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【南インド】ジンジーフォート・知る人ぞ知る天空の城

取材・写真・文:

埼玉在住
訪問エリア:23ヶ国

2018年1月27日更新

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写真:ある通訳案内士

『天空の城ラピュタ』のモデル、と言われる場所は世界中にいくつもあります。その一覧に載ってこそいないものの、9世紀より岩山にそびえ立つ天空の城が南インドにあります。その名も「ジンジーフォート」。イギリス人に「東洋のトロイ」と言わしめた城です。インド第四の都市チェンナイから160kmの平原に突如現れる、知る人ぞ知る天空の城をご紹介します。

この記事の目次表示

ジンジーフォートとは??

ジンジーフォートの始まりは、遡ること9世紀。もともとはチョーラ王朝によって築かれた砦でした。そして、13世紀にヴィジャヤナガル王国によって拡充されます。

その後は支配者が入れ替わりながらも、街の中心として重要視され、1761年には大英帝国の配下に置かれることとなりました。ジンジーフォートは、1,000年以上もの長い間、この地を見下ろす、歴史ある城なのです。

ジンジーフォートへ到着、入口へ

ジンジーフォートの最寄駅があるティンディバナムから平原の道を10kmほど進むと、岩山が見えてきます。駐車場で車を止めた後は、そこからジンジーフォートへ一本道です。

  • 写真:ある通訳案内士ジンジーフォートは岩山の上に

筆者が訪れた際には、何組かの家族連れがその道を歩いていました。牛もゆっくりと歩いているのどかな光景です。

ジンジーフォートに到着したら、入口で入場券を買います。インド人は15ルピー(約27円)。外国人は200ルピー(約360円)です。インドの観光地では、外国人料金がインド人料金の何倍もするのは普通ですね。世界遺産級になると、外国人料金は500ルピー(約900円)のところが多いです。

ジンジーフォートへの滞在可能時間は"9:00〜16:30"なので、訪れる時間には気をつけましょう。ジンジーフォートからの眺望は素晴らしいので、朝日や夕日が観られないのは少々残念です。

入口を過ぎたら、岩山を20分から30分ほど登っていきます。

  • 写真:ある通訳案内士天空の城目指して上へ上へ

日頃運動していないと大変かもしれませんが、小さい子どもも家族に支えられつつ、泣きながら登っていたので、あなたも頑張りましょう。素晴らしい眺望と遺跡が待っています。

頂上から見渡す平原と『天空の城ラピュタ』を思わせる遺構の数々

周りの景色を楽しみながら頂上へ。手を使わなければ登れないような険しいところはなかったので、危険を感じることはありませんでした。インドの人は、ビーサンや裸足で登る人もいます。

登るほど眼下に広がってくるパノラマ。頂上付近から見る景色はまた格別です。

  • 写真:ある通訳案内士タペストリーのような大地

田んぼや池や道が、まるでタペストリーのよう。物見台のようなところでは、ちょっとした『塔の上のラプンツェル』気分が味わえます。

  • 写真:ある通訳案内士物見台

その場に居合わせていたインドの女性たちの後について階段を登り、さらに城の上部へ。

  • 写真:ある通訳案内士階段を上るサリー姿の女性たち

無機質な建物に、色鮮やかなインドの民族衣装・サリーが華を添えます。そのまま足を進め、謁見の場のような建物へ。

  • 写真:ある通訳案内士厳かな空気漂う

内部の様子は、往時の繁栄を想起させるような厳かさを保っています。ユニークな形の柱や段の土台にある彫刻もチェックしてみてくださいね。そこから、左側にある階段でさらに上へ。

  • 写真:ある通訳案内士この舞台は何に使われていたのか

回廊や舞台が、今も形を留めています。草が茂る遺跡からは、ラピュタのロボット兵が出てくるのではないか・・などと、ラピュタに迷い込んだ気持ちになります。そしてそして、さらに上へ行くと、頂上です。

  • 写真:ある通訳案内士ジンジーフォートの最上部

遺跡を眺めてぼんやりしていると、今にも落ちそうな場所に人が。しかもセルフィーを取っています。見ているこっちがヒヤヒヤしますね・・。

  • 写真:ある通訳案内士危ない場所でのセルフィーはやめましょう

インドの人は身軽ですね。落ちたら大怪我するので、真似しないようにしましょう。

ジンジーフォートへの行き方

ジンジーフォートに興味を持ってくださった方に、アクセス情報をお伝えしましょう。チェンナイからジンジーフォートの最寄り駅であるティンディバナムまでは、スムーズに移動できれば電車で約2時間半〜3時間ほど。ジンジーフォートはティンディバナムの駅からさらに10kmほどの場所にあります。のんびりとしたインドの鉄道事情を考えると、チェンナイからは時間がかかってしまいますね。

チェンナイからより簡単に訪れるには、ベロールなどの周辺観光地と一緒に巡るツアーに参加するのがオススメです。ただ、バスツアーなどはなく、車によるプライベートツアーになってしまうので、一泊のホテル込みで一人5,000ルピー(約9,000円)ほどかかります。

時間と気力があれば、チェンナイから電車やバス、オートリキシャを乗り継ぐ旅もいいですね。南インドの風を感じ、のんびりと平原を旅することができます。

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インドでIT企業に勤めていたバックパッカー
タイのバンコク留学や、インドのチェンナイ駐在を経験した通訳案内士登録者です。
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