「桃太郎伝説」が残る大月市の岩殿山(いわどのさん)には、鬼の住処とされた「鬼の岩屋」と呼ばれる洞窟があります。普段は滝に隠れていますが、滝が凍る冬は洞窟の入口が見られます。低山ながらも山頂までは険しい道もあり、短時間で満足できるコースです。
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岩殿山に登るには、まずは畑倉登山口を目指そう!
岩殿山への登山口である畑倉登山口は、JR中央本線大月駅から徒歩で40分ほどです。大月駅から徒歩20分ほどで行ける強瀬ルート登山口というのもありますが、2019年の鏡岩崩落のため、途中の丸山公園までで行き止まりとなり、山頂への道は通行止めになっています。
岩殿山の裏手へ回るようにして、畑倉登山口を目指します。「大月自動車学校」の看板を過ぎると、道路わきに「畑倉登山口」の看板があります。
※登山前には、通行止めなどの最新登山路情報を大月市観光協会のHPよりご確認ください。
「鬼の岩屋」はすぐそこ!
登り始めて数分のところに「鬼の岩屋」と呼ばれる新宮洞窟があります。大月市には「桃太郎伝説」が残っており、岩殿山の鬼がこの洞窟を住処にしていたという言い伝えがあります。
冬の時期は岩肌を流れる滝が凍るので、洞窟入り口をはっきりと覗くことができます。滝が凍るのを見られるのは、この季節ならではです。岩場は滑りやすいので、近づきすぎないように注意しましょう。
「鬼の岩屋」を見学したら、いよいよ山頂を目指します。序盤は、歩きやすいなだらかな上り坂が続きます。登山路もわかりやすく、道に迷うこともありません。サクサク登ることができるでしょう。
険しい登山路を登り、視界が開ける山頂へ!
しかし中盤から、登山路が急に険しくなってきます。砂が乾燥しているので滑りやすく、木の根が出っ張っているところもあるので、足を取られないように進みましょう。山頂付近がもっとも急になっています。鎖が垂れているところは、手すり代わりにうまく使って登っていきましょう。
山頂は、登山口からは約40分で、20人ほどが滞在できる広場になっています。標高634mで、スカイツリーと同じ高さです。山頂から富士山を見ることができますが、木の枝がかぶってしまうので、後述する丸山公園からの方がはっきりと見られます。
下山途中に丸山公園で一休み
最初に登り始めた畑倉登山口まで下山し、大月駅へ戻るように歩くと丸山公園があります。丸山公園には「ふれあいの館」という写真館があり、秀麗富嶽十二景から眺めた四季折々の富士山が展示されています。入館料は無料です。トイレもあるので、休憩するには最適な場所だと思います。
岩殿山全貌を確認しよう
丸山公園からは、背後に岩殿山をはっきりと臨むことができます。自身が先程登頂した頂を下から見上げると、また違った達成感があります。
また岩殿山は、大月市が選定する秀麗富嶽十二景の八番にあたります。山梨百名山の一つでもあり、その美しい鏡岩は電車の車窓からも眺めることができます。
富士山もバッチリ見られる!
丸山公園からの富士山の景色は周辺に遮るものがないため、きれいに見ることができます。丸山公園周辺は桜の木が植えられており、時期になると桜まつりが開催されます。桜の季節にも訪れたいですね。
おわりに
岩殿山は1,000m以下の低山で、初心者向けと言われていますが、畑倉ルートは険しい箇所もあるコースです。足元は、乾燥時ではサラサラして滑りやすく、多湿時には粘土質な土に足を取られ、滑りやすくなります。トレッキングポールがあるととても便利です。低山だからと甘く見ることなく、十分な準備と心構えで登りましょう。冬の岩殿山を楽しめますように。