フィンランドの首都ヘルシンキから西へ約85kmの場所に、人口は600人程ですが、観光客は年に10万人訪れるというフィスカルス村があります。もともとは工業地帯でしたが、今ではアーティストが多く住むこの村は、最先端のアートやクラフトなどを発信する芸術村として有名になりました。緑豊かで長閑なフィスカルス。ヘルシンキから列車とバスで約1時間半のこの村は、北欧の郊外の雰囲気と、洗練されたアートやクラフト作品を同時に堪能できる魅惑スポットです。
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フィスカルス村の歴史
もともとは工業地帯だったフィスカルス。特に鉄製品が盛んで、今もハサミなどで有名な「FISKARS社」は、この村で1649年に創業しました。しかしFISKARS社が村を去った後、住民もいなくなり、1980年代には廃村と化しました。
森や湖など、北欧の良き美しい風景の残る村。歴史的な建物は、手頃な価格で売りに出され、その物件に目を付けたアーティスト達が移り住んだのが、アーティスト村と呼ばれる今のフィスカルス村のはじまりでした。
アーティストはどう暮らしている?
現在では約600人が住むフィスカルス。なんとそのうちの100人程はアーティストなのだとか。古い歴史的な建物をいかしてお店にしたり、それぞれ工房を構え、「ONOMA("自分たちのもの"という意味)」と呼ばれるジャンルを超えた協同組合を組織しています。
ONOMAは定期的に展覧会を開催し、アートやクラフト作品を国内外に発表しています。ONOMAギャラリーショップ はこちら。
お店兼工房となっている所も多く、実際にその場所で作られた作品を本人から買えるというのも、フィスカルスの魅力です。また、ワークショップを開催している工房も。旅の記念に、トライしてみるのも良いですね◎
そして村のあちこちには、さりげなくアーティストの作品が散りばめられていたりもします。
これぞ北欧の郊外!
フィスカルスには湖や川が流れ、緑が豊かなのも魅力ポイント。お店や工房をまわる途中でちょっと足が疲れたら、川のほとりで休憩したりすることもできます。
バスが停まる場所の近くでは、こぢんまりとマーケットが開かれていることも。おいしいアイスクリームを売っていたり、自然に溶け込んで手作り帽子屋を広げるおばちゃまも。こんな長閑な雰囲気のマーケットも、フィスカルスならでは◎
フィスカルスには、1泊するのがオススメ
フィスカルスには、宿泊施設が2軒しかありません。そのうちのひとつ、Fiskars Wärdshus(フィスカルス・ヴァルツフス)は、上質なおもてなしととてもおいしい料理が味わえる1836年創業の老舗ホテル。
ここのレストランはとてもおいしくて、フィスカルスに暮らすアーティストの社交場にもなっています。実際、筆者が宿泊した時も、夕飯を食べ、外のテラスで食後のコーヒーを飲みながら交流をする方達がみえました。
フィスカルスに来たら、是非ここのレストランで食事を。そして、出来ればヴァルツフスに宿泊することをオススメします。村自体はヘルシンキからの日帰りで充分回れますが、そこはゆったりとした空気の流れる長閑な村。是非、自然とアートのある空間をゆっくりと肌で感じてください。
フィスカルスの家具屋であるNIKARI製の家具で統一された客室も、シンプルで素敵な北欧色にまとめられ、とても落ち着く空間となっています。
- フィスカルス・ヴァルツフス
- フィンランド / ホテル
- 住所:Fiskarsintie 14 FI-10470 Fiskars地図で見る
- Web:http://www.wardshus.fi/en/