌炭鉱跡地」のご紹介はいかがだったでしょうか?
森の奥深くということもあり、異世界に迷い込んだかのような気分で、当時の町の歴史に触れられます。
素晴らしい産業遺構の数々を、ぜひ巡ってみて下さいね!
- 浦幌炭鉱跡
- 浦幌町(十勝郡) / 遺跡・史跡
- 住所:北海道十勝郡浦幌町字炭山地図で見る
- Web:https://www.urahoro-tourism.com/tankou