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スキンヘッドの布袋様のお腹をなでてパワーチャージ!鎌倉【浄智寺】

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:47都道府県

2017年8月10日更新

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曇華殿

仏のメッセージを伝える三世仏

境内に入るとすぐに見えるのは、「曇華殿(どんげでん)」。「どんげでん」とは少し舌を噛みそうな名前ですね。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto曇華殿

仏教界では、3,000年にたったの一度だけ咲く花があり、そのお花を「優曇華(うどんげ)」 と言うんです。

3,000年に一度しか咲かないわけですから、私たち人間にとっては、よっぽどタイミングよくないと見れないお花ですよね。つまり、とっても珍しく貴重なものの意味で、このお堂を「曇華殿」と名付けたんです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto曇華殿の額縁

曇華殿の内部には、向かって左に「阿弥陀如来」、中央に「釈迦如来」、右には「弥勒如来」が安置されています。この3人が一緒にいるのには意昧があり、阿弥陀如来は「過去」を表し、釈迦如来は「現在」、弥勒如来は「未来」をあらわしているんですよ。3人セットで「三世仏」と言います。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto三世仏

心もち現在を表す「釈迦如来」が大きいですね。仏教は、現在の一瞬を大切に生きる!というお釈迦様の教えが根幹にあります。過去でもなく未来でもなく、現在。ここに何か参拝する者に向けたメッセージを感じます。

この三世仏像は、室町時代に作られたと言われています。

見逃さないで!観音様

三世仏を見て、曇華殿を見た気になってはいけません!「え、ここに!?」という意外なところに観音様が隠れていらっしゃるのです。

曇華殿の建物をぐるりとまわり、裏側に行ってみましょう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto観音様拝観の案内

裏側には、人ひとり通れるくらいの幅に、格子がはめ込まれた窓があります。この奥に観音様がいらっしゃるんです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto観音様

知らないと、通り過ぎてしまいそうなくらい、ひっそりといらっしゃいます。

鎌倉一のコウヤマキ

曇華殿のまわりには、コウヤマキや、ビャクシンが立っています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoコウヤマキ

このコウヤマキ、鎌倉一の大きさだとか。鐘楼前のビャクシンと同じく、こちらも鎌倉市の指定天然記念物です。

書院

曇華殿の裏手には、茅葺き屋根のシックな建物が見えます。

こちらは書院。非公開のため中に入ることはできませんが、書院の前には四季の花々や緑が景色に色を添え、書院のシブめの色味と、すっきりしたデザインが強いコントラストを生み、なかなか見ごたえのある景色です。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto書院

竹林とやぐら

書院の奥には、まるで森林公園のような緑が広がっています。浄智寺は境内が広く、その大部分がこんな感じで豊かな緑なんです。この緑を求めて訪れる人も多いんですよ。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto緑豊かな道

まっすぐと気持ちよく伸びた竹林も見事です。竹の清涼感ある香りと景色でぐんぐんパワーチャージされるような気持ちになってきます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto竹林

竹林を抜けると、なぜか狸の像が3体どこかを向いています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto狸像

これは狸のお墓の目印なんだとか。ある日、「この近くで亡くなった狸を葬ってほしい。」という依頼があって、ここで手厚く葬ったという経緯があるそう。

その先には、鎌倉のお寺でよく見かける「やぐら」が現れます。やぐらとは、岩肌をくりぬいて人工的に作った洞窟のことで、鎌倉では位のある人のお墓として使われるのが一般的です。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoやぐら

ところが、浄智寺のやぐらは、お墓ではなく元々は住居として使われていました。その後お墓となり、やがて倉庫として使われました。今では石像が安置され、参拝の場となっていますね。

インパクト大の布袋様

やぐらのある竹林を抜けて、境内の敷地を書院を中心に一周する途中に、洞窟のようなトンネルがあります。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoトンネル

トンネルの前には、「布袋さんがトンネル先の洞窟でお待ちです。」という札が掲げられています。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto案内の札

割と背の高いトンネルを通っていくと、その先は想像していなかった!という広さの中庭のような墓場に出ます。

その奥に、大きく「鎌倉江の島 七福神」と書かれた旗の向こうに、でたー!布袋様です。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto鎌倉江の島七福神の旗
  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto布袋様

この布袋様、人間よりちょっと大きいサイズで、なんだか親近感がわきます。親近感がわくのは、そのヒョウキンな表情とポーズによるものが大きいのかもしれません!

歯をむき出しにして口角をあげ、目はこれでもか!というほど目じりをさげたインパクト大の表情。そして、人差し指をピーン!と伸ばしたポーズなんです。この布袋様の横に並んで写真を撮ると、まるでボケとツッコミの漫才コンビのような写真がとれますよ。もちろんツッコミは布袋様。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto布袋様のお顔

こちらの布袋様、お腹がぽっこりしていて、ついつい撫でたくなりますよね。お腹をなでると、元気モリモリになるそうです。なんとなく、わかります!オーラ出てますもん。多くの参拝者がお腹を撫でるので、この布袋様、腹黒くなっちゃってます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoお腹をなでる

ところで、布袋様といえば、七福神のメンバーのうちの一人です。鎌倉と近くの江の島には、ご当地七福神がいらっしゃって、「鎌倉江の島七福神」と言います。こちらの布袋様はそのメンバーのおひとり。

他の七福神もコンプリートしたくなりますね。鎌倉江の島七福神を巡る場合、スター卜するのは、この浄智寺の布袋様から。ここから江の島に向かって歩いていくと、七福神様に会えるんですよ。

書院を通して庭を楽しむ

さて、布袋様から元気をもらった後は、そろそろ浄智寺の境内散策も終わりです。ここまで書院を中心に境内を一周するように歩いてきました。

境内を出る前に、もう一度書院を見てみましょう。冒頭でご紹介した書院の逆側から中庭が見えるんです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto書院入り口

ここから、中を覗いてみると・・・

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto書院からのぞいた中庭

どうです?一卓の机がある他は、何もないシンプルなお部屋。奥に見える石灯籠と中庭の緑を邪魔しない配慮を感じますね。

このシンプルな美しさから、ここから見る景色を目当てに、カメラを携えて訪れる人も多いんですよ。

おわりに

いかがでしたか?浄智寺はその深い緑に囲まれた静かなお寺からか、どことなく渋いイメージがあるお寺ですが、境内にはフォトジェニックなスポットや、ひょうきんな布袋様など、なかなか見どころが多いところです。

なにより、参拝者を楽しませようというお寺の配慮が、いろんなところに溢れているんです。この記事の締めくくりとして、お寺の楽しませよう!という気持ちが「そんなところに!?」とびっくりしたモノをご紹介します。

それがこちら!

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoコーンにお地蔵様

えー!!ちょっとびっくりしてしまいますよね。なんとコーンにお地蔵様が浮き上がっている「地蔵コーン」が置かれています。一般販売されている美術作品ですが、お墓の前にあるので、ちょっと知らないとドキッとします。言い方が悪いですが、コーンにお地蔵様が憑依したみたいな・・・。

お寺の遊び心を感じるこのコーン。境内のどこかに置かれているので、ぜひこちらも探してみてくださいね!

浄智寺
鎌倉 / 寺 / 紅葉 / パワースポット / 女子旅 / 穴場観光スポット / 花畑(6月) / あじさい名所 / 竹林 / ロケ地
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1402地図で見る
電話:0467-22-3943
Web:https://jochiji.com/

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