インドネシアの世界遺産、密林に囲まれたミステリアスな巨大遺跡「ボロブドゥール遺跡」。壮大な世界感と神秘的な雰囲気で訪れる人を魅了しています。遺跡がある史跡公園内にはホテル「マノハラ」があり、宿泊が可能。遺跡まで徒歩数分のロケーション&行き放題なんです。今回は、ボロブドゥール遺跡とマノハラホテルの魅力をたっぷりご紹介します。
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ボロブドゥール遺跡とは
インドネシア・ジャワ島中部の密林の中に佇む仏教遺跡です。カンボジアの「アンコールワット」・ミャンマーの「バカン」と共に世界三大仏教遺跡の一つとされています。
崩壊寸前までいった数奇な歴史
8世紀から9世紀にかけてシャイレンドラ王朝が建設したとされていますが、その後ムラピ山の火山灰と土に埋もれ、なんと1000年以上にわたって歴史上から消えさっていました。1814年にイギリス人ラッフルズによって発見されました。
発掘調査が行われましたが、崩壊の危険性があるとして途中で再び埋め戻されることに。しばらく放置され、一時は崩壊寸前までに。
その後、アジアの遺跡としては初めてユネスコ主導のもと、大規模な調査と復興作業が開始。1982年にやっと修復工事が終わりました。
日本が技術協力を行ない遺跡周りの公園が整備され、史跡公園も完成。1991年に世界文化遺産に登録されました。
謎が多く残る遺跡
しかし未だに謎が多く残る遺跡となっています。名前の由来、建設時期や工期、石の採石場所など詳細は明らかになっていません。巨大な建築物が何のために造られたかも実は解き明かされておらず、寺院、王の墓、僧房など諸説あります。
そして最大の謎は、なぜこれほどの建築物を造っておきながら地元の人々からも忘れさられていたのか。火山の降灰によるものが有力ですが、イスラム教徒による破壊を恐れて人びとが埋めたという説もあります。
遺跡の構造
壮大なスケール
実際に訪れてみると、写真に収まらないくらいの巨大さに圧倒されます。遺跡の高さは約33メートル。そしてその彫刻や建築の緻密さにも驚きます。
仏教の三界を表す構造
こちらが遺跡の模型です。ボロブドゥールの構造は、仏教の三界を表しているそうです。仏教の三界とは、人間のいる「欲界」、神と人間が触れあう世界の「色界」、神のいる「無色界」です。
ボロブドゥール遺跡も「外周の基壇」「回廊がある方壇」「最上階の円壇」の三層構造になっています。つまり下から上へ登っていくにつれ、欲望にあふれ罪悪に満ちた世界から禅に達した世界へと移っていくものとされ、【悟りへの道】ということになります。
実際に上ってみよう
こちらが正面の階段です。
構造は全9層になっており、基壇1層、方壇5層、円壇3層となっています。階段ピラミッドのようで、階段を上がりぐるりと一周巡り、また階段を上っていくイメージです。
レリーフが残る方壇
基壇から第一回廊への階段を上り、方壇へ。
方壇には仏教にまつわる物語のレリーフが残されています。特に第一回廊はレリーフ保存状態が良く、ブッタの一生が描かれており必見です。時計回りに周ってくださいね。
神秘的なストゥーパ
最後の階段を上ると急に視界が開けます。こちらが円壇となり、そこには独特の形をした丸いお椀のような形の建築物が。「ストゥーパ」と呼ばれるものです。
穴の中をのぞいてる人がいます。
この中には仏像がいるんです。格子の隙間から手を伸ばし、幸福の仏像の右手薬指に触れれると願い事が叶うという言い伝えもあります。(現在は遺跡保護の観点で接触不可という情報も)
全部で72基あるストゥーパですが、中には囲いがないものがあります。この仏像は写真スポットとして人気です。
中心にある大ストゥーパは窓がなく「無の世界」を表しています。
遠くに目をやると、辺り一面森になっています。密林の真ん中にこの巨大遺跡があることがよくわかります。
どのお天気も時間帯も魅力的な景色
ボロブドゥール遺跡は日の出が一番美しいとされていますが、晴れの日でも曇りの日でも、そして夕焼けやまだ夜明け前も、どの天候や時間帯に訪れてもそれぞれ良さがあります。
お天気の日
快晴の日は、ストゥーパがくっきり浮かび上がりまるで絵のようです。
曇り
曇りの日は晴れとは全く違う雰囲気に。とても幻想的です。
夕焼け
夕日が当たると、遺跡がオレンジ色に。とてもロマンチック。
夜明け前
夜明け前は一番神秘的な雰囲気になります。徐々に明るくなり、遺跡の全貌が明らかになっていく瞬間は少しわくわくしますよ。
ちなみに夜明け前のこれらの写真は、後述する「サンライズツアー」に参加した際の写真です。